街中で見かける機会の増えたデジタルサイネージ。デジタルサイネージはOOHとしても私たちの生活に浸透しています。今日は、デジタルサイネージとOOHの特徴を併せ持つDOOHについて解説していきます。
DOOHとは
DOOHとはdigital out-of-homeまたは、digital out-of-home advertisingの略称で、デジタルサイネージを利用した屋外広告(OOH:out-of-homeまたはout-of-home advertising)の総称です。
私たちが目にするデジタルサイネージを使って表示される屋外広告(OOH)、交通広告、店舗内のサイネージ広告などがDOOHに該当します。
DOOHは内容が固定された看板広告とは異なり、データと連携させ広告内容を変化させることができます。従って、ユーザーデータとエリアデータを活用したターゲティングにより、最適なクリエイティブの配信が可能です。
国内市場の動向
次にDOOHの国内における市場動向を見ていきます。
DOOHの国内市場は、2022年には707億円、2023年には831億円と成長が予測され、2025年には1,083億円まで市場規模が成長すると予想されています。
引用元:『デジタル広告市場に関する調査2021』(株式会社CARTA HOLDINGS,株式会社デジタルインファクト)
駅や交通機関、商業施設などに設置されるタッチパネル方式の案内板。タクシーやエレベーター内、店舗のテーブルに設置される小型スクリーンなどの広告。他にも、電車内やレジ付近にあるビジョンの広告などもDOOHの一種です。このように様々な形で私たちの目にするところにDOOHが増えてきています。
これまでは「場所」に対してターゲティングを行っていましたが、DOOHが登場したことにより「場所を訪れる人」に対してターゲティング出来るようになりました。この変化により、ターゲットに向けて適切な広告を発信することが出来ます。
また、近年マスメディアの影響力が落ちていますが、DOOHはOOHの特徴でもある大多数にリーチし、反復して訴求することが出来る為、市場の注目を集めており、今後の成長が予測される要因でもあります。
DOOHの種類
それではDOOHの種類について見ていきましょう。
DOOHは大きく分類して2種類あります。
ダイナミックDOOH
ダイナミックDOOHとは、周辺の情報を活用して広告の内容をリアルタイムで変更できる仕組みです。インターネットに接続されており、カメラやセンサー等の技術を活用し、広告を配信します。
従って、広告を見る人や天候など周囲の状況に適応させた広告をリアルタイムで配信出来る為、消費者へ訴求力の向上が期待できます。
AIカメラで乗客属性の分析を行い、リアルタイムでコンテンツの出し分け(ダイナミックDOOH)を実現した例です。リアルタイムで配信する広告を選択出来る為、OOHに比べ広告効果の増大に期待できます。
引用元:『DSA2020 サッポロビールが行った世界初の電車内ダイナミックDOOH展開 属性別素材放映』(一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアム事務局)
プログラマティックDOOH
プログラマティックDOOHとは、時間帯や場所ごとにデジタルサイネージにおける広告配信を自動化したDOOHです。
センサーやカメラ等で、広告視聴者の属性や人数を把握出来る為、広告配信者は購入したい時間帯及び場所の広告枠を売り手から購入し、自動で配信出来るようになりました。
従って、DOOHにおける広告枠の売買や広告配信の自動化、広告効果の測定、広告配信時間・場所の最適化の実現へ繋がっています。
まとめ
今後、5GやIoT機器等の技術の発展と共に、今より高画質な映像の低遅延配信や様々なリアルタイムデータを反映した広告配信が可能になることが期待されています。
その中で、今回紹介したDOOHの可能性にも期待が高まっていくことでしょう。
広告効果を上げる為にOOHよりもマーケティングが重要となりますが、これまでにOOHでは難しかった効果測定の実現や、ターゲティングの精度を引き上げることが出来ます。
大多数の人へ向けた広告を実施する際にはDOOHも検討してみてはいかがでしょうか。