インバウンドマーケティングとは?特徴や効果、実践方法を解説

インバウンドマーケティングについて解説イメージ

ブログやSNS、SEO対策などを通じてブランド認知度を高め、新規顧客を獲得するために現在多くの企業がインバウンドマーケティングを導入しています。

インバウンドマーケティングは従来の手法のように一方的に売り込むのではなく、価値あるコンテンツの発信によって顧客側から興味を持ってもらえるように促す手法であり、長期的な関係構築に寄与します。

この記事では、インバウンドマーケティングについての特徴や効果、実践方法について解説していきたいと思います。 

 

目次

インバウンドマーケティングとは

アウトバウンドマーケティングとの違い

インバウンドマーケティングの重要性

インバウンドマーケティングのメリット

インバウンドマーケティングのデメリット

インバウンドマーケティングの施策

インバウンドマーケティングを理解するための4つのステージ

まとめ

 

インバウンドマーケティングとは

インバウンドマーケティングとは、価値のあるコンテンツや体験を生み出すことで見込み顧客に自発的に企業に興味を持ってもらい、ファン化を促すマーケティング手法のことです。

具体的には、企業ブログの執筆や、SNSを活用した情報の拡散・共有、SEO対策などの施策によって企業との接点を作り出し、信頼関係を築き、長期的に利用し続けてもらうことを目的としています。

インバウンドマーケティングは、大企業・中小企業関係なく時間とコストを削減し高い費用対効果を得ることができるため、多くの企業が導入しているマーケティング手法です。

また、インバウンドとは「訪日外国人旅行客」のことを指す言葉でもあるため、訪日外国人旅行客に向けたマーケティングと混同してしまう方もいらっしゃいますが、インバウンドマーケティングはあくまで見込み顧客に向けたマーケティングですので注意してください。

アウトバウンドマーケティングとの違い

インバウンドマーケティングと対の概念としてアウトバウンドマーケティングがあります。

アウトバウンドマーケティングは、企業側から見込み顧客へ商品やサービスなどを直接アプローチするマーケティング手法のことです。主な手法としてダイレクトメールやポスティング、テレビCM、訪問営業などがあります。

アウトバウンドマーケティングとインバウンドマーケティングは、最終的にコンバージョンにつなげて売上を増やすという目的は同じでも、その手法は全く異なります。

両者の違いとして、アウトバウンドマーケティングは企業の商品やサービスなどを外向きに押し出すことに重点を置き、短期間且つ不特定多数への認知拡大に適しています。

対してインバウンドマーケティングは見込み顧客を引き込むことに重点を置き、長期的な関係構築やファン化の促進に適しています。

企業が顧客を見つけて働きかける手法と、顧客に企業を見つけてもらい購入につながるように促す手法。どちらが良い・悪いということではなく、両者の特性を理解し、状況に応じて最適な方を選択し実行することが重要です。

インバウンドマーケティングの重要性

インバウンドマーケティングはインターネットの発達に伴い益々重要性を高めています。

スマートフォン所有率の増加や通信速度の高速化により、現在は商品やサービスに関する情報がネット上に溢れています。CMや紙媒体からしか情報を受け取れなかった時代からネットをつなげば簡単に情報を受け取れる時代に変化し、人々が能動的に情報を収集するようになりました。

ユーザーが自分で情報を取捨選択できる時代では、企業が訴求して売り込むよりも、上質なコンテンツを構築したうえでユーザーに自発的に見つけてもらえた方が興味を増幅しやすく、コンバージョンに結びつきやすいのです。

このような面からもインバウンドマーケティングは時代の流れに上手く適応し、成果創出がしっかりと実感できるマーケティング手法と言えます。

また、商品やサービスを利用した感想も簡単に投稿・シェアできるようになったことで、今まで接点のなかったユーザーにまで情報が届くようになり、新しい見込み客として興味を持ってもらえるようになったこともインバウンドマーケティングの重要性が高まった要因の一つです。

インバウンドマーケティングについて解説イメージ1

インバウンドマーケティングのメリット

重要性が高いインバウンドマーケティングですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではインバウンドマーケティングが持つメリットについて説明していきます。

不快感が少なく、受け入れられやすい

インバウンドマーケティングは顧客に不快感を与えにくいというメリットがあります。

Webのバナー広告やテレマーケティングなどは気持ちや状況に関係なくアクションを強制してしまう側面があるため、顧客に不快感を与えてしまう可能性があります。

一方、インバウンドマーケティングは顧客側が自ら興味を持って企業を見つけ、情報を集めてくれます。相手の状況に合った情報提供が可能なため押し付け感がなく、ポジティブな印象を与えます。

ブログ記事で接点を生み、もっと知りたい人にはホワイトペーパーをダウンロードしてもらう、メルマガで定期的に情報を提供するなど、ユーザーの興味関心度合いによって最適なコンテンツを提供するインバウンドマーケティングは顧客からの好感度を高め、CVにつなげやすくなります。

広告費を抑え、コストを削減できる

インバウンドマーケティングはコストを削減できるというメリットがあります。

インバウンドマーケティングはテレビCMなど多額のコストをかけて不特定多数を対象に実施するわけではなく、基本的に自社メディアからの情報発信がメインとなります。Web広告やテレビCMを予算の許す限り大量配信する必要はありません。

見込み顧客が自ら自社サイトに訪れアクションを起こすため、無駄に広告費をかける必要がなくなり、集客を低コストで行うことができます。訪問するユーザーは少なからず興味を持ってくれているため新規顧客になる可能性も高く、利益向上が期待できます。

また、インバウンドマーケティングは適切に実行すれば、アウトバウンドマーケティングよりもリード獲得効果が10倍高くなり、従来のマーケティングと比較して1ドルあたり3倍のリードが生成されることが報告されています。

出典:What is Inbound Marketing and Why Is It Important?

このことからも、インバウンドマーケティングがいかに費用対効果の高い施策であるかがわかるでしょう。

効果測定とデータに基づいた運用ができる

インバウンドマーケティングはブログやSNSなどWebを中心に行うため、解析ツールなどを導入することで効果測定と分析を行うことができるメリットがあります。

訪問者数や流入経路、クリック数、コンバージョン数などを測定し、蓄積したデータをもとに効果的な改善と戦略を立てることで、長期的に効果のある運用を行うことが可能です。

すぐに成果につながらなかった場合でも、顧客の行動を分析し、どのメディアでアプローチをかけるべきなのか、自社が想定するターゲットと実際の顧客が合致しているのかなどを把握できるため、長い目で見れば確度の高いリード獲得につながります。

インバウンドマーケティングについて解説イメージ2

 

インバウンドマーケティングのデメリット

インバウンドマーケティングのメリットについて説明しましたが、もちろんデメリットも存在するため押さえておきましょう。

成果がでるまで時間がかかる

インバウンドマーケティングは、コンテンツを制作したりSNSで情報を発信してもすぐに成果が反映されるわけではなく、長い時間を必要とする場合が多いです。

見込み顧客に見つけてもらうまで定期的に情報を発信して測定し、改善と検証を行う。成果がでるまでそれの繰り返しです。戦略を間違えてしまったらいつまで経っても認知されず、時間と費用を無駄に浪費してしまうことになります。

コストと手間がかかる

インバウンドマーケティングはコンテンツを制作し、SEO対策を行いながら見込み顧客が必要としている情報を発信し続けなければならないため、コストと手間がかかります。

しかも公開して終わりではなく、常に改善を図り、最新の情報を取り入れながら構築し続けなければなりません。

すべて内部で行うのが難しい場合は、初期段階での体制整備や一部を外部に委託するなどの対策を行うことも検討しましょう。

定めたターゲット層以外に届きにくい

インバウンドマーケティングは定めたターゲット層への認知を促しますが、不特定多数のユーザーへの訴求には向きません。

とにかく認知度を高めたい、短期間で成果を出したい場合はアウトバウンドマーケティングなど別のアプローチを行い、最も効果的な施策を選択しましょう。

インバウンドマーケティングの施策

インバウンドマーケティングでは、顧客が求めている情報を発信する施策に取り組むことで興味関心をひきつけることが重要になります。

ここでは、インバウンドマーケティングの代表的な施策をご紹介します。

コンテンツSEO

コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に沿った有益なコンテンツを継続して発信し、自然検索から集客を狙う手法です。

検索キーワードに応じた良質なコンテンツを作成することで上位表示されやすくなり、ニーズを持つユーザーを引き寄せ、長期にわたって集客効果を維持することができます。

発信したコンテンツは資産として蓄積され、信頼を高めると同時に安定して顧客とつながることができるため、インバウンドマーケティングの中でも主要な施策と言えます。

SNSマーケティング

SNSマーケティングとは、SNS広告やアカウント運用、インフルエンサーマーケティングなどを通して、商品・サービスの認知度向上や販売促進を働きかける手法です。

アカウントの運用は無料ででき、拡散性が高いため費用を抑えながら広く自社を知ってもらえます。また、ターゲティング精度も高く、狙った層へのピンポイントの訴求も可能です。

SNSはブランディングにも活用しやすい媒体であるため、理想とするイメージを浸透させて共感を呼び、ファン化させやすい面でインバウンドマーケティングの施策として有効です。

インバウンドマーケティングについて解説イメージ3

ホワイトペーパー

コンテンツSEOやSNSマーケティングで興味を持ってくれたユーザーに対し、より理解を深めてもらうために必要なのが、有益な情報をまとめたホワイトペーパーです。

主にBtoB事業で活用されますが、資料をダウンロードする際は会社名やメールアドレスを入力する必要があるため、見込みの高い顧客から効率的に情報を入手でき、メールマーケティングなどへの展開も可能になります。

興味を持ってくれた見込み顧客をしっかりとつかまえて優良顧客へと育成していくきっかけとしてBtoB事業のインバウンドマーケティングには必須の施策です。

オンラインセミナー(ウェビナー)

ウェビナーとは、ウェブとセミナーを組み合わせた造語であり、インターネット上で行われるセミナーのことです。

自社が提供する商品やサービスのことを紹介・説明する場を設けて顧客の興味を増幅させ、リード獲得や購買意欲の醸成が期待できます。

ウェビナーは双方向のコミュニケーションをとりながらリアルタイムで疑問を解消できるため、信頼性を高めて次のステップにつながりやすいことから、インバウンドマーケティングで取り組む企業が増えています。

ニュートラルワークスさんではWebマーケティングで成果を出すためのノウハウを伝えるウェビナーを無料で行っていますので、ぜひ参加してみてください。

インバウンドマーケティングの4つのステージ

インバウンドマーケティングは進めていく上で4つのステージに分けることができます。最初にこの4つをきちんと理解してから実践に移しましょう。

ATTRACT(惹きつける・認知してもらう)

インバウンドマーケティングでは、顧客と長期的な関係を築くための最初の段階として、ユーザーを惹きつけて認知してもらう必要があります。

主な施策としてはブログやSNS、SEO対策などが挙げられます。ブログやSNSでは定期的に価値のある情報を発信して拡散や共有を促します。

SEO対策では、自社が提供できるサービスと関連性が高い且つターゲットが検索するであろうキーワードを選定し、検索結果で上位表示させることで親和性の高いユーザーのサイトへの流入を増やします。

この段階では認知してもらうことが大事なので、企業の伝えたいことを一方的に発信するのではなく、ターゲットが求めているものを分析しながら有益なコンテンツを発信し、接点を作ります。

インバウンドマーケティングについて解説イメージ4

CONVERT(転換・リード化)

自社の商品やサービスを認知したユーザーを、次は見込み顧客へ転換します。この段階で訪問者のメールアドレスや電話番号などの連絡手段が必要になりますが、これが実現すればインバウンドリードを獲得したことになります。

しかし、簡単に連絡手段を得ることは難しく、Webサイトへの訪問者が情報の提供に同意してくれる状況を作らなければなりません。例えば、無料セミナーの開催や無料見積、ホワイトペーパーのダウンロードなどがあります。

顧客がメールアドレスや電話番号を提供してでも得たいと思えるような有益なコンテンツを充実させ、今後の関係構築を図ります。

CLOSE(顧客化)

リードを獲得した後は顧客化につなげます。重要なのはリードの数ではなく、どれだけ多くのリードを優良顧客に転換できるかであり、適切なタイミングで適切な量のアプローチを行う必要があります。

主な施策としてメルマガの配信やインサイドセールスなどがあります。継続的なメルマガの配信は顧客とのつながりを維持する効果がありますが、配信頻度が高すぎると不快感を与える可能性があるため、適切な配信頻度の見極めが重要です。

顧客化のポテンシャルが高いリードに対してはインサイドセールスを行い、メールや電話、Web会議などで課題をヒアリングし、解決に導くことで顧客化を促進します。

しかし、資料をダウンロードしたからといって必ずしも利用したいと思っているわけではなく、まだ検討段階にすらいない可能性もあります。その状態でアポを取っても契約には結びつかないでしょう。

リードを獲得したからといって安心して売り込むのではなく、温度感やタイミングを把握して適切な距離感で関係を構築していくことがファン化につながります。

DELIGHT(満足させる・ファン化)

顧客化させた後も満足感を感じなければサービスの解約や他社への乗り換えなどが起きてしまいます。よって購入後のサポートや悩みを迅速に解決する体制を構築し、顧客からの継続的な利用や信頼維持に努めましょう。

主な施策として、ニュースレターの配信、アンケート調査、パーソナライズされた商品の提供、ソーシャルメディアでの返信や交流など様々な方法があります。

特に重要なのが口コミです。商品を購入する際は口コミやSNSでの評判を気にするユーザーは多く、SNSでポシティブな意見や感想が拡散・共有されれば企業にとって大きくプラスに働きます。

SNS上の顧客の動向を常に把握し、顧客とつながるタイミングを見極めましょう。自社の商品やサービスについてポジティブな感想を投稿しているユーザーに対してはメッセージを送ったりして感謝の言葉を送ることも効果的です。

SNSの質問などには積極的に返信し、円満なコミュニケーションを行いながら長期的な関係構築を図りましょう。

インバウンドマーケティングについて解説イメージ5

まとめ

本記事ではインバウンドマーケティングの概要やメリット・デメリットについてご紹介しました。

インバウンドマーケティングは顧客の能動的な情報収集によって見つけてもらう手法となるため、時間はかかりますが高い費用対効果が期待できます。

興味をひき、リードを獲得した後も温度感や状況などを適宜確認しながら適切な距離感と手法で将来の優良顧客を育成していきましょう。

インバウンドマーケティングについて解説イメージ6

ジャリアでは、インバウンドマーケティングの成果創出に向け、戦略立案からコンテンツの作成、施策の実行、効果測定までワンストップでサポートしています。

企業様の要望に寄り添いながら最適な戦略をご提案し、見込み顧客を惹きつけるところから実際にコンバージョンに至るまでの導線を構築します。

リソース・ノウハウ不足で本格的なマーケティング施策の実行に踏み切れていなかったり、インバウンドマーケティングの成果がなかなか出ないという方は、お気軽にお問い合わせください。

WRITER / HUM
株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター

株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。