動画広告にかかる費用や費用対効果を高めるためのポイント

動画広告にかかる費用は?課金方式や費用対効果を高めるポイントイメージ

動画広告は、静止画広告よりも圧倒的な量の情報を伝えることができることから訴求力が強く、多くの企業が取り組んでいます。

しかし、「動画広告は確かに効果はありそうだけど、静止画よりコストの負担が大きいし効果を出せるか不安...」「動画広告を始めてみたけどイマイチ費用対効果が上がらない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、動画広告にかかる費用と費用対効果を高めるポイントについて解説していきたいと思います。

 

目次

動画広告の課金方式

動画広告配信媒体別の費用相場

動画広告を代理店に依頼する場合の費用

動画広告の費用対効果を高めるポイント

まとめ

 
 

動画広告の課金方式

動画広告の課金方式は大きく3種類に分けられ、配信媒体によって課金方式は決められています。

CPV (動画再生課金)

CPV(Cost Per View)は、動画広告が再生されるごとに費用が発生する課金方式です。一定の秒数以上の再生で課金されたり、最後まで再生されれば課金されるなど、媒体ごとに課金が発生する再生時間は異なります。一定の時間視聴されたときに初めて課金されるため、費用対効果の高い課金方式と言えます。

単価は「広告の出稿費÷再生回数」で算出でき、50万円の予算で5万回再生された場合のCPVは10円になります。

また、CPVには入札型と予約型の2種類があり、入札型では入札額に応じて表示回数が変動し、予約型ではあらかじめ設定した再生回数に応じた金額を支払います。動画広告運用が初めての方は仕組みがシンプルな予約型をおすすめします。

 

CPM (インプレッション課金)

CPM(Cost Per Mille)は、動画広告が1000回表示されるごとに費用が発生する課金方式です。再生回数ではなく表示回数によって課金されるため注意しましょう。

単価は「広告の出稿費÷表示回数×1000」で算出でき、50万円の予算で100万回のインプレッションがあった場合のCPMは500円です。

コストを抑えながら幅広いユーザーにリーチできる点に加え、料金も一定のため運用しやすい点がメリットと言えます。

また、広告がクリックされなかった場合でも課金されるため、まずは自社の商品をできるだけ多くのユーザーに知ってほしいといった認知拡大や新商品の宣伝、ブランディングの向上が目的の場合に適しています。

 

CPC (クリック課金)

CPC(Cost Per Click)は、動画広告がクリックされるごとに費用が発生する課金方式です。広告が何度も表示された場合でもクリックされなければ費用は発生しません。

単価は「広告出稿費÷クリック数」で算出でき、50万円の予算で2,000回クリックされた場合のCPCは250円です。

基本的に自社の商品やサービスに興味を持ってくれたユーザーがクリックしてくれるため、広告費が無駄になりにくいメリットがあります。動画広告からWebサイトへの誘導や商品購入などコンバージョンにつなげたい場合に適しています。

Online Advertising Concept. Closeup Landing Page on Laptop Screen in Doodle Design Style. On Background of Comfortable Working Place in Modern Office. Blurred, Toned Image. 3D Render.-1

動画広告配信媒体別の費用相場

ここからは、動画広告の代表的な配信媒体別にどれくらいの費用がかかるのか解説していきます。

YouTube

YouTubeの動画広告は、基本的に本編動画の前後や途中に流れるものがほとんどです。具体的には下記のような種類があります。

インストリーム動画広告

動画の前後や途中に流れ、YouTubeでは最もスタンダードな形式の動画広告です。課金方式はCPVで、単価相場は3~20円です。

インフィード動画広告

検索結果画面や関連動画に表示される動画広告です。オークション形式のため入札額と広告品質が高いものから掲載されます。課金方式はCPCで、単価相場は50~150円です。

アウトストリーム動画広告

WEBサイトやアプリ、SNSなどYouTube以外の広告枠に配信される動画広告です。課金方式はvCPM(広告面積の50%以上が2秒以上1000回表示されたときに課金される)で、単価相場は1000インプレッションあたり400~600円です。

バンパー広告

動画の前後や再生途中に流れる6秒以下の動画広告で、途中でスキップすることができません。課金方式はCPMで単価相場は1000インプレッションあたり400~600円です。

YouTubeによると、多くの企業が1日1000円という低予算で設定しているようです。しかし、効果検証を繰り返してYouTube動画広告を本格的に運用していきたい場合は、数十万円~100万円程度の予算を確保しておいたほうがいいでしょう。

 

TikTok

TikTokの動画はフルアテンション(全画面表示かつ音声をONにしている状態)で再生され、「新しい発見」を求めて主体的に視聴するユーザーが多いため、広告をポジティブに受け入れてもらいやすい傾向にあります。具体的には下記のような種類があります。

◆起動画面広告

アプリ起動時に全画面に表示され、TikTokを利用する全てのユーザーにアプローチすることができる動画広告です。課金方式はCPMで、単価相場は1000インプレッションあたり700円前後であるため、月に500万円前後必要となります。

◆チャレンジ広告

広告主がハッシュタグをつけたテーマを設定し、そのテーマに沿った動画をユーザーに投稿してもらう広告です。ユーザー参加型の大規模な広告になるため、最も安いプランでも1000万円程度かかり高額な費用を必要とします。

◆インフィード広告

レコメンドをクリックすると自分へのおすすめ動画が流れますが、インフィード広告はその動画と動画の間に表示される広告です。以下の3つのプランがあり、費用も異なります。

  • TopView :アプリ起動後最初に配信される動画広告・・・625万円/日
  • OneDayMax :指定の1日だけおすすめフィードの4番目に表示される動画広告・・・300万円/日
  • BrandPremium :関連性が高いユーザーのおすすめフィードに表示される動画広告・・・42万円/日

◆運用型広告

予算に合わせて広告の掲載期間や出稿金額、配信ボリュームなどを調整できる広告です。少額から広告出稿が可能で、CPV、CPM、CPCのいずれかの課金方式を選べます。単価相場は、CPVは5~60円、CPMは1000インプレッションあたり100~1000円、CPCは30~100円です。

インスタグラム

インスタグラムにアップされる写真や動画はクリエイティブ性の高いものが多く、 広告にCTAボタンを設置できるため自社サイトへ遷移させやすいといった特徴があります。

インスタグラム動画広告の課金方式は、CPV、CPM、CPCのいずれかを選べます。単価相場は、CPVは4~7円、CPMは1000インプレッションあたり500~1000円、CPCは40~100円です。

業界や企業規模によって異なりますが、インスタグラム運用を始める際は1ヶ月3~10万円程度の予算を確保することをおすすめします。

予算は自由に設定でき、1日100円から広告配信を行うことが可能ですが、100円では効果を出すのは難しいため、最低でも1日1000円以上の予算を確保しましょう。

しっかりと効果を出したい場合や大規模なプロモーションの場合は、数十万~数百万円の予算をかけるケースが多いです。

Night city restaurant-1

Facebook

Facebook動画広告は、Facebookだけでなく、インスタグラム、Messenger、Audience Networkesの4つの媒体に配信でき、リーチを広げられるというメリットがあります。また、詳細なターゲティングが可能で費用対効果の高い動画広告配信が期待できます。具体的には下記の3種類があります。

ストーリーズ動画広告

ストーリーズに通常の投稿と同様に表示できる15秒の動画広告です。

フィード動画広告

タイムライン上で通常の投稿と同様に表示できる動画広告です。

インストリーム動画広告

Facebookに掲載されている動画の前後や途中に流れる15秒以内の広告です。YouTube広告のインストリーム広告と同じイメージです。

Facebook動画広告の課金方式は、CPM、CPCに加えてCPVの一種であるThruPlay方式(広告が15秒以上再生された場合に課金される)のいずれかを選べます。単価相場は、ThruPlayは100~200円、CPMは1000インプレッションあたり150~500円、CPCは100~200円です。

 

LINE

日本国内で最も利用率が高く、他の媒体を利用していなくてもLINEだけは利用しているユーザーも多くいます。その圧倒的なリーチ力を活かし、他の媒体の動画広告と併用することでより幅広い範囲をカバーすることが可能です。

LINE動画広告の課金方式は、CPMとCPCのどちらかを選べます。単価相場は、CPMは1000インプレッションあたり400~1000円、CPCは40~150円です。

LINE動画広告は最低出稿額が決まっていないため、広告主が自由に出稿額を設定できます。しかし、予算が低すぎるとそれだけリーチできる範囲が狭くなり、効果はあまり期待できません。ある程度の効果を出したい場合は最低でも月30万円ほどの予算で3ヶ月以上運用し、適切な予算感を掴むことが推奨されています。

 

Twitter

 Twitterは、LINEに次いで多くの利用者数を誇るSNSであり、二次拡散性が高いのが特徴です。また、二次拡散された広告は課金されないため、拡散されればされるほどコストを抑えながら効果を出すことができます。具体的には下記のような種類があります。

プロモツイート

通常の投稿と同様の形式で、タイムラインをはじめとした様々な場所で表示されます。動画広告の場合はプロモビデオと呼ばれます。

◆インストリーム

Twitter上で閲覧しようとしている動画の前に流れる動画広告です。Twitterと提携している企業の動画の場合に適用されます。

◆プロモトレンド

Twitterのタイムラインやトレンドリスト、「話題を検索」画面の上部に24時間独占して表示することができる広告です。

Twitter動画広告の課金方式は、CPV、CPM、CPCのいずれかを選べます。単価相場は、CPVは5~20円、CPMは1000インプレッションあたり400~600円、CPCは24~200円です。

Twitter動画広告はLINE広告と同じく最低出稿金額が決まっていないため、自由に設定可能です。しかし、こちらも予算が少なすぎると期待する効果が得られなくなってしまうため、最低でも10万円以上の予算をかけて運用することをおすすめします。

動画広告にかかる費用はイメージ3

動画広告配信媒体別の課金方式・単価まとめ

以下に動画広告の配信媒体別の課金方式と単価目安を一覧にしましたので、参考にしてみてください。

配信媒体

広告/課金タイプ

単価目安

YouTube インストリーム広告
インフィード動画広告
アウトストリーム広告
バンパー広告
3~20円
50~150円
400~600円/1000インプレッション
400~600円/1000インプレッション
TikTok CPV
CPM
CPC
5~60円
100~1000円/1000インプレッション
30~100円
インスタグラム CPV
CPM
CPC
4~7円
500~1000円/1000インプレッション
40~100円
Facebook ThruPlay
CPM
CPC
100~200円
150~500円/1000インプレッション
100~200円
LINE CPM
CPC
400~1000円
40~150円
Twitter CPV
CPM
CPC
5~20円
400~600円/1000インプレッション
24~200円

 

動画広告を代理店に依頼する場合

動画広告運用を代理店に依頼する場合は運用手数料がかかり、相場は広告出稿費の20%となっています。仮に出稿費が月額50万円とすると手数料は10万円となり、60万円の費用が必要になります。

広告出稿費は広告主が自由に決められるためかかる費用には幅がありますが、初期費用を設けている代理店もあるため最初に確認しておきましょう。

シンプルな動画広告であれば数万円~数十万円で抑えられる場合もあります。しかし、あらゆる施策を試していきたい場合や動画広告の予算にある程度余裕がある場合は100万円~300万円ほどの費用をかけることでより速いスピードで効果を実感しているケースが多いです。

 

動画広告の費用対効果を高めるポイント

動画広告を運用する際に、費用対効果を高めるにはどんなことを意識すればいいのか。特に重要なポイントに絞って解説します。

媒体によって目的が異なることを認識しておく

動画広告の代表的な配信媒体の中でもYouTubeとTikTokは主に動画を視聴するために利用されますが、他のSNSはフォローしているアカウントの投稿を閲覧したり、コミュニケーションをとるために利用されており、利用目的が異なります。

SNSを利用するユーザーは動画を見るために利用しているわけではないため、できるだけ短く、冒頭の一秒で何を伝えたいのかはっきり示し、興味をひくことが重要です。また、TikTokは動画視聴が目的ですが、ショート動画がメインとなるため簡単にスキップされてしまう可能性が高いです。そのため、SNSの動画広告と同様に冒頭で印象付ける必要があります。

YouTubeでは、広告の種類にもよりますが多くの場合は5秒を過ぎるとスキップできてしまうため、それまでにユーザーとの関連性が高いことを強調したり、続きが気になるような構成にすることで、視聴時間を長くすることができます。

 

誰に何を伝えたいのかを明確にする

動画広告制作では、まず「誰に」向けて発信するのかを決めます。年齢や性別、居住地といったユーザーの基本データはもちろん、趣味や嗜好、スマホやPCに触れる時間、抱えている悩みなどできるだけ詳細にターゲット像を固めていきましょう。詳細に設定しておくことで、ターゲットの目線に立ちやすくなり、より刺さる動画広告を制作できます。

また、最も伝えたいメッセージを明確にすることも重要です。セール中で安価になっていることを伝えたいのか、新商品が発売されたことを伝えたいのか、期間限定であることを伝えたいのか、短い視聴時間でもわかりやすくダイレクトにユーザーに届くように訴求したいポイントはひとつに絞りましょう。

動画広告にかかる費用はイメージ4

配信媒体に適したフォーマット・クリエイティブを考慮する

動画広告制作では、配信媒体に適したフォーマット・クリエイティブを作ることが重要です。それぞれの媒体ごとに適した動画サイズは決まっているため事前に確認しましょう。例えばスマホで見るユーザーが多いにも関わらずスマホに適したサイズで制作していなければ、視聴しているユーザーは違和感を感じ、すぐに離脱してしまうでしょう。

また、クリエイティブの面でも媒体ごとに適した構成は異なります。YouTubeのインストリーム動画広告では5秒でスキップされる前に続きが気になるようにする、インフィード動画広告ではサムネイルで何の広告なのかはっきり印象付ける、インスタグラムの動画広告ではクオリティの高いハイセンスなクリエイティブを用意するなど、どんな動画がユーザーに受け入れられやすいのか、より長い時間視聴される傾向にあるのか、媒体の特徴を把握して適した構成で作りましょう。

 

CTAボタンを設置して導線をつくる

動画広告を配信する目的は様々ですが、共通して言えるのは商品に興味を持ってもらい、その後のアクションにつなげることです。そこで有効なのがCTA(コール・トゥ・アクション)ボタンです。CTAが設置されていないと、ユーザーは次にどんな行動を起こせばいいのかがわからず、結局視聴しただけで終わってしまいます。ユーザーにしてほしいアクションを考え、「資料請求をする」「予約する」といったわかりやすい言葉で自社サイトやLPへの導線を用意してあげましょう。

ユーザーが動画広告から遷移した先のLP制作も重要です。動画広告とLPには一貫性が必要ですが、動画広告と同じようなことをLPで再度訴求していては、LPに遷移した意味がなくなってしまい離脱率も上がります。一貫性を保ちつつ、新しい情報、より詳しい情報が得られるようなLP制作を心がけましょう。

 

まとめ

今回は、動画広告にかかる費用や費用対効果を高めるためのポイントについて紹介しました。

動画は静止画よりもコストがかかりますが、伝えられる情報量は桁違いに多くなり、コンバージョンにつながりやすいメリットがあります。各配信媒体の特徴を把握して適切なクリエイティブを制作できれば費用対効果を高めることが可能です。

弊社では、動画広告を配信するにあたって、配信プランの設計・動画制作・広告設定・広告配信・WEBレポートまで、ワンストップで承ります。

動画広告に興味がある方や、配信効果を改善したい方は、お気軽に弊社までお問合せ下さい。

WRITER / HUM
株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター

株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。