福岡発ビジュアルストーリーテリング|心を動かす動画の物語設計

福岡での動画制作における効果的なストーリーテリングについて

動画は、ただ情報を届けるための手段ではありません。それは、人の心を動かし、行動を促し、時に価値観さえも変えることができる、強力な“ビジュアルストーリーテリング”のメディアです。とくに福岡のように、文化、街並み、人の温かさ、そして地域に根ざした風土が色濃く残る土地では、その背景を活かした映像表現が強い説得力を持ちます。 

いま求められているのは、ただきれいに撮るだけの動画ではなく、視聴者の共感を引き出し、ブランドの世界観を形づくり、記憶に残る体験を提供するような動画です。そのためには、「物語」をどう描き、どのように映像に落とし込むかという視点、つまり“物語設計”の考え方が欠かせません。 

本記事では、福岡で動画制作を検討している方に向けて、 

  • なぜ物語性が必要なのか 
  • 視聴者の心に残る動画の構成とは何か 
  • 福岡という地域の強みを映像にどう落とし込むか 

といった観点から、「心に残る動画をつくるための考え方と具体的な構築ステップ」を丁寧に解説していきます。どこをどう撮り、どんなストーリーを描けば、より深く届く動画になるのか。そのヒントがきっと見つかるはずです。 


そもそも“ストーリーテリング”とは何か?    

共感されるストーリーの「型」を知ろう

ストーリー設計の手順と構成テンプレート

飲食店の“想い”と“味”を伝える

まとめ|記憶に残る動画には、物語がある

 

そもそもストーリーテリングとは何か?

ストーリーテリングとは、情報やメッセージを単なる説明ではなく「物語」として伝える表現技法のことです。事実やスペックだけを並べるのではなく、その裏にある人の想いや背景、感情の流れまでを丁寧に描くことで、見る人の心に深く訴えかける力を持ちます。 

たとえば、ある商品の説明をする際に、「こんな機能があります」「こんな特徴があります」と列挙するだけでは、記憶にも印象にも残りづらいものです。しかし、開発者がどんな想いでその商品を生み出し、どんな課題を乗り越えてきたのかという物語があると、見る人は自然とその価値に引き込まれ、「この商品を使ってみたい」と感じるようになります。 

ストーリーテリングは、情報を“納得させる”だけでなく、“共感させる”ための技法なのです。 

なぜ動画にストーリーテリングが必要なのか?

現代の消費者や視聴者は、かつてのように「機能性が高いから」「価格が安いから」といった理由だけで動くことは少なくなってきました。商品やサービスの購入、あるいは企業に対する好意や信頼は、その背後にある“ストーリー”に納得できるかどうかで大きく左右されます。 

たとえば以下のようなストーリーは、多くの人の心を動かします。 

  • 「このお店は、地元の人たちの思い出とともに歩んできた歴史がある」 
  • 「このブランドは、苦労と挑戦の中から生まれた情熱の結晶だ」 
  • 「この企業は、地域に根ざして未来を見据えた取り組みをしている」 

このようなストーリーを映像の中に織り込むことで、ただの広告ではない、人と人とのつながりを感じさせるコンテンツになります。 

映像は視覚・聴覚の両方に訴えるため、ストーリーテリングとの相性が抜群です。温度感のある言葉や、何気ない表情、舞台となる場所の空気感など、テキストや写真だけでは伝えきれない感情のディテールまで届けることができます。 

結果として、視聴者の中に「共感信頼行動」という自然な流れが生まれ、単なる認知獲得にとどまらず、購買や問い合わせといったアクションにつながっていくのです。 

単なる映像紹介との違いとは?

よく混同されがちですが、「映像紹介」と「ストーリーテリング動画」には明確な違いがあります。以下はその比較です。 

種類 

特徴 

商品紹介動画 

商品やサービスの機能・特徴・価格などを簡潔に伝える。情報中心。 

ストーリーテリング動画 

背景や人物、想い、感情にフォーカスし、ブランドの世界観や価値観を“心で理解”させる。 

たとえば、同じ「コーヒーショップ」を紹介する動画であっても、伝え方は大きく異なります。 

商品紹介動画では、「豆の産地」「味の特徴」「価格帯」などを事務的に紹介して終わりです。一方、ストーリーテリング動画では、「なぜ創業者は糸島に移住してこの店を開いたのか」「どんなこだわりを持って焙煎しているのか」「常連客とのエピソード」など、物語性のある背景を描きます。 

この差が、視聴者の印象にどれだけ残るか、ブランドにどれだけ“感情的なつながり”を感じてもらえるかを大きく左右します。情報はすぐに忘れられても、感情の揺らぎや共感は記憶に残り続けるからです。 

ストーリーテリングは、単なる「映像の装飾」ではなく、視聴者の心に直接届くための“本質的な表現手法”です。とくに、地域性や人のぬくもりが強い福岡という土地では、そうした物語性をどう活かすかが、動画の伝わり方を何倍にも変える鍵になります。 

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共感されるストーリーの「型」を知ろう

どれだけ映像が美しくても、ストーリーそのものに“流れ”がなければ、視聴者の心には残りません。人の心を動かすストーリーには、いくつかの基本フォーマット=「型」があり、プロの動画制作者たちもこの型をもとに構成を組み立てています。 

型があることで、視聴者は自然と物語の中に引き込まれ、登場人物に感情移入しやすくなります。ここでは、動画制作において特に活用しやすい3つのストーリーフォーマットをご紹介します。 

起承転結(王道の流れ)

もっとも日本人に馴染み深いストーリー構成です。起承転結の4パートで構成され、感情の抑揚や展開のわかりやすさが特長です。特にドキュメンタリー調の構成や、インタビュー中心の動画に適しています。 

  • 起:問題提起・きっかけ 
     例:「店主がかつて抱えていた悩みや葛藤」たとえば経営難、時間との闘い、理想とのギャップなど。 
  • 承:状況の展開 
     例:「転機となる出会いや学び」尊敬する師との出会い、福岡移住、ライフスタイルの変化など。 
  • 転:試練や困難 
     例:「ピンチや乗り越えた壁」店舗移転、災害、経営危機、スタッフの離脱など。 
  • 結:現在の姿とこれから 
     例:「今の想いと未来への展望」お客様とのつながり、街への感謝、次の挑戦への決意。 

この構成を用いることで、視聴者は主人公の旅路を追体験する感覚を得られ、最後には一緒に「よかった」と心が温かくなるような感動が残ります。 

ヒーローズ・ジャーニー(挑戦と成長の物語)

神話学者ジョーゼフ・キャンベルの理論に基づいた、古典的かつ普遍的なストーリー構造です。主人公が未知の世界に飛び込み、仲間や試練を経て変化し、帰還するという流れは、漫画・映画・アニメ・ドラマでも多用されており、共感・没入感・感動を呼びやすい型です。 

例えば、個人でカフェを開業する夢を追う物語だとすると、 

 夢はあるが、技術も資金もなく、自信もなかった。 
 それでも、福岡で出会った人々や仲間に支えられながら、学び、実践を重ねる。 
 数々のトラブルや挫折を乗り越え、ついに自分の店をオープン。 
 そして今、地元の人に愛されるカフェとして成長中。 

この型は、特にブランドの創業ストーリーや、創業者インタビューを軸にしたブランディング動画に効果的です。登場人物が「成長する存在」として描かれることで、視聴者はその姿に感情移入し、自らも応援したくなる心理が生まれます。 

③“Why”から始める共感型ストーリー

「なぜそれを始めたのか?」「なぜこの地域を選んだのか?」「なぜ今、これを伝えたいのか?」──ストーリーの出発点を“Why(なぜ)”から始める構成は、視聴者の感情に直接届きやすく、深い共感を呼び起こします。 

この型は、特に個人事業主・ローカルブランド・中小企業・NPO団体など、規模は小さくても熱量や理念を持って取り組んでいる人たちに最適です。 

たとえば、 

「なぜこの事業を始めたのか?」過去に直面した課題や家族の体験が原点になっている 
 「なぜ福岡を選んだのか?」都会と自然のバランスが取れた環境に惹かれた 
 「なぜこの商品にこだわるのか?」自分自身が救われた原体験を誰かにも届けたい 

など、なぜのストーリーには、理屈ではなく心を動かす説得力があります。「この人がこれをやっている理由に共感したから応援したい」と思わせることができれば、視聴者の行動(購入・来店・シェア)につながります。 

福岡ローカルならではストーリーテリング

福岡は、ストーリー素材の宝庫です。「人情」「地元愛」「歴史ある商店街」「屋台文化」「豊かな自然」「おいしい食」など、地域に根ざしたエピソードや感情が視聴者の共感を得やすい下地として存在しています。 

だからこそ、たとえばヒーローズ・ジャーニーの型に「地元の人との関係性」を組み込んだり、起承転結の“承”で「博多祇園山笠に触発された経験」を入れたりと、地域性と物語構造を掛け合わせることで、よりリアルで深いストーリーが完成します 

単に型に沿うだけでなく、「その土地、その人、その想い」が自然とにじみ出る構成こそが、“福岡らしいストーリーテリング”を生む秘訣です。視聴者が「これは私の街の物語だ」「これは自分にも通じる話だ」と感じたとき、動画は単なる映像から“体験”へと変わります。

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ストーリー設計の手順と構成テンプレート

実際にストーリーテリング型の動画を制作する際、「どのように組み立てればいいのか?」という構成の手順を箇条書きでご紹介します。 

Step1:目的を明確にする

  • 動画のゴールは「集客」か?「ブランディング」か? 
  • 誰に何を届けたいのか、“1人に届けるつもりで”設定する 

Step2:主役(登場人物)を決める

  • 社長・職人・スタッフ・お客さまなど、“語れる人”を中心に 
  • キャラクターの温度感や価値観が見えると、視聴者は引き込まれやすい 

Step3:「きっかけ」と「葛藤」を描く

  • どんな背景があって、何に悩み、何を乗り越えてきたのか? 
  • 成功体験ではなく“揺れ動いた感情”にこそ共感が生まれる 

Step4:転機(変化)が起こる 

  • 誰かとの出会い 
  • 環境の変化 
  • 気づきや挑戦 

視聴者が「一緒に体験している」と感じる感情の山場をつくる 

Step5:現在と未来を語る

  • 今の活動やサービスの魅力 
  • この動画で何を伝えたいのか 
  • 今後の展望・視聴者への一言などで締めくくる 

シンプル構成テンプレート

  • 自己紹介(30秒) 
  • 背景・きっかけ(1分) 
  • 課題と葛藤(1分) 
  • 転機・挑戦(1分) 
  • 現在・想い・メッセージ(1分) 

このような構成の考え方をすることでより伝わりやすく、ユーザーに刺さるストーリーのある動画を制作できます。 

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福岡企業・店舗での活用事例アイデア

ストーリーテリング型の動画は、特定の業界に限らず、あらゆる業種・規模のビジネスで活用可能な手法です。特に福岡のように地域との結びつきが強いエリアでは、「人」「土地」「文化」の物語が視聴者の共感を呼びやすく、発信力の差を生みます。 

ここでは、福岡を舞台にした具体的な活用シーンの例をご紹介します。 

飲食店の“想い”と“味”を伝える

たとえば中洲の老舗焼き鳥店では、二代目店主が「父の味を守る理由」や「変えたこと・変えなかったこと」を語るストーリーが軸にする。語りとともに、仕込みの朝の様子や焼き場での手際、常連客が語る思い出などを織り交ぜることで、料理の魅力を“味覚”ではなく“記憶と想い”で伝えることができます。 

単なる食レポでは得られない深みが生まれ、「また行きたい」「誰かに紹介したい」という行動につながります。 

町工場・職人技の魅力を描く

伝統工芸の現場では、技術だけでなく「それを受け継ぎ、守る人」の物語が強く視聴者に刺さります。たとえば博多織の織元では、若手職人がいかにしてこの道に入り、伝統と革新をどう両立させているかを描くことで、文化的価値と現代的挑戦が共存する世界を伝えることができます。 

製造工程の映像だけでなく、職人の日常や顧客とのやりとりも交えると、BtoBの場面でも“信頼できる企業”という印象を残せるコンテンツになります。 

クリエイター・個人事業主のブランド形成に

個人で活動するクリエイターにとっては、自分自身や作品の「背景」を伝えることが最大のブランディングになります。たとえば、糸島で陶芸を営む作家が、自然に囲まれた環境で暮らす理由や、日々の暮らしと作品づくりの関係性を語る動画は、ただの作品紹介を超えた“世界観を届ける映像”として機能します。 

作品ではなく“人”を映すことで、ファンの共感や親近感が生まれ、SNSECでの発信にも大きな力を与えてくれます。 

採用・インナーブランディング用途

社員やスタッフが自らの言葉で「なぜこの会社を選び、今どんなやりがいを感じているか」を語る動画は、採用活動において非常に効果的です。たとえば、天神にあるベンチャー企業では、若手社員のリアルな声を中心に構成し、「社内の空気感」や「価値観の共有」を映像で伝えることで、企業説明会では伝えきれない“納得感”を与えることができます。 

求職者にとっては、ミスマッチを防ぎ「ここで働きたい」と思えるきっかけになり、企業にとってはブランディングと採用の両面でメリットがあります。 

このように、ストーリーテリング型の動画は情報ではなく“想い”を届ける力があります。福岡という地に根ざし、人と人とのつながりを大切にしている企業・店舗であればなおさら、その背景にある物語を表現することで、広告を超えた共感型コンテンツとして大きな価値を生み出せます。 

動画で伝えるのはサービスや商品だけではありません。「なぜそれをやっているのか」を描くことで、あなたのブランドの“温度”が、確実に相手の心に届いていきます。 

まとめ|記憶に残る動画には、物語がある

いまや動画は、単に情報を伝えるだけのツールではなく、人の感情に触れ、心を動かす力を持ったメディアとして大きな役割を果たしています。その中核にあるのが、ストーリーテリングです。 

背景のある人物や出来事を描き、共感できる想いやきっかけを伝え、福岡という土地の持つ個性や温もりを活かすことで、動画はただの映像から、“記憶に残るメッセージ”へと進化します。視聴者にとって「自分ごと」として感じられる物語があれば、その動画は一瞬で流される情報ではなく、心に残り、行動を促すきっかけになります。 

どんなお店やサービスにも、「始まり」「苦労」「喜び」「信念」といった物語のタネがあります。重要なのは、それをどう語るか、どう映すかという視点を持つことです。言葉にし、映像に乗せて伝えることで、視聴者との間に信頼と共感が生まれ、強いブランドとしての土台が築かれていきます 

ストーリーを“映像化”できるのは、他でもないあなた自身です。福岡という舞台を味方につけながら、あなたのブランドや活動に込めた想いを、ぜひストーリーテリングという手法で表現してみてください。そこから生まれる一本の動画が、誰かの心に長く残る特別な体験となるはずです。

●福岡での動画制作完全ガイド|企画・撮影・配信までの全プロセスとは 

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弊社では、 動画制作において企画から制作、そして配信までをワンストップで承ります。
動画制作ではSNS用の縦型動画の撮影、編集からチームを組んでのロケ、撮影などにも対応しております。動画を使って集客やブランディングをお考えの方、動画の制作に興味がある方は、お気軽に弊社までお問合せ下さい。

WRITER / demio
株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 クリエイティブディレクター

株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。