【動画活用】応募率が劇的に上がる採用動画の企画・制作ガイド

採用ブランディングの株式会社ジャリアの採用動画企画・制作ガイドイメージ

採用市場では今、動画が「採用の成否を分ける」時代に突入しています。採用サイトや求人媒体を見ただけでは伝わらない“人と文化のリアル”を、映像を通じて感じ取ったうえで応募を決める求職者が急増しています。 

一方で、こんな課題を感じている企業も多いのではないでしょうか。 

「採用動画を作ったけど、再生されない」 
「映像の質は良いのに、応募につながらない」 
「どんな構成で作れば効果的なのかわからない」 

動画の効果を左右するのは、“映像表現”そのものよりも、企画・制作・運用の設計力です。誰に、何を、どの順序で伝えるか。そこに明確な意図がなければ、どんなにおしゃれな映像も「雰囲気動画」で終わってしまいます。 

採用動画は「会社紹介」ではなく、「企業文化を体験させる装置」。つまり、“見せる動画”ではなく、“感じさせる動画”であることが、応募率を大きく左右します。 

本記事では、採用動画を通じて応募率を高めるための実践的プロセスを、以下の流れで体系的に解説します。 

  • 採用ブランディングにおける動画の目的と効果 
  • 動画の種類と活用シーン(企業紹介/インタビュー/1DAY密着など) 
  • 企画・構成・撮影・編集までの制作プロセス 
  • 効果を最大化するための運用・分析のポイント 

単なる“映像づくり”ではなく、“応募を生み出す仕組みづくり”へ。採用動画を「一度作って終わり」ではなく、「企業の資産として活かし続ける」ための考え方をお伝えします。 

目次

採用動画がもたらす効果と位置づけ  

  • 感情を動かすことで応募率が上がる
  • 採用活動全体をつなぐハブとしての役割

採用動画の種類と目的設計

  • 企業紹介・カルチャームービー(ブランド理解を促す)
  • 社員インタビュー動画
  • 1DAY密着・Vlog形式
  • イベント・インターン動画

動画制作のプロセス

  • ① 企画と構成設計|“誰に何を伝えるか”を明確にする
  • ② 絵コンテと撮影計画|ストーリーを“見える化”する
  • ③ 編集とナレーション|感情を“流れで設計”する

効果を最大化するポイント

  • ストーリーテリングで「企業の想い」を物語に変える
  • ファースト5秒で印象を決定づける

まとめ|採用動画は「企業文化の体現」

採用動画がもたらす効果と位置づけ 

採用動画の最大の価値は、「企業の想いを、文字情報を超えて“体験”として伝えられること」です。求職者は動画を通じて、職場の雰囲気や社員の人柄、働く空気感を“直感的に理解”します。それは単なる情報伝達ではなく、「共感の形成」につながります。 

採用ブランディングの観点から見れば、採用動画は“企業文化のプレゼンテーション”ともいえます。言葉では表現しきれないカルチャー・価値観・温度感を、数分の映像に凝縮することで、「この会社は自分に合いそうだ」と感じてもらえる確率が飛躍的に高まります。 

感情を動かすことで応募率が上がる 

近年の採用データでは、「動画を視聴した求職者は、応募率が約1.5倍〜2倍に上昇する」という傾向が報告されています。これは、視覚・聴覚の両方を通じて“記憶に残る体験”が生まれるためです。 

人は情報ではなく、「印象」で意思決定します。つまり、採用動画は“感情を設計する採用ツール”でもあるのです。 

また、動画は採用だけでなく、社内外の信頼構築にも波及します。たとえば、社員インタビュー動画を公開すれば、求職者だけでなく、既存社員の誇りやロイヤリティの醸成にもつながります。 

採用動画は単なるPRではなく、「働く人を主人公にするストーリーメディア」とも言えるでしょう。これは採用ブランディングだけでなくインナーブランディングに対しても大きな効果をもたらす一石二鳥の手法と言えるでしょう。 

採用活動全体をつなぐ“ハブ”としての役割 

採用動画は、採用活動の“点”ではなく、“線”をつなぐ存在でもあります。採用サイト・SNS・会社説明会・求人媒体といった複数の接点の中で、動画が一貫したトーンで企業のメッセージを伝えることで、採用ブランドの統一感が生まれます。 

たとえば、採用サイトに掲載した動画をSNSで短尺化して拡散し、説明会ではフルバージョンを上映する。さらに、社員紹介ページではその一部を引用する。 

こうした“動画を軸にしたクロスメディア運用”を行うことで、どの接点でも同じブランド体験を提供することが可能になります。 

採用動画は、いまや“求人を紹介するツール”ではなく、“企業文化を体験させる装置”。応募率の向上だけでなく、企業そのもののファンを増やすための基盤となる存在です。 

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採用動画の種類と目的設計 

採用動画とひと口に言っても、その目的や伝えるべき内容は企業の採用課題によって異なります。「とりあえず動画を作る」ではなく、“どの段階の求職者に何を伝えたいのか”を設計することで、初めて効果が最大化されます。 

ここでは代表的な4つのタイプと、それぞれが果たす役割を整理します。 

企業紹介・カルチャームービー(ブランド理解を促す) 

最もベーシックでありながら、採用動画の中核を担うのが企業紹介ムービーです。企業理念や事業内容を伝えるだけでなく、「どんな想いで事業を行っているのか」「どんな人が働いているのか」を映像で体験させることが目的です。 

特に効果的なのは、“代表メッセージ × 社員の声 × 現場映像”の三位一体構成。 

理念の言葉だけでなく、それが現場でどう体現されているかを見せることで、言葉に説得力が生まれます。また、採用サイトのトップビジュアルや会社説明会の冒頭など、ブランドの世界観を伝える導入動画として活用するのが効果的です。 

社員インタビュー動画 

社員インタビューは、最も“共感を生む”動画フォーマットです。求職者は、自分と似た立場の社員を通じて「この会社で働く自分」を想像します。そのため、台本的なインタビューよりも、“リアルな言葉”や“ちょっとした表情の変化”をそのまま残すことが重要です。 

また、職種や年次をバランスよく登場させることで、多様なキャリアの選択肢を提示できます。特にZ世代は、企業の理念よりも“人の雰囲気”を重視する傾向が強いため、「社員のリアル」が最も伝わる動画は非常に効果的です。 

1DAY密着・Vlog形式 

オフィスツアーや一日の密着動画は、働くイメージをリアルに伝えられるフォーマットです。「どんな時間の流れで仕事をしているのか」「どんなコミュニケーションがあるのか」など、文字では伝わらない“職場の温度感”を感じ取ってもらうことができます。 

最近では、社員自身がスマホで撮影する“セルフVlog”も増えています。完璧な演出よりも、少しラフで自然な映像のほうが共感を呼びやすいのが特徴です。 

特にインターンや新卒採用では、説明会よりも“リアルな1日”を見せる方が信頼を得やすい傾向があります。 

イベント・インターン動画 

採用イベントやインターンシップを動画化することで、企業の熱量や現場の一体感を伝えることができます。説明会や現場ワークの映像を編集し、「この企業は人を大切にしている」「挑戦の文化がある」という雰囲気を視覚的に表現します。 

また、インターン後に参加者の声をインタビューとして挿入することで、外部からの客観的な証言として信頼性が増します。これは企業目線のPRではなく、“体験者のリアルな感想”として受け取られるため、説得力が高い傾向にあります。 

採用動画の種類ごとに目的を整理することは、「誰に、どんな印象を残すか」を明確にすることと同義です。闇雲に“動画の本数”を増やすのではなく、採用フローに合わせて動画を戦略的に配置することが、成果を最大化する第一歩です。 

採用ブランディングの株式会社ジャリアの採用女性のイメージ

動画制作のプロセス 

採用動画の成功を左右するのは、「どれだけ美しく撮れるか」ではなく、「どれだけ意図を持って作れるか」です。企画・構成・撮影・編集という制作フローを、ただの作業としてではなく“ストーリー設計”として捉えることが重要です。 

ここでは、成果につながる採用動画を作るための実践的な制作プロセスを解説します。 

① 企画と構成設計|“誰に何を伝えるか”を明確にする 

最初のステップは、動画の「目的」と「ターゲット」を明確にすることです。新卒・中途・職種別・説明会用など、ターゲット層によって訴求すべきメッセージは大きく異なります。 

たとえば、 

  • 新卒向け:未来への期待・共感軸のストーリー 
  • 中途向け:挑戦・裁量・成果軸のメッセージ 
  • エンジニア採用:技術やチーム体制などのリアル訴求 

というように、誰に響かせたい動画かを定義することが“構成の軸”になります。 

構成を設計する際は、「3部構成」を意識すると効果的です。 

  1. 導入(イントロ):共感や興味を引くシーン 
  2. 中盤(ストーリー):社員の姿・現場の空気感 
  3. 結末(メッセージ):視聴後に残したい印象 

この3パートが整理されていれば、どんな動画でも一貫したストーリーが生まれます。特に、最初の10秒で“心をつかむ”構成設計は、離脱率を下げるうえで最も重要です。 

② 絵コンテと撮影計画|ストーリーを“見える化”する 

構成が固まったら、次に行うのが絵コンテ(ビジュアル構成表)の作成です。動画の流れを文字だけで考えるのではなく、「どのシーンで、誰が、何を語るか」を視覚的に整理します。 

たとえば以下のようにまとめると、撮影チーム全体の認識が統一されます。 

シーン 

内容 

登場人物 

撮影カット 

音声・ナレーション 

① 導入 

オフィスの朝 

若手社員 

廊下を歩くシーン 

軽やかなBGM 

② 本編 

代表メッセージ 

社長 

インタビュー+現場映像 

“挑戦する人を応援したい” 

③ 結末 

チーム集合 

全社員 

笑顔で手を振る 

ロゴとスローガン表示 

このように、撮影前に“完成のイメージ”を全員で共有しておくことで、現場での迷いが減り、撮影効率も大幅に向上します。 

撮影時は、「演出しすぎないリアリティ」を意識しましょう。求職者が見たいのは完璧な映像ではなく、“働く人の素の表情”です。社員の自然な会話や笑い声など、偶発的な瞬間こそが動画の温度をつくります。 

③ 編集とナレーション|感情を“流れで設計”する 

撮影が終わったら、編集フェーズでストーリーを完成させます。ここで意識すべきは、「視聴者の感情の流れ」です。編集のポイントは次の3つ。 

  1. テンポの最適化:シーンの切り替えをリズミカルにする 
  2. BGMと音声の調和BGMが語りを邪魔しないよう調整する 
  3. メッセージの余韻:最後に印象的な言葉やロゴで締める 

特に、BGM選定は「ブランドトーンの一貫性」を保つ鍵です。挑戦的な企業ならアップテンポ、温かいカルチャー重視ならアコースティックなど、音の印象で“企業らしさ”を演出しましょう。 

また、ナレーションは“説明”ではなく“導き”の役割です。情報を読み上げるのではなく、ストーリーの余白を補うような語り口にすることで、感情移入が生まれます。 

採用動画の制作プロセスは、“技術”ではなく“設計”の積み重ねです。映像の美しさよりも、「誰の心をどう動かしたいのか」という意図があるかどうかが、成果を分けます。この意図を明確にした動画こそが、応募へとつながる“生きた採用コンテンツ”になるのです。 

採用ブランディングの株式会社ジャリアの採用集団のイメージ

効果を最大化するポイント 

採用動画は「作ること」よりも「届けること」が目的です。どれほど高品質な映像でも、視聴者の心を動かせなければ応募にはつながりません。 

採用動画の効果を最大化するために欠かせない2つの要素でもあるストーリーテリングとファースト5秒の設計についても解説していきます。 

ストーリーテリングで「企業の想い」を物語に変える 

採用動画の核となるのは、映像の中にどんな「物語」を描くかです。企業紹介や社員インタビューをつなげただけの動画は、情報としては正しいものの、心には残りません。求職者の感情を動かすには、“物語構造”としてのストーリー設計が不可欠です。 

採用動画におけるストーリーテリングの基本は、次の3ステップで構成できます。 

  1. 共感(WHY:なぜこの企業はこの仕事をしているのか
  2. リアル(HOW:その想いをどのように実現しているのか
  3. 未来(WHAT:これからどんな人と働きたいのか

この流れを意識することで、視聴者の感情が自然に「理解 → 共感 → 行動」へと移行します。特に、社員のエピソードや失敗・成長の瞬間を盛り込むと、動画全体に“人間味”が加わります。 

企業の強みを語るよりも、「誰かの物語を通して企業の理念を感じさせる」ほうが、共感の質が高まるのです。 

また、ストーリーの中で映像・音・言葉のリズムを整えることも重要です。静かなBGMから始まり、チームワークのシーンでテンポを上げ、最後に落ち着いたナレーションで締める。この“感情の緩急”が、視聴後の印象を大きく左右します。 

採用動画の目的は「会社を語る」ことではなく、「働く姿を物語る」こと。視聴者が“自分の未来を重ねられる物語”を設計できれば、それは最強のブランディングツールになります。 

ファースト5秒で印象を決定づける 

採用動画で最も重要な瞬間は、冒頭5秒です。 

YouTubeSNSでの視聴データによると、7割のユーザーが最初の5秒で視聴を継続するかを判断するといわれています。つまり、最初の一瞬で「続きを見たい」と思わせる設計ができているかどうかが、効果を左右します。 

効果的な導入を作るには、次の3つの要素を意識しましょう。 

  1. 人の表情を出す:抽象的な映像ではなく、リアルな笑顔・動きのあるカットで始める
  2. メッセージを提示する:「この会社で働くとは?」など、問いかけ型のコピーを冒頭に入れる
  3. 音で惹きつける:印象的なBGMや短いセリフを入れて、聴覚的なフックを作る 

たとえば、「挑戦が、日常になる場所。」というコピーとともに、社員が動き出す瞬間の映像を重ねる。このような短いインパクトが、視聴者の感情を一瞬でつかみます。 

また、SNS用のショート動画であれば、最初の3秒に企業のトーンが伝わるかどうかが命です。「社名を出す」よりも「雰囲気を感じさせる」ことを優先し、音・色・動きで印象を残す演出を心がけましょう。 

採用動画の効果は、「どれだけ多くの人に見られたか」ではなく、「どれだけ心に残ったか」で決まります。ストーリーで共感を生み、冒頭の5秒で心をつかむ。この2つを徹底するだけで、応募率もブランド認知も大きく変わります。 

採用ブランディングの株式会社ジャリアの働く人のイメージ

まとめ|採用動画は「企業文化の体現」 

採用動画とは、単なる“採用広報ツール”ではなく、企業文化を映し出す鏡です。そこに映るのは、制度や仕事内容ではなく、「人」「想い」「空気感」といった、企業の本質そのもの。求職者はその映像を通して、「この会社で働く自分」を想像し、共感や憧れといった感情を抱きます。 

採用市場では、情報があふれる今だからこそ、“何を言うか”よりも“どう感じさせるか”が重要です。動画は、その「感じさせる力」を最も強く持つメディア。 

ストーリー・映像・音・言葉が一体となって、企業の思想を“体験”として届けることができます。 

そして、成果を出す採用動画に共通しているのは、一度作って終わらせない姿勢です。 
採用サイト・SNS・会社説明会・社内イベントなど、あらゆる接点で活かすことで、動画は“資産”へと進化します。応募率や定着率の向上はもちろん、社員の誇りやエンゲージメント向上にも波及するのです。 

採用動画とは、企業の理念を語るものではなく、「働く人たちの物語を見せるもの」。そこに“リアルな温度”と“心を動かすストーリー”があれば、映像は単なるコンテンツを超え、企業ブランドそのものを伝える最強のメディアになります。 

“見せる動画”から“感じさせる動画”へ。その変化こそが、これからの採用ブランディングを成功に導く鍵です。 

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WRITER / demio
株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 クリエイティブディレクター

株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。

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