GA4レポート機能からGoogleシグナルが削除される影響
GA4は、Googleが無料で提供しているWEBページのアクセス解析サービスであるGoogleアナリティクスの最新版です。
機械学習の導入やイベント単位の計測など様々な改良が行われ、効果的なマーケティング戦略設計をサポートするGA4ですが、2024年2月12日にGA4のレポート機能からGoogleシグナルが削除されるという発表があり、今後のデータ収集への影響が噂されています。
そこで今回は、Googleシグナルの概要や、GA4のレポート機能から削除された場合の影響についてご紹介していきたいと思います。
目次 GA4レポート機能におけるGoogleシグナル削除の影響 |
Googleシグナルとは
Googleシグナルとは、ユーザーの行動データを正確に測定するためのGA4の機能のひとつです。GA4の設定画面でGoogleシグナルの利用を有効にすることでデータを測定できます。
これまでは、同じユーザーでも異なるデバイスでWEBサイトを訪問すると、異なるユーザーからの訪問として認識されていました。
しかし、GA4が開発され、Googleシグナルが搭載されたことで、Google検索やGoogleマップ、YouTubeなどGoogleが提供するサービスを利用するために必要なGoogleアカウントとGA4が紐づけられ、異なるデバイスからの訪問でも同一人物として認識されるようになっています。
GA4のレポート用識別子
Googleシグナルはレポートや広告配信の際のデータ収集に活用されており、GA4では以下のようなデータや識別方法を用いて、異なるデバイスやプラットフォームからのアクセスをユーザー単位で測定しています。
GA4のユーザー識別データの種類
GA4では、レポート用にユーザーを識別するためのデータとしてGoogleシグナルを含めた4種類のデータを使用し、ユーザーをカウントしています。
ユーザーID
自社のWEBサイトにログインしている各ユーザーに、自社が作成したIDを割り当てます。例えば、ユーザーのメールアドレスを用いてユーザーIDを作成し付与することで、どのデバイスからの訪問でもログインする際のIDは同じであるため同一人物として識別されます。
Googleシグナル
Googleアカウントにログインしていて、尚且つ情報の共有に同意しているユーザーにGoogleが独自のIDを付与し、行動データを収集します。
デバイスID
WEBサイトの場合、ブラウザのCookieの中に格納されているID(クライアントID)がデバイスIDとなり、アプリの場合はGoogleがデバイスごとに割り当てるID(アプリインスタンスID)がデバイスIDとなります。
モデリング
ユーザーがCookieを拒否した場合は行動データを利用できないため、Cookieを承認した同じ属性を持つ類似ユーザーの行動データをもとに推測します。
GA4のユーザー識別方法の種類
また、GA4のユーザー識別方法は以下の3種類があり、どの方法を利用するか選択できます。
ハイブリッド
ユーザーID、Googleシグナル、デバイスID、モデリングの順に収集可能なデータから使用され、ユーザーを識別します。
例えば、ユーザーIDが収集されなかった場合はGoogleシグナルのデータが使用され、ユーザーIDもGoogleシグナルのデータも収集できなかった場合はデバイスIDが使用されます。
計測データ
ユーザーID、Googleシグナル、デバイスIDの順に収集可能なデータから使用され、ユーザーを識別します。
デバイスベース
デバイスIDのみを使用してユーザーを識別します。他の3つのデータは収集されても使用されません。
「計測データ」を識別方法として選択している場合、Googleシグナルが削除されるため今後は「ユーザーID」か「デバイスID」の2種類のデータをもとにユーザーがカウントされることになります。
GA4レポート機能におけるGoogleシグナル削除の影響
Googleは、GA4のレポート機能からGoogleシグナルを削除することを発表し、2024年2月12日に実施予定としています。
削除範囲はレポート機能のみ
Googleシグナルの削除範囲はレポート機能のみとなっています。GA4はGoogle広告とも連携可能なため広告効果の測定もスムーズに行えますが、Google広告においては今後もGoogleシグナルのデータが収集され、リマーケティングやコンバージョン最適化などで活用されるようです。
ユーザーの識別における影響は少ない?
今回のGA4レポート機能からGoogleシグナルの削除により、ユーザーの識別精度が下がるのではないかという懸念も出ています。
しかし、Googleシグナルのデータ収集はユーザーが情報共有を承認した場合に限られるため、それほど大きな数値の変化は見られないのではないかと考えられます。
しきい値適用の可能性が低くなる
また、GA4のレポート機能ではデータを収集できるユーザー数が少ない場合はプライバシー保護の観点からユーザーの身元を特定できないようにデータの「しきい値」が設けられており、Googleシグナルが有効になっているとしきい値が適用される傾向にありました。
しかし、Googleシグナルの削除のよってGA4でしきい値が適用される可能性が減り、より正確なユーザーの行動把握が期待できるようになるでしょう。
Googleシグナルの削除が実際にどれほどの影響を及ぼすのかは2月12日以降、レポート機能を使用して確認する必要があります。
GA4への影響の大きさを事前に確認しておきたい場合は、レポートのデータ収集設定画面で「GoogleシグナルをレポートIDに含める」の項目を無効にすることで確認できます。
まとめ
今回は、GA4のレポート機能からGoogleシグナルが削除される影響について解説しました。
2023年7月にUAからGA4に完全移行となり、その後もアップデートが繰り返されていますが、急な数値の変化にいちいち振り回されないためにも、最新情報をキャッチアップできるように常にアンテナを張っておくことが重要です。
削除実施日に備えて、GA4でのユーザー識別方法の再検討や現状の設定確認など事前に対応しておきましょう。
ジャリアでは、GA4の導入から使い方の共有、サイト分析代行まで対応しております。お客様の事業、要望などをヒアリングしながら、最適な施策をご提案させていただきます。
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WRITER / HUM 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。 |