採用動画とは?制作するメリットや費用、効果を出すポイントを解説
求職者にとって就職活動はわからないことだらけで不安点が多いため、なかなか応募に踏み切れないことも多いでしょう。
そんな求職者の不安を解消するために有用なツールが採用動画です。目と耳から訴求できる動画を使えば自社のことをより深く知ってもらえ、入社意欲をかき立てやすくなります。
そこで今回は、採用動画を作るメリットや動画制作時のポイントについて解説していきます。
目次 |
採用動画とは
採用動画とは、企業及び採用に関する情報を発信し、求職者に自社への理解を深めてもらう動画のことを指します。
求人広告では主にテキストを使って情報を発信しますが、テキストだけでは職場の雰囲気や仕事内容を正確に掴むことは難しく、興味・関心を引きにくいという欠点があります。
そこで、テキストや画像の何倍もの情報量を持つ動画を使うことで、なかなか伝わりにくい企業内部の解像度を上げることができるため、魅力がより伝わり、志望度を高めやすくなります。
採用動画はYouTubeやホームページにアップするだけでなく、SNSで拡散したり、説明会で流したりと様々な場面で活用できることから多くの企業が取り入れている施策となります。
採用動画を制作するメリット
ここでは、採用動画を制作するメリットをご紹介します。
志望度を高められる
採用動画はテキストや画像だけでは読み取れない情報を伝えることができるため、求職者の志望度を高める効果があります。
株式会社Lumiiが24卒の就活経験者に実施した調査によると、採用動画の視聴後に志望度が上がったと回答した人は6割以上にのぼっています。
この結果からも、採用動画は企業のイメージアップや応募者の増加に貢献していると言えます。
画像引用:株式会社Lumii
また、採用動画はあったほうがいいと答えている人は9割近くにのぼり、ほとんどの求職者が志望度に関わらず採用動画を必要だと感じており、採用動画が就職活動において大きな役割を担っていることがわかります。
画像引用:株式会社Lumii
イメージアップを図れる
採用動画はブランディングの要素も多分に含んでおり、企業の目指している姿や強みといった魅力が盛り込まれているため、イメージアップを図れます。
ほとんどの求職者は企業のホームページを見て情報を得ようとしますが、ホームページではどうしても表現が硬くなってしまい、候補から外れてしまうこともあります。
そこで、採用動画を制作し、実際に働いている社員たちのリアルな声や仕事をしている様子などの求職者が本当に知りたい情報を発信することで動画を見る前よりも好印象を持たれやすくなります。
安心感を与えられる
採用動画は求職者に安心感を与えられるというメリットもあります。
求人広告で「活気のある雰囲気です!」と書かれていても本当かな?と疑ってしまったり、業務内容が箇条書きで書かれてあってもいまいちイメージしにくいですよね。
企業に対して不鮮明でわからないことが多くなると求職者は不安が募り、応募に踏み切れなくなってしまいます。
採用動画は職場のリアルな雰囲気や、入社した際の仕事内容の詳細までダイレクトに伝えられるため、求職者に安心感を与え、応募へのハードルを下げる効果があります。
マッチする人材を獲得できる
採用動画は、より自社にマッチする人材の獲得に貢献します。
求職者はあらゆる情報を収集し選定の材料にしますが、テキストでは情報量が限られてしまうため、不足情報を補おうと自分なりの解釈が入ってしまうこともあるでしょう。
すると、企業側と求職者側で認識の齟齬が起きてしまい、マッチしていない求職者からの応募につながるケースも多くあります。
仮にそのまま採用されたとしても想像と現実のギャップの大きさに耐え切れず早期退職となり、結果的に採用コストが高くついてしまいます。
動画を通して目と耳の両方から訴求することで情報が正しく伝わり、企業と求職者の双方の認識が一致しやすくなります。よって最初から自社にマッチする人材が集まるようになるため、採用活動がスムーズに進むでしょう。
採用コストが抑えられる
採用動画を制作することで、採用活動にかかるコストを抑えることができます。
前述した通り、動画は認識の齟齬を防いで自社とマッチする人材を集めやすくなるため求人広告に高額な費用をかける必要がなくなり、早期退職のリスクも減ります。
また、採用動画を1度作ってしまえば、説明会のたびに資料を作成・修正したり、同じことを何度も説明する手間が省けます。
採用動画はオンライン説明会との相性も良く、資料を見せながら口頭で説明するよりも、より感覚的に企業内部のことが伝わります。各地での説明会の会場費用や人件費等も削減できるため、全体で見ると大幅な採用コスト削減が期待できるでしょう。
採用動画の種類
採用動画は大きく分けて3つの種類があります。
インタビュー動画
社長、もしくは社員に対してインタビューしている様子を見せる動画です。
社長へのインタビューでは描いているビジョンや求める人物像、仕事への向き合い方など代表者ならではの熱い想いを伝えられます。
社員へのインタビューでは、自分と近い立場となる人物の会社を選んだ決め手や仕事内容、やりがいなどを聞くことができ、入社後の姿を想像しやすくなります。
1人ずつではなく座談会形式の動画も人気です。座談会では基本的な流れのみを伝え、細かい台本なしで進むことが多いため、作られていない社員たちの素の様子が見えて安心感や信頼感を与えられます。
会社説明動画
自分がどんな職場で働くのかイメージしやすいようにオフィスの中を案内する動画や実際に仕事に取り組んでいる様子を見せる動画です。
これまでの実績や事業内容なども紹介し、1本の動画で幅広い部分の説明をカバーできるため、企業説明会の場で活用されることが多いです。
直接来社して見学することが難しい場合でも、採用情報をオンラインで事前に確認できる会社説明動画は求職者にとって非常に有益です。
求職者のニーズに応えるために、興味のある部署やオフィスを選択して優先的に見れるインタラクティブ動画にする企業も増えています。
コンセプト動画
言葉で詳細に説明するのではなく、映像で採用コンセプトを表現した動画です。
どんなイメージを持ってもらいたいのか、どんな人物を求めているのか、何を軸に採用を進めているのかを端的に示すもので、3種類の動画の中では最も企業側の主張が強い動画となります。
はっきりと「こういう会社です」と主張しつつ、惹きこまれる映像と構成で同じ志を持つ求職者からの共感を誘い、入社意欲をかき立てます。
コンセプト動画はその企業らしさが存分に出やすいため、面白いと思ってもらえればSNSでの拡散も狙えます。
採用動画の費用相場
採用動画を外注する場合の相場は、動画の種類や長さによって数十万円~数百万円とかなり幅広いです。
動画制作には、企画立案、撮影、編集、スケジュール管理や場所の手配などの様々な作業が発生します。外注する会社によって、撮影方法や制作に関わる人数、提供できる撮影技術の幅なども違ってくるため、それだけかかる費用にも幅が出てきます。
目的やかけられる予算、自社にとって効果的な構成、見せ方を考慮したうえで最適な種類の採用動画を制作しましょう。
制作費用 | 採用動画の種類 | 制作期間 |
30~80万円 | インタビュー 社内風景 インタビュー+社内風景 |
2週間~1ヶ月半 |
80~200万円 | 事業内容 説明会用企業紹介 ドキュメンタリー |
1~3ヶ月 |
200万円~ | ドラマ | 3ヶ月~ |
30~80万円の採用動画
最も費用を抑えられるのは、社員に対して質問を投げかけ、応えてもらうインタビュー形式の動画や社内を回って施設やサービスを案内する動画です。
出演者は1人~数人の社員となり、1~2日あれば撮影できるため制作ハードルも低いです。
80~200万円の採用動画
説明会用に企業理念や事業内容を紹介したり、社員に密着取材した10分以上の長めの動画になると費用は100万円を超えることが多いです。
企業の想いを伝えるために事前に打ち合わせを重ね、じっくりと構成を練ります。凝った魅せ方も可能になり、その企業ならではの個性を発揮できます。
200万円以上の採用動画
撮影だけでなく出演もプロに依頼して1つのドラマのように仕立てる採用動画になると200万円を超える大掛かりなものになります。
ブランディングの要素が強くなりますが、台本も撮影もすべて任せられるためテレビCMのようなクオリティの高い動画が期待できます。
効果的な採用動画を制作するポイント
採用動画を制作する際は、下記のようなポイントを意識しましょう。
採用課題やターゲットを明確にする
採用動画制作では、まず採用課題やターゲットを明確にしましょう。
とにかく認知度を高めたい、応募数を増やしたい、早期退職率を減らしたいなど動画制作の目的は様々ですが、目的によって効果的な採用動画の種類や構成は違ってくるため、最初に決めておくことでスムーズに進みやすくなります。
とにかく認知度を高めたければ、エンタメ性を重視することで拡散を狙えますし、早期退職率を減らしたいのであれば、リアルな職場の雰囲気や具体的な仕事内容が伝わる構成にすることで入社前後のギャップを小さくすることができます。
また、採用課題が明らかになるとどんな人材が必要なのか、ターゲットとなる人物像もわかってきます。たくさんの応募がほしいからとターゲットを広く設定してしまうと結果的に誰にも刺さらない採用動画になってしまうため、理想の人物像を詳細に設定しましょう。
フォーマルになりすぎない
特に、スタッフ同士の人間関係の良さや長く働ける安心感を持ってもらうための採用動画ではフォーマルになりすぎないように意識し、職場のリアルな雰囲気を届けることが効果的です。
スタイリッシュにしたい場合もあるかと思いますが、かっこよく見せることに振り切ってしまうと親しみやすさや安心感は遠のいてしまうため、求職者は身構えてしまい、応募にはつながりません。
求職者は取り繕っていない「素」の様子を見れたときに安心を感じ、応募してみようかなという気持ちになります。
例えば、実際に働いている場面とインタビューの場面をはっきりと区切るようなドキュメンタリー構成ではなく、実際に作業しながら説明していくような構成にすることで堅苦しさがなくなり、親近感が生まれます。
また、親しみやすさを印象付けるには色味も重要です。彩度を抑えるとクールな印象で近寄りがたい雰囲気になりやすいため、彩度は高めにすることで明るく生き生きとした表情や仲の良い雰囲気が伝わりやすくなります。
採用フェーズに合わせた動画を作る
採用動画を複数制作する場合は、採用フェーズに合わせて動画を作ることも効果的です。
求職者が知りたい情報はいつでも同じではなく、採用が進んでいくにつれて変わってきます。
例えば、説明会や1次選考などの就活初期の段階では具体的な仕事内容や社内の雰囲気を知りたい人が多いですが、最終選考が近づいてくると、入社後にどんなキャリアを築けるのかや企業が求める人物像を知りたい人が多くなる傾向にあります。
よって、採用フェーズに合わせて求職者が知りたい情報に比重を置いた採用動画を作ることで、求職者の自社への興味や入社へのモチベーションを維持しやすくなります。
配信媒体や活用シーンを決める
採用動画を見てもらうシーンや媒体を決めておくことも重要です。
会社説明会やホームページで見てもらう場合は自社についてあまり知らない求職者が多いことが予想されるため、じっくりと理解を深めてもらうために企業理念や事業内容などのわかりやすい説明が求められます。
動画の長さもそこまで気にする必要はなく、情報を正しく伝えることに焦点をあてます。
一方、YouTubeやSNSではある程度興味を持ってくれている求職者がよりリアルな情報を求めて視聴する傾向にあります。気軽に視聴できるという特徴を利用して、ここでしか聞けないような踏み込んだ内容を発信することも有効です。
YouTubeやSNSは動画コンテンツが溢れている媒体になるため、最初の数秒で惹きつける必要がありますが、メリハリを大事にして短めにまとめることで最後まで見てもらいやすくなります。
求職者が知りたい情報を発信する
採用動画では、自社が伝えたい情報ではなく求職者が知りたい情報の発信を第一に考える必要があります。
もちろん理念やビジョンを伝えることも大事ですが、それが軸になってはいけないということです。
株式会社インタツアーが24卒の学生を対象に行った『採用動画の就活フェーズ別活用状況調査』によると、「説明会~1次選考の間で1番興味・関心が上がった動画は?」という質問に、「具体的な仕事内容」と答えた人が断トツで最も多く、社風や社内の雰囲気が2位、企業理念が3位となっています。
画像引用:PR TIMES
この結果からも、テキストだけでは仕事内容の細部だったり社内の雰囲気まではわからないため、より詳しく知りたいと思っている就活生が多くいることがわかります。
求職者の気持ちを無視して「自社が目指す姿は○○だから、△△のような人を待っています」のように企業側の一方的なアピールで終わってしまえば、求職者は自分が知りたいことがほとんどわからないままになり、志望度の向上にはつながりません。
弊社でも、「求職者が知りたいことを伝える」ことを最も大きな軸として採用動画を制作しています。
採用動画では最終的に「この会社に入りたい」という意欲をかき立てる必要があるため、求職者が知りたいことの分量を多めにとりながらも、その中で企業独自の魅力を盛り込んでいきます。
事前調査を行い、ターゲットがどんな情報を知りたいのかを把握したうえで、採用動画を見た後にどんな気持ちになってもらいたいのかをヒアリングを通して明確にすることで自然と必要な要素が見えてくるため、ニーズに応える、反響につながる採用動画の制作が実現します。
まとめ
今回は、採用動画を制作するメリットや効果を出すためのポイントについて解説しました。
採用動画は企業イメージを高め、マッチする人材を集めるために今や採用活動に欠かせないツールとなっています。
自社が伝えたいことに焦点を当てがちですが、求職者が知りたい情報をしっかりと漏れなく伝えることを重視し、ユーザーファーストの採用動画制作を目指しましょう。
他社との差別化を図るには高いクオリティが求められるため、プロの制作会社に依頼することで費用対効果の高い動画制作が可能になります。
弊社では、採用動画を制作するにあたって、コンセプト立案、スケジュール管理、撮影、編集、音入れまですべて社内で行い、ワンストップで承ります。
提供できる編集技術も豊富で、企業ロゴやタイトルロゴのアニメーションの制作、エフェクトや効果の挿入、サイネージに使用する特殊な比率の動画やショーウィンドウなどで使用される特殊な透過動画などにも対応しています。
また、ドローンによるクオリティの高い動画制作も可能です。採用動画に興味がある方は、お気軽に弊社までお問い合わせ下さい。
WRITER / HUM 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。 |