動画撮影のテクニック|福岡の魅力を引き出すプロの技とは?

「動画は撮ったけど、なんだか素人っぽい」
「もっと福岡らしさを感じられる映像にしたい」
そんな悩みを持つ方は多くいるでしょう。動画の“クオリティ”や“印象の深さ”を大きく左右するのが、撮影テクニックです。特に地域密着型の映像制作では、その土地の空気感やストーリーを映像でいかに伝えるかが大切になります。
本記事では、福岡で動画を撮影する際に使える具体的なテクニックや、初心者が陥りやすいポイント、プロが実践しているノウハウをわかりやすく紹介します。
- カメラワークや構図のコツ
- ロケーションごとの撮り方
- 福岡ならではの撮影スポット活用術
- 絵作りに効く小技(光・音・背景処理など)
「プロっぽい動画にしたいけど、何から変えればいいの?」という方も、この記事を読むことで即実践できる撮影ノウハウを得られます。
福岡で活きるロケーション別撮影テクニック 地味だけど大切な撮影準備チェックリスト |
プロが押さえる“魅せる動画”の5大基本
ただ映像を撮るだけでは、人の心に残る動画にはなりません。
特に福岡のように、歴史と現代が交錯する街の魅力を映像で伝えるには、「ただ撮る」ではなく「どう魅せるか」が鍵になります。そこで重要になるのが、プロが実際に撮影現場で意識している基本の技術です。
ここでは、初心者でも実践しやすく、かつ映像の印象をぐっと引き上げてくれる5つの基本について解説します。
構図(フレーミング)
映像の印象を大きく左右するのが「構図」です。中でもよく使われるのが三分割法で、画面を縦横に三分割して、その交点に被写体の顔や重要な要素を配置することで、自然でバランスの取れた画面になります。
また、カメラに収める背景にも奥行きを意識することで、映像に立体感が生まれ、プロっぽい仕上がりになります。たとえば博多の屋台街を撮る場合、屋台を画面の左3分の1に配置し、右側には人々の賑わいや街の明かりを映し込むことで、臨場感と空気感を伝えることができます。
さらに、視線誘導も大切な要素。主役となる人物がカメラの外を見ている場合、その視線の先に空間を持たせることで、映像に自然な流れが生まれます。意図的に「余白」を活かす構図も効果的です。
光(ライティング)
映像の雰囲気を決定づけるのが「光」です。多くの初心者がやりがちなのは、被写体に対して正面から光を当てる「順光」だけに頼ること。
しかし、プロは斜光や逆光を積極的に活かします。そうすることで被写体に陰影ができ、立体感が生まれて映像に奥行きが加わるのです。
特におすすめなのが、朝や夕方のマジックアワーと呼ばれる時間帯。自然光が柔らかく、人物の表情や風景がとても美しく映ります。たとえば大濠公園での撮影では、夕暮れ時に逆光を利用し、人物をシルエットとして浮かび上がらせれば、日常の一コマが一気にドラマチックなシーンに変わります。
音(環境音+マイク)
見落とされがちですが、音の質も動画の完成度を大きく左右します。特にインタビューやナレーションが入る場合、カメラの内蔵マイクだけでは風や雑音が入り込み、せっかくの内容が台無しになることもあります。
プロの現場では、ピンマイクやショットガンマイクを使用し、音声をクリアに収録するのが基本です。
また、環境音も大切な演出要素になります。たとえば飲食店紹介の動画では、「ジュ〜」「カリッ」といった調理音をしっかり拾うことで、視聴者に香りや温度まで伝わるような臨場感を演出できます。映像と音が合わさってはじめて、五感に訴える映像が完成します。
動き(カメラワーク)
映像に動きを加えることで情報量を増やし、視聴者の目を引きつけることができますが、動かせばいいというものではありません。プロは常に「なぜこのタイミングで動かすのか」という意図をもってカメラを動かします。
基本は固定カメラをベースにしながら、必要な箇所でパン(左右の移動)やスライド撮影を取り入れると、自然な緩急が生まれます。たとえば福岡タワーを撮る際、真下からあおるようにズームアップすることで、その高さやスケール感をダイナミックに伝えることができます。
無意味に動かすと逆に酔いや違和感の原因になるため、「何をどう見せたいか」を意識した動きが必要です。
編集を想定したカットの撮り方
最後に押さえておきたいのが、編集を見越した撮影です。撮影時に編集を想定できているかどうかで、編集作業のスムーズさと完成度が大きく変わってきます。
たとえば、主役のインタビューシーン(Aカット)だけでなく、その周囲や背景を撮る「Bカット」も忘れずに撮影しておくことで、シーン同士を滑らかに繋ぐことができます。また、各カットの冒頭と終わりには5秒ほど無音・無動作の“余白”を撮っておくと、編集時のタイミング調整が非常に楽になります。
よくありがちな「編集でなんとかなるだろう」という考えは、後悔のもとです。撮影時点で「どう編集するか」までを想定しておくのが、プロの基本姿勢です。
福岡で活きるロケーション別撮影テクニック
福岡には、都市のダイナミズム、自然のやさしさ、そして歴史や文化がコンパクトに凝縮されています。そのため、撮影する場所によってまったく異なる世界観を映し出すことができるのが、この街の大きな魅力です。
それぞれのロケーションに合わせた撮影手法を理解し活用することで、映像全体のクオリティや表現力が一段と高まります。
屋台通り・中洲|夜景と人の活気を収める
中洲や屋台通りでは、夜の光と人の熱気が混ざり合った独特の雰囲気を活かすことがポイントです。基本的には暗所での撮影になるため、F値の低い明るいレンズを選び、ISO感度を適切に上げることでノイズを抑えつつ鮮明な映像を確保できます。
特に、提灯や看板などの街の灯りは、単なる明かりではなく「その場所らしさ」を表現するキーとなる要素です。
また、人が多く行き交うエリアなので、無理に近づかず望遠レンズを使って少し離れた位置から自然な表情や動きを捉えると、臨場感がありつつ落ち着いた映像に仕上がります。さらに、焼き台から上がる「ジュッ」という音や、店先の小さな会話などを環境音として収録すれば、視覚だけでなく聴覚からも現地の雰囲気が伝わる、豊かな映像表現になるでしょう。
大濠公園・舞鶴公園|自然×人のリラックス感を描く
福岡の自然を感じられるロケーションとして人気なのが大濠公園や舞鶴公園です。こうした自然環境を映像に収める際は、時間帯選びが重要です。朝方や夕方の柔らかな光を活用することで、全体にやさしい雰囲気が生まれ、リラックス感や穏やかな空気を映像に取り込むことができます。
水面に反射する光や、木漏れ日といった自然の光の演出は、それだけで画に奥行きや美しさを加えてくれます。ドローンが使える場合には、上空から公園全体を撮影することで、開放感のあるスケールの大きい映像も可能です(事前の撮影許可は必須です)。そこに、ジョギングをする人、ピクニックを楽しむ家族、ベンチで読書する人などを組み合わせれば、「暮らしのある風景」として日常感を表現できます。
天神・博多駅周辺|ビジネス感やスピード感を演出
福岡の都市的な一面を強調したい場合は、天神や博多駅周辺の撮影が効果的です。人の流れが多く、情報量も多いこのエリアでは、ビジネスやスピード感といったテーマが映像に適しています。三脚を据えて、人や車の流れをタイムラプスで撮影するだけでも、「動きのある都市」という印象を強く与えることができます。
さらに、駅前の雑踏音や信号機の音など、都市の日常にある音をあえて収録することで、無機質な映像ではなく「生きている街」の質感を伝えることができます。ガラスビルに映る街の光や、LED広告の鮮やかな輝きを画面に取り込むことで、洗練された印象やテクノロジー感も加えることができます。都会的な雰囲気を打ち出したい企業動画やサービス紹介において、非常に相性のよいロケーションです。
糸島エリア|ナチュラル系・観光・ブランディング向き
福岡郊外の糸島エリアは、自然豊かでゆったりとした時間が流れる場所です。ナチュラル系のブランドや観光プロモーション、またはライフスタイル重視のブランディング動画にはうってつけのロケーションと言えるでしょう。
海と空が美しいコントラストを描く糸島では、晴天の日に順光で撮影することで、その美しさを最大限に引き出すことができます。
また、自然光と浅い被写界深度(背景をぼかす)を活かして、カフェや雑貨店の雰囲気をあたたかく演出することも可能です。看板や店舗の細部にフォーカスを当てたり、そこにいる人の自然な表情を切り取ったりすることで、糸島らしい「余白」や「やさしさ」が映像に宿ります。都会とはまた違う、時間の流れや空気感を視覚的に伝えることができる場所です。
魅力を引き出すインタビュー&人物撮影のコツ
動画の印象を決める要素として、「人」の映り方は非常に重要です。
とくに福岡の企業や店舗紹介では、働く人のリアルな表情や言葉が視聴者の心をつかむポイントになります。ここでは、インタビューや人物撮影を固くなく、でも信頼感がある映像にするためのテクニックを紹介します。
カメラを意識させない雰囲気作り
撮影では、被写体が緊張してしまうと表情や話し方が硬くなってしまいます。そこで、撮影前に軽く雑談を挟み、リラックスした空気をつくることが大切です。
また、インタビュアーがカメラのすぐ横に立つことで、被写体の視線が少し外れ、自然な会話のような画づくりが可能になります。話を一発でまとめて録ろうとせず、質問ごとに区切って何回かに分けて録るほうが、緊張がほどけやすくナチュラルな表情や言葉が引き出されます。
無理に台本通りの受け答えを求めるよりも、ふとした瞬間に出る本音や素の表情こそが、その人らしさを伝える貴重な素材になります。そうした”素の温度感”を拾うことが、共感につながるインタビューの鍵です。
表情を映すなら「目の輝き」と「明るさ」がカギ
人の印象を左右するのは表情、その中でも特に「目の輝き」です。照明は真正面から当てるのではなく、やや斜め45度の角度から柔らかく照らすと、顔に自然な立体感が生まれ、肌も美しく見えます。目の中に光の反射=キャッチライトが入ると、瞳が生き生きと輝き、視聴者にも好印象を与えられます。
屋外での撮影では、直射日光を避け、日陰やレフ板を使って光を均一に整えると、陰影が強すぎることなく表情も柔らかく写ります。光のコントロール次第で、同じ人物でも映像の印象は大きく変わるのです。
背景は「語る内容」との相性を意識
インタビューで話す内容と映像背景の関係性も非常に重要です。たとえば仕事内容について話しているシーンであれば、その業務風景や作業空間を背景にすることで、話に説得力が生まれます。また、「職場の雰囲気」や「社内の人間関係」について語るときには、和やかに談笑している様子などを背景に取り入れると、言葉だけでは伝わらない空気感が補完されます。
一方で、背景が散らかっていたり、情報が多すぎると視聴者の注意が話し手から逸れてしまうこともあります。できるだけシンプルに整えて、主役が引き立つ構図を意識しましょう。背景は単なる“後ろの風景”ではなく、語られる言葉を視覚的に補完する重要な要素として活用できます。
音声は妥協せずクリアに
どれだけ映像が美しくても、音声が聞き取りづらければ内容は届きません。騒がしい場所での撮影や声が通りにくい被写体には、ピンマイクの使用が欠かせません。カメラ内蔵のマイクだけでは、環境音に埋もれてしまう恐れがあります。撮影前には簡単なリハーサルを行い、風の音やマイクの接触音が入っていないかを確認しておくと安心です。
また、話し手の声が小さい場合でも、無理に声を張らせるのではなく、収録後に音量や音圧を調整することで自然に仕上げることができます。クリアでバランスの取れた音声は、視聴者に安心感を与え、話す人物の“内面”や“熱量”がそのまま伝わる大切な要素です。音への配慮が、動画全体の信頼感にも直結します。
細かい配慮が求められるインタビュー動画ですが、視線の動き、光のあたり方、空間の使い方、そして声の響きまでを丁寧に設計することで、ただの情報伝達ではない、「人の魅力が伝わる映像」を作ることができます。視聴者の記憶に残る動画を目指すなら、こうした基礎を丁寧に押さえておくことが大切です。
地味だけど大切な撮影準備チェックリスト
良い映像は「撮る前」にほぼ決まっています。現場で慌てず、撮影に集中するためには、事前準備が9割です。ここでは、プロが実際に使っている「地味だけど超重要」なチェックポイントを箇条書きで紹介します。
撮影当日のスケジュールと流れを共有したか?
- 関係者・出演者全員に撮影の流れを事前に共有
- 所要時間、昼休憩、終了予定時刻を明確に
- 雨天・遅延時の対応もあらかじめ伝えておくと◎
撮影許可・利用申請は済ませたか?
- 公共施設、観光地、商業施設などはロケ申請が必要な場合も
- ドローン撮影の場合は、国交省や自治体への申請が必須
※許可がないと撮影中止になることもあるため、特に注意
機材・バッテリー・メモリの確認はOK?
- カメラ・三脚・マイク・ライトなどの機材を前日チェック
- バッテリーはフル充電&予備を用意
- メモリーカードは空き容量を確認&2枚以上持参が安心
音チェックのテスト録音はしたか?
- 本番前に10秒だけでも録って、環境音やノイズの確認を
- 屋外なら風切り音対策(ウィンドジャマー等)も忘れずに
出演者の服装・表情・準備物も確認済み?
- ロゴや柄がうるさすぎる服装はNG(視線が散る)
- ナチュラルなメイク・表情が好印象を生む
- 話す内容のメモや台本があると安心感につながる
このような小さな準備の積み重ねが、“無駄のない撮影”と“トラブルの回避”に直結します。初心者こそ、しっかり準備を固めることでプロ並みの安定感を出せます。撮影する前に徹底的な準備を心がけましょう。
地域密着型クリエイターと事業者の連携が深まっている
これからの動画制作は、「単発発注型」から「共創型」へと変わっていくと見られています。
- 地元の制作フリーランスと店舗がパートナー契約を結び、毎月定額で動画運用を継続
- 商工会や地域団体が主導し、クリエイターとのマッチングイベントを開催
- SNS運用代行+動画制作をセットにしたサービスが地元向けに浸透
福岡は*顔の見える距離感”がある都市なので、こうした地場ネットワーク型の制作体制が機能しやすく、コストも抑えつつ効果的な動画運用が期待されます。
まとめ|撮影力が動画の印象を決める
動画制作というと、編集技術やエフェクトに目が行きがちですが、実際には「撮影力」こそが作品の印象を大きく左右する要素です。構図、光、音、表情の引き出し方、その一つひとつが映像の空気感やメッセージの伝わり方に直結します。
たとえば、良い構図と自然な光の使い方ができれば、それだけで「雰囲気のある映像」になります。また、福岡らしい街並みや自然をロケーションとして活かせば、地域性のある独自の世界観を作り出すことができます。そして、話し手の表情や声のニュアンスを丁寧に引き出せば、視聴者の心に届く「伝わる動画」に仕上がるのです。
このように、撮影時に何を意識するかによって、動画の“効き目”は大きく変わります。編集や加工に頼る前に、まずは撮影そのものの質を高める意識を持つことが、結果的に完成度の高い映像制作につながっていきます。
編集はあくまで仕上げの工程です。撮影段階で素材の質が高ければ、編集作業はスムーズに進み、クオリティも安定します。一方で、構図が雑だったり、音がこもっていたり、光の当たり方が悪かったりすると、どれだけ編集で手を加えても“安っぽさ”を完全に消し去ることはできません。
とくに、福岡のように多彩なロケーションに恵まれた街では、「どこをどう撮るか」が映像の魅力を大きく左右します。だからこそ、撮影者の視点と工夫が肝になります。
まずは、今日ご紹介した撮影テクニックのうち、どれか一つでも試してみてください。ちょっとした意識の変化が、動画に“福岡らしさ”と“プロらしさ”を与えてくれるはずです。撮影の力を味方につけて、見る人の心に届く映像をつくっていきましょう。
●福岡での動画制作完全ガイド|企画・撮影・配信までの全プロセスとは
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WRITER / demio 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 クリエイティブディレクター 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。 |