ブランディングとは?再認と再生、選ばれる企業になるためのブランド構築を徹底解説!
モノや情報が溢れている現在は、自社の強みや他社との違いが消費者に伝わりにくく、売上につなげることが難しくなっています。
そこで重要になるのがブランディングです。ブランディングによって、自社が提供できる価値や他社とは異なる部分を広く浸透させ、選ばれる企業へと成長させることができます。
今回はブランディングの基本的な概念から具体的な手法まで詳しく解説していきますので、これからブランディングに注力していこうと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
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ブランディングとは
ブランディングとは、自社の商品やサービス、企業自体をその企業特有のものとして認識させ、競合他社との差別化を図ることです。単に認知拡大を目指すのではなく、浸透させたい自社のイメージと消費者が持つイメージを一致させ、ブランドの価値を確立します。
例えば、家電製品を買いたいと思ったとき、「家電と言えばあのブランドだし、間違いない」と自然と選択肢の中に入ったり、休憩するためのカフェを探している時に看板のロゴが目に入り「この店はコーヒーがおいしいからここに入ろう」と思わせることができれば、ブランディングは成功していると言えます。
このように、ブランディングは消費者に広く認知され、瞬時にブランドイメージが想起され、幾多の商品の中から自社の商品を選んでもらえる状態をつくり出す目的があります。
また、ブランディングは商品やサービスそのものの価値に加え、心理的な面での付加価値の提供を重視します。デザインが優れている、使いやすい、ロゴマークがおしゃれ、従業員の接客がいい、お店の雰囲気が好みといった目に見える部分と見えない部分のすべてがブランディングにつながり、ブランド価値を上げる要素となります。
ブランディングとマーケティングの違い
マーケティングとは、企業やブランド、商品やサービスの価値を知ってもらい、購入してもらうために行う様々な施策のことを指します。
ターゲットのニーズを把握し、自社の商品がそのニーズに応えられるものであることを正しく伝える。そうしてターゲットの購買意欲を刺激し、売り込むことなく自然と売れる仕組みをつくり、売り上げを向上させることを目的としています。
ブランディングとマーケティングは同義的に捉えられることが多いですが、
- 考え方
- 目的
- ターゲット
の3つの点で大きく異なります。
考え方
ブランディングは「自社が」どんな理念をもって動いているのか、「自社が」どんな価値を提供できるのか、「自社が」消費者にどんなイメージを持ってもらいたいのかを突き詰めていくことであり、基本的に主語はすべて「自社」になります。
対してマーケティングは、商品を開発するにも宣伝するにも販売するにも、すべての工程で「ユーザー」の視点に立ちます。「自社がこうしたいから」ではなく、「ユーザーがどう思うだろうか、どうしたいだろうか」というように、ユーザーを軸に考えます。
目的
ブランディングは、消費者に信頼や愛着を持ってもらいファンになってもらうこと、市場での優位性や安定した集客効果を保つことを目的としています。商品を購入してもらったとしても、理想とする自社のイメージを持ってもらえていないのであれば成功しているとは言えません。
対してマーケティングは、商品を購入してくれる人を増やし、売り上げを向上させることを目的としています。イメージの浸透よりも多くの人に購入してもらうことを重視します。
ターゲット
ブランディングのターゲットは、自社が大事にしている理念や価値観に強く共感してくれる顧客である「ブランドターゲット」と、ブランド自体またはブランドターゲットに対する憧れ、質の良さ、権威性など様々な理由で購入してくれる顧客である「セールスターゲット」です。
対してマーケティングにおけるターゲットは、商品やサービスを購入してくれる可能性があるすべての人です。まだ自社を知らない潜在顧客もすでに知っている顕在顧客も含まれます。
ブランディングとマーケティングの関係性
ブランディングとマーケティングは互いに影響しあっているものとして考えることが重要です。
どちらか一方だけに取り組んでもダメ
ブランディングだけに取り組むと、自社が理想とするイメージを持ってもらうことはできますが、ユーザーのことが見えていないため、実際の購入にはつながらず売り上げは伸びません。
対してマーケティングだけに取り組むと、ユーザーのニーズに応える商品を販売でき売上は上がるでしょうが、企業の核となるものを定めていないため様々な過程でブレが生じます。いつまでたってもその企業「らしさ」が見えてこず、企業としての厚みがでません。
消費者は商品を買ったとしても、企業が何を大切に考え、どんな特色があるのかがわからないため、信頼関係は築かれません。短期的には成果を出せているように見えても、長期的に見ると「この企業だから」と選ばれる企業に成長することはできないでしょう。
このように、ブランディングとマーケティングはどちらか一方だけに注力してもうまくいきません。
ブランディングとマーケティングは組み合わせて相乗効果を図る
進め方としては、ブランディングを先に行い、自社が持つ魅力や価値を設定するところから始めます。そして、ユーザーの視点に立ち、自社が定めたブランドの価値とユーザーのニーズが落ち合う部分を探し、マーケティングを行います。
ブランディングによって愛着や信頼を生み、ブランドに対して好意的なイメージを持ってもらうことができれば、「このブランドだから買う」という状態になり、マーケティングの効果がより大きくなります。
また、マーケティングによって商品を購入してもらい、ポジティブな体験や満足感を持ってもらえれば他社との差別化が図れ、ブランディングの成功に近づきます。
ブランディングの種類
ブランディングには様々な種類がありますが、大きく分けると「アウターブランディング」と「インナーブランディング」の2つのブランディングが存在します。
アウターブランディング
アウターブランディングは消費者や顧客といった社外に向けて行うブランディングです。一般的にブランディングは、このアウターブランディングを指して言われることが多いです。自社に一貫したポジティブなイメージを持ってもらうことを目的としています。
インナーブランディング
インナーブランディングは、社内の従業員に対して行うブランディングで、「インターナルブランディング」とも呼ばれます。企業理念やビジョン、ミッションなどを社員に正しく理解してもらい浸透させることで、社員のエンゲージメントを高めることを目的としています。
両方取り組むことが重要
ブランディングを行うメリット
ブランディングを行うことで、以下のようなメリットを享受できます。
価格競争から脱却できる
類似した商品やサービスがあふれている現代では、他社との価格競争を行わなければならない状況に陥ることも多々あります。
しかし、ブランディングが成功すれば、商品そのものの価値に加えて付加価値という部分で大きなアドバンテージとなり、値引きをしなくても安定した経営を実現できるようになります。
ブランドが支持されリピート率が高くなれば、宣伝や販促にかかる費用を削減しながら安定した集客を狙え、コストパフォーマンスの向上につながります。
新たな市場を開拓しやすい
ブランディングが成功すると、新しい市場を開拓しやすくなります。
イメージを定着させ、実際に利用してもらえた際にも「利用して良かった」とポジティブな印象を与え続けることができれば、良いブランドだという信頼が蓄積していきます。
すでにブランド価値を認めてもらえていることで、新しい商品やサービスの展開においても「いいものだろう」と顧客に受け入れてもらいやすく、成功する可能性がグッと高まります。
人材確保につながる
ブランディングが成功すれば、顧客だけでなく社員の企業に対する愛着や信頼も大きくなるため、離職率の低下や他社からの引き抜き防止につながります。
企業ブランドの認知度も高いため、求職者の目に留まりやすく、求人コストをかけずとも自社の理念に共感する理想的な人材を獲得しやすくなります。
また、ブランドに対する愛着が強い社員が増えることで、商品やサービスのより魅力的な発信につながり、さらなるブランド価値の向上が期待できます。
デジタルブランディングとは
デジタルブランディングとは、インターネットやデジタル媒体を通して、自社の商品やサービスの価値を消費者に認知してもらい、他社との差別化やイメージアップを図ることです。
インターネットが急速に普及している現代では、マスメディアを活用するよりもWEBサイトやSNS、スマートフォンアプリ、デジタルサイネージなどの様々なデジタル媒体を活用したほうがより幅広い消費者にリーチでき、効果的なブランディングを実現しやすくなります。
デジタルブランディングの重要性
誰もが簡単にインターネットにアクセスできる現在は、私たちが利用する商品やサービスについての情報も溢れかえるようになり、選択肢の数も膨大になっています。また、自分が求めているタイミングで情報を探す能動的な情報収集のスタイルが一般的になっています。
そんな状況の中で選ばれるためには、消費者との距離が近いデジタル媒体を通して、自社ならではの価値=ブランドアイデンティティを認識してもらう必要があるのです。
他社との差別化を図り、共感性や信頼性、好感度を高めていくことで選ばれるブランドになりますが、マスメディアを使ったブランディングではどうしても一方的な情報発信になり、相互関係を深めることは難しいでしょう。
デジタルブランディングは双方向のコミュニケーションが可能なため、自社の魅力を伝えつつ、ターゲットが求めている情報の把握や発信も可能になります。よって信頼関係が醸成され、コンバージョン率の上昇も見込めます。
デジタルブランディングの代表的な施策
デジタルブランディングの代表的な施策として、以下のようなものがあります。
- ホームページ制作
- コンテンツマーケティング
- SNSマーケティング
ホームページは自社と関連性が高いユーザーや興味を持ってくれたユーザーが最初に訪れる場所でもあるため、企業の理念やビジョン、存在意義を知ってもらい、ブランドを確立するための最も大きな役割を担っていると言っても過言ではありません。
コンテンツマーケティングは、より自社と関連性の高い消費者との接点を作るために、ターゲットユーザーが求めている情報を提供します。その道のプロとして豊富な経験と知識に基づいたコンテンツは、専門性や信頼性が高く、ブランディングに多大な影響力を与えます。
SNSマーケティングは、今や私たちの生活になくてはならないものであるSNSを通して双方向のコミュニケーションを図ります。他の媒体に比べて拡散力が高い、UGCが生まれやすく購買意欲を刺激することができるなどのメリットを活かして顧客ロイヤリティを向上します。
効果的なデジタルブランディングを行うポイント
では、効果的なデジタルブランディングを行うためにはどんなポイントを押さえれば良いのでしょうか?
ブランドコンセプトを設定する
ブランドコンセプトとは、ブランドが提供する価値を端的に表したものです。ブランドコンセプトを軸としてサービスを展開していくことでブランドアイデンティティが構築され、他社との違いが明確になります。
ブランドコンセプトは、3C分析やSWOT分析などの環境分析を行い、自社がどんな理念を持って動いていて、消費者に対してどんな価値を提供できるのか、どんなイメージを持ってもらいたいのかを突き詰めていくことで見えてきます。
ブランドコンセプトが決まれば、ホームページやデジタルコンテンツの制作においても“ブレ”が発生せず、一貫性のあるクリエイティブワークが可能になります。
自社の価値を正しくわかりやすく表現することを心がけ、一度見ただけ、聞いただけで心に刺さる、記憶に残りやすいコンセプトを作りましょう。
ターゲットを明確にする
ブランドイメージは多くの人に認知される必要があるためターゲティングは必要ないのでは?と思われるかもしれません。
しかし、ターゲットを明確にしていないと自社に興味を持ってもらえる可能性が低い消費者にも等しくアピールしていくことになり、効率が悪いデジタルブランディングとなってしまいます。
デジタル媒体の拡散性が高いからと言って、親和性の低いユーザーにいくらアピールしても共感されず自分ごと化させられないため、ブランド価値の浸透は難しいでしょう。
デジタル媒体は詳細なターゲティングが可能なものも多いため、費用対効果を高めるためにも最初から可能性が高いユーザーに照準を当て、ニーズに応えていくことが重要です。
照準を当てるべきターゲットを間違えないよう、より感情を動かしやすく、ロイヤルカスタマー化が見込めるターゲット像を徹底的に考え抜きましょう。
積極的にコミュニケーションをとる
ユーザーと双方向のコミュニケーションをとりながら関係を深め、ブランド価値を示し、浸透させられることがデジタルブランディングの醍醐味です。
きれいに取り繕われた表の部分だけでなく、ブランドストーリーなどの裏側の部分を見せることで親近感を感じ、好印象を持たれることも多いです。
ユーザーと直接やりとりをしていく中で生まれる距離の近さや信頼関係は、他社よりも自社を選んでもらうひとつの大きな理由になります。
また、ユーザーとの関係が密になるほど反応がダイレクトに伝わってくるため、すぐに今後のデジタルブランディング施策に活かすことができ、理想的なイメージを浸透させやすくなります。
分析と改善を繰り返す
施策を実行した後は効果測定を行い、課題点を分析したり、改善策を出していく必要がありますが、デジタルブランディングでは分析ツールやインサイト機能を用いて素早くデータを収集し、結果を確認することが可能です。
市場は日々変化を続けるため、最初に打ち出した施策や進め方も変化に合わせて修正していかなければなりません。
ブランドコンセプトという軸がブレることなく、より消費者に受け入れられやすい形に柔軟に対応していくことが、デジタルブランディング成功への近道となります。
●デジタルブランディングとは?重要性やメリット、具体的な施策を解説!
ブランディングとロゴデザインの関係性
みなさんは、有名なブランドや好きなブランドの名前を聞いたとき、まず何を思い浮かべますか?おそらく多くの方がロゴを思い浮かべるのではないでしょうか。
ロゴデザインはブランディングにおいて重要な役割を担っており、企業やブランドが広く浸透するために必要不可欠な要素です。
ここからは、切っても切り話せないブランディングとロゴデザインの関係について解説していきたいと思います。
ロゴデザインとは
ロゴデザインとは、企業やサービス、商品などの名称をデザインで表現したものを指します。
いろんな想いが込められている企業理念を文字だけでなくロゴとしてデザインすることで、世界中に自社の存在意義や想いを発信できるようになります。
ロゴデザインの重要性
人はブランドに触れ、好感を持つとロゴデザインを通して良いイメージを持ち、記憶します。するとブランドに対する信頼や愛着が生まれ、似たような商品が並ぶ中でもロゴデザインを見れば一目で「あの会社だ!」とわかってもらえ、自然と選択肢に入るようになります。
また、ブランディングの確立にはCI(コーポレートアイデンティティ)の明確化が重要になります。CIとは、企業の理念やビジョン、存在意義を整理し、それに基づく企業戦略を社内外で共有することで企業価値を高めることを指します。
ロゴデザインはCIを構成する重要な要素のひとつであり、企業が設定した「どのように認識されたいか」を形として表現し、企業理解を深めてもらうためのブランディングツールです。
ロゴデザインは企業と消費者をつなぎ、ブランド価値を伝えて相互理解を図ります。そうすることで企業に対する解像度やイメージが向上し、効果的なブランディングの展開が可能になります。
このように、ロゴデザインはブランドアイデンティティを象徴し、消費者がブランドを識別するための最も重要な要素と言っても過言ではなく、適切なロゴデザイン制作ができるかどうかがブランディングの成功を大きく左右します。
ロゴデザインの種類
代表的なロゴデザインの種類として、「ロゴタイプ」「シンボルマーク」「ロゴマーク」の3つがあります。
ロゴタイプ
ロゴタイプとは、企業名やブランド名、商品・サービス名などの文字を装飾して表現したものです。名前の文字がそのままロゴとなるため名前を覚えてもらいやすく、スピーディーな認知拡大が期待できます。
シンボルマーク
シンボルマークとは、 企業やブランド、商品・サービスを文字ではなく図形で表現したものです。文字を使わないため遠くから見ても何のブランドのロゴデザインなのかがわかりやすくなります。強く印象付け、記憶に残りやすいというメリットがあります。
ロゴマーク
ロゴマークとは、ロゴタイプとシンボルマークを組み合わせたものです。インパクトの強いシンボルマークに文字を加えて名前もアピールすることができ、両者のメリットが強化されます。シンボルマークのみでもロゴタイプのみでも使用することができるため汎用性が高いです。
ロゴデザインの役割
ブランディングにおいてロゴデザインは以下のような役割を担っています。
認知拡大
文字と画像であれば画像の方が伝えられる情報量が多く、人も文字より画像の方が記憶に残りやすいと言われています。従って、よりインパクトを与えて覚えてもらうためにもロゴデザインは有効です。
ロゴデザインは企業や商品の顔となり、様々な媒体を通して私たちの目に触れます。優れたロゴデザインを制作できれば、瞬時にしっかりと記憶され、ロゴデザインを見ただけで企業をイメージしてもらえるようになり、ブランディングが進みます。
差別化
似たような商材を扱う企業は多くあっても、各企業に独自の強みがあり、まったく同じ企業はひとつもありません。しかし、ロゴデザインがなければ消費者は違いを認識しにくく、どの企業を選べばいいのかがわかりません。
そこで、企業の想いや特徴を反映したロゴデザインがあることによって瞬時にブランドイメージが想起され、他社とは違う存在として認識してもらえるようになり、差別化を図ることができます。
イメージ形成
ブランディングには、自社が理想とするイメージを消費者にも持ってもらい、選んでもらうという目的がありますが、企業の想いが詰まったロゴデザインはその目的を達成するための大きな助けとなります。
デザインはもちろん、色もイメージを伝えるうえで重要な要素となり、多くの企業では自社のイメージを感覚的に伝えるコーポレートカラーをロゴデザインにも使用しています。
情熱やアクティブさ、暖かさを表現したければ赤、自然、癒し、落ち着きを表現したければ緑など、自社が伝えたいイメージに合ったカラーを使うことでブランディングは成功に近づきます。
インナーブランディング
インナーブランディングは、企業理念やビジョンなどを社員に正しく理解してもらうことで社員のエンゲージメントを高めることを目的としています。
企業の想いやブランドのコンセプトを表したロゴデザインを作ることによって、社員が企業の想いを改めて知ることができ、共感することで帰属意識も高まります。また、イメージに沿った行動ができるようになり、自社の良いイメージを広めてくれるため、より一層ブランディングに強い企業となります。
ブランディング力を高めるロゴデザイン制作のポイント
ここでは、ブランディング力を高めるロゴデザインを制作するために押さえておくべきポイントをご紹介します。
企業の想いを反映する
ブランディング力を高めるロゴデザインを制作するためには、企業理念やブランドのコンセプトを反映することが重要です。
ビジュアルの良さだけで作られたロゴデザインは、企業のこれまでに築いてきたストーリーを何も感じさせず、実際は歴史がある企業でも薄っぺらい印象を与えてしまいます。これでは理想とするイメージが浸透するはずもなく、ブランディングは失敗に終わります。
ロゴデザインはかっこよさやおしゃれさ以上に企業の想いが込められていることが重要であり、その想いがわかりやすく伝わるように表現することでブランディングを強化するための要素として機能します、
消費者の視点を持つ
ブランディング力を高めるロゴデザインを制作するためには、消費者の視点を持つことが重要です。
ブランディングでは「自社がどうしたいか」を軸に戦略を立てていきますが、あまりに自社本位になると意図するイメージと異なるイメージを持たれてしまう可能性もあります。
例えば、知的で冷静なイメージを浸透させたいのに赤や黄色などをメインに使ったり、安さや親しみやすさを伝えたいのにスタイリッシュなフォントを用いてモノトーンでまとめたロゴデザインではチグハグ感が否めません。
ロゴデザインを通して消費者にどんなイメージを持ってほしいのか、このロゴデザインを見た消費者に理想とするイメージを持ってもらえるか、という視点で制作を進める必要があります。
高い汎用性
ブランディング力を高めるロゴデザイン制作には、汎用性の高さが重要です。
企業の想いが込められたロゴデザインは、紙やWEBの広告、WEBサイト、パッケージ、プレゼン資料、ノベルティなど、様々なものに印刷され、消費者の目に触れます。媒体ごとにサイズも違えば色の出方も違い、小さくしたり、モノクロにしなければならないこともあります。
その際、ロゴデザインが複雑であったり、かなり多くの色を使っていると、一部分がつぶれてしまったり、特定の色が見えづらくなったりするため、ブランディング力は弱まります、
企業の想いを込めるため複雑なデザインやカラフルなロゴにしたくなりますが、どんな媒体で利用されても視認しやすいデザインと色にしましょう。難しいですが、無駄を削ぎ落としシンプルに、且つコンセプトが瞬時に伝わるロゴデザインを考え抜く必要があります。
独自性を高める
ブランディング動画とは
ブランディング動画とは、商品やサービス、企業、個人などのブランドイメージを強化するために作成された動画のことを指します。
動画を通して自社について知ってもらい、企業が設定した「こう思われたい」という理想的なイメージを消費者にもイメージさせ、商品やサービスの価値を認知してもらうことを目的としています。
また、企業の理念やビジョン、商品やサービスの魅力を伝えながら一貫性のあるブランドイメージを形成することで消費者に親しみを持ってもらい、信頼感を与える役割を担っています。
ブランディング動画のメリット
ブランディング動画を作ることでどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは4つのメリットについて紹介します。
視覚と聴覚両方にアプローチできる
これはブランディング動画に限りませんが、動画の最大の特長として、視覚だけでなく聴覚にもアプローチできる点が挙げられます。人間が受け取る情報量の9割以上を占める2つの感覚に働きかけるため、静止画よりも訴求力が大きく、視聴者の心を掴みやすくなります。
従って、ブランディング動画はブランドのアイデンティティを視聴者に直感的かつ感情的に伝えることができるのです。
ブランドについて知ってもらうためには、理念やビジョン、ブランドヒストリーをどう伝えるかが重要になりますが、企業に関わる人たちの様々な想いが凝縮されているため、どうしても情報量が多くなってしまいます。
静止画とテキストのみの場合、自主的に読んでもらう必要があるため手間がかかりますが、動画であれば目と耳から自然に情報が届き、ブランドの世界観をわかりやすく伝えることができます。映像、音楽、音声、テキストをフルに活用することで表現の幅も広がり、より視聴者の目と心を惹きつけやすくなります。
社員のエンゲージメントを高める
ブランディング動画は、企業理念やビジョンなどを社員に正しく理解してもらい浸透させることで社員のエンゲージメントを高めるインナーブランディングにも効果的です。
ブランディング動画によって従業員の理解が深まることで企業がアピールしたいイメージと一致した行動をとることができるため、ブランドイメージをより強固にすることができます。
さらに、ブランディング動画は従業員のモチベーションを高める効果もあります。企業が目指しているものや価値観に共感できれば、従業員が誇りを持って働くことができるようになり、利益向上に貢献してくれるでしょう。
BtoB企業も効果的にアピールできる
ブランディング動画を作ることで、BtoB企業のアピールの幅も広がります。
企業と企業が取引をする際には、自社がどんな会社でどんな魅力があるのかということをしっかりと伝える必要がありますが、ブランディング動画はそんなBtoB企業のブランドイメージ向上にも寄与します。
ブランドヒストリーや企業がどんな想いを抱いているかというのは、静止画やテキストだけでは伝わりづらい部分があり、実際に伝わる情報には限りがあります。
一方で、動画であれば静止画の何倍もの情報を短い時間で一度に伝えることができるため、取引先の企業に自社のことを深く知ってもらい、信頼関係を構築することができます。
BtoB企業では日常生活で馴染みのない商材を扱っていることも多いため、動画にすることでわかりやすくなり、契約につながることも増えるでしょう。
SNSでの拡散を狙える
ブランディング動画はSNSやWEBサイトなどで簡単に共有されやすく、拡散力が高いというメリットもあります。
ブランディング動画を作る目的やターゲットの設定をしっかりと行い、見る人に刺さる動画を作ることができれば多くの人の共感を呼びます。
動画の共有は企業が行うのでなく視聴者が自発的に行ってくれるため、あらゆる媒体で共有されることで広告費用などのコストを抑えながらブランドの認知度を高めることができます。
まだ認知度が低い企業であっても、魅力的なブランディング動画が共有されれば爆発的な人気を獲得することも十分にあるのです。
ブランディング動画の活用シーン
企業の魅力を映像でわかりやすく伝えられるブランディング動画は以下のような幅広いシーンで活用できます。
- 採用活動
- プロモーション
- WEBサイトやSNS
- イベント
採用活動では、企業の魅力やカルチャーを伝えるブランディング動画を活用し、表面上だけではわからない企業の雰囲気を伝え、自社に合った人材を集めることができます。求職者も応募する前に見極めることができるため、入社後にミスマッチが起こる可能性も低くなります。
また、ブランディング動画は自社サイトや自社SNSにアップすることで、自社に興味を持って訪問してくれた人たちにこう思われたいというイメージを共有することができます。訪問時にブランディング動画が流れれば、どんな企業・ブランドなのかを直感的に知ることができ、イメージアップにつながるでしょう。
さらに、イベントでプレゼンテーションをする際にもブランディング動画を使用することでテキストよりもわかりやすく企業の魅力が伝わります。ブースでの展示などでもブランディング動画を流すことで参加者の興味を引き、認知度を高めることができるでしょう。
効果的なブランディング動画制作のポイント
では、効果的なブランディング動画を作るためにはどのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。ここでは3つに絞って紹介します。
自社の強みを知る
自社の強みを知ることで、ブランディングの方向性を明確にし、消費者にアピールするポイントを見出すことができます。自社の強みを活かした映像はブランドイメージを向上させ、企業の魅力を最大限に伝えます。
例えば、自社の強みが「地域に根ざした事業展開」であれば、実際に地域に密着した施策を行っている様子を映像やナレーションで表現することで、視聴者に地域活性化への貢献性や地域から高い信頼を得ていることを印象付けることができます。
また、自社の強みを知ることは競合他社との差別化にもつながります。他社とは違う自社特有の強みを見つけ、より効果的なものを優先して動画に落とし込みアピールすることでブランド価値が高まり、自社を選んでもらえる確率が高くなります。
共感を誘う内容にする
ブランディング動画では、視聴者の共感を誘う内容にすることも効果的です。共感を誘う内容は視聴者の興味をひき、企業に対してポジティブなイメージを印象付けることができます。
共感を誘うためには、視聴者の目線に立ち、抱えている問題を解決するために自社がどのような価値を提供しているかを明確にする必要があります。
例えば、視聴者が「家事に時間がかかってしまう」という悩みを持っているとすれば、自社がその悩みを解決するサービスや製品を提供していることを伝えることで、自社に共感しやすくなり、親近感を与えることができます。
また、映像や音楽、ナレーションなどの要素をうまく使うことで、共感をさらに加速させます。ブランディング動画を制作する際には、共感を誘うストーリーと演出をうまく組み合わせ、高い訴求力で視聴者の心をグッと惹きつけましょう。
視覚的に惹きつける映像を使う
ブランディング動画の映像が魅力的であれば、ブランドの印象を強め、視聴者の記憶に残りやすくなります。
視覚的に魅力的な映像を作成するためには、カメラワークや照明、色彩、コントラストなどにこだわり、高度なテクニックを駆使する必要があります。また、音楽や効果音などの音響要素を取り入れることで印象がより強くなり、簡単には忘れられないブランディング動画を作ることができます。
効果的なブランディング動画は共感を誘う内容にすることが重要ですが、ストーリーだけでなく魅力的な映像と心揺さぶるストーリーが組み合わさることでブランディング効果は倍増します。
●ブランディング動画とは?動画を活用してブランド価値を高めよう!
まとめ
今回は、ブランディングの基本的な概念や具体的な手法を解説しました。
ブランディングは自社が理想とするイメージを浸透させ、選ばれる企業になるために必須となるマーケティング戦略です。
すぐに成果が出るわけではないため長期的な視点での取り組みが必要ですが、自社だからこそ買いたい、利用したいと思ってもらえるように、適切な手法でブランド価値を高め、ブランディングを成功させましょう。
ジャリアでは、企業のブランディングを成功に導くために、コンセプト立案、スケジュール管理、撮影、編集、音入れまですべて社内で行い、ワンストップで承ります。
広告代理店だからこそできるブランディング計画から始まり、ロゴデザイン制作や動画制作を含めた伴走型のブランド醸成を行います。中長期的なビジョンを持ち、プロモーション計画とサイトSEOを行いつつ、ブランドの認知だけでなく浸透まで導きます。
ブランディングに興味はあるが、何から取り組めばいいのかわからない方や、社内外への理想的なイメージの浸透に苦戦している方は、お気軽に弊社までお問い合わせ下さい。
WRITER / HUM 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。 |