キャラクター制作の費用はどれくらい?依頼前に知っておきたいポイントまとめ
キャラクターを作ってみたい、事業や広報の中で使ってみたいと思ったとき、最初に気になるのが「どれくらい費用がかかるんだろう?」という点ではないでしょうか。
調べてみると、数万円の事例から、数十万円、場合によっては100万円を超える制作まであり、想像以上の費用の幅に戸惑ってしまう方も多いように感じます。
キャラクター制作は、用途や作画量、展開範囲などによって必要な作業が変わるため、一言で“この金額です”とは言い切れない部分があります。
ですが、どんな要素が費用に影響するのかを知っておくと、見積りや相談の際に判断しやすくなります。
この記事では、キャラクター制作にかかる費用の考え方や相場、そして費用に幅が生まれる理由について整理してご紹介します。
制作後の活用フェーズや、見積りで気をつけたいポイントにも触れていますので、キャラクター制作を検討されている方の“最初のガイド”として参考にしていただければ幸いです。
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目次 キャラクター制作とはどんな内容?まず“制作範囲”を知るところから キャラクター制作の費用はどれくらい?相場の目安と幅が生まれる理由 まとめ|費用を見るだけでなく、“活用”まで含めて考えることが大切 |
キャラクター制作とはどんな内容?まず“制作範囲”を知るところから

費用を正しく把握するためにも、キャラクター制作は「どんなキャラクターをつくるのか」よりも前に、「どんな場面で使いたいのか」を整理しておくことが大切です。
用途によって必要な制作物が大きく変わるため、最初に方向性を固めておくことで、無駄な費用をかけずに済むことがあります。
キャラクター制作は“一枚絵”では完結しない
キャラクター制作というと、「キャラクターのイラストを一枚描くこと」といったイメージを持たれる方もいますが、実際にはもっと複雑で、“活用できる状態に仕上げる”ところまでを含みます。
キャラクターを運用するためには、
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どんな表情をするのか
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どんな動きをするのか
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どんな雰囲気や性格にするか
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どの媒体(SNS・Web・印刷物・看板など)で使うのか
といった、使用する場面に合わせた準備が必要になります。
これらの要素は最終的に制作費用にも影響します。
使用シーンに合わせて変わる“制作の範囲”
キャラクターをどこで使うかによって、必要な制作物は大きく変わります。
ここで紹介する内容は あくまで一例 ですが、最初の整理として役立つポイントをまとめています。
制作前に使用シーンを把握しておくことで、無駄のない制作ができ、費用の見通しも立てやすくなります。
| 使用シーン | 必要な制作物(例) | 特徴・ポイント | 費用が増えやすい理由 |
|---|---|---|---|
| SNS(アイコン・投稿) | 顔アップ/表情1〜2種 | ミニマム構成で運用可能 | 表情差分が増えると追加費用 |
| Webサイト/採用サイト | 全身立ち絵/表情差分3〜5種 | 会社紹介・サービス説明に使いやすい | トーン統一や複数媒体最適化で工数増 |
| チラシ・パンフレット | 全身ポーズ/差分カット/季節差分 | 印刷サイズに耐える高解像度が必要 | 印刷向け調整(CMYK)が追加工数になる可能性有 |
| イベント・キャンペーン | 特別衣装/限定ポーズ/シーンイラスト | 世界観の拡張でキャラクター性が強まる | 点数が多い・背景込みで費用増 |
| グッズ展開(ノベルティ含む) | 差分イラスト/線画データ/ポーズ展開 | 商品によって必要データが大きく異なる | 物量が増えるため追加費用が連動して増える |
| 動画・アニメーション | パーツ分けイラスト/まばたきや口パク差分など | 採用動画やSNS動画に使いやすい | アニメ対応のパーツ分けが高工数 |
上記はよく見られるパターンをまとめた一例であり、
実際には企業の課題、ブランドの方向性、使用したい媒体によって必要な素材は変わります。
- SNS中心ならミニマムな構成で十分な場合もあります。
- 採用・事業案内で広く使うなら表情やポーズ展開があると便利です。
- グッズやイベントを行う場合は追加制作が増える場合があります。
このように、用途に合わせて必要な制作物は変化していきます。
キャラクター制作の費用はどれくらい?相場の目安と幅が生まれる理由
キャラクター制作の費用相場を知っていれば、依頼の計画が立てやすくなります。
特に、費用に大きな幅が生まれる理由を理解しておくことで、見積りの「高い・安い」に惑わされにくくなります。
ここでは特に差が出やすいポイントを整理してみます。
一般的によく見られる価格帯
以下は、キャラクター制作における業界全体の目安です。
| タッチ/タイプ | 顔〜胸あたり | 全身ポーズ | 表情差分・ポーズ展開 |
|---|---|---|---|
| デフォルメキャラ | 約3〜10万円程度 | 約5〜20万円程度 (+背景・利用範囲次第で増) |
約10〜30万円以上 (差分多数・利用範囲広・グッズ展開含む) |
| 一般的な デザインのキャラ |
約10〜30万円程度 | 約20〜50万円程度 | 約30〜100万円程度 (複数ポーズ・展開・差分含む) |
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ディテールの |
約20〜50万円程度 | 約50〜150万円以上 (多媒体展開・グッズ含む) |
約数十万円〜数百万円程度 |
※表中の金額は「制作物・利用範囲・著作権の扱い」によって大きく上下します。
※「顔のみ」「全身」「表情差分・ポーズ展開」という横軸に沿って、規模が大きくなるほど費用も上がります。
※デフォルメキャラは比較的費用を抑えやすいですが、用途・展開が広がると普通のキャラ・細かいキャラとの差が縮まります。
用途の広さによる制作点数の違い
利用範囲が広いほど、イラスト点数や、媒体別データ、汎用性のある表情などが増え、その分費用にも比例して影響します。
最初に“用途の内訳”を整理しておくと、無駄な費用を防ぐことができます。
- どこまで使うか
- どこまで制作してくれるのか
- 著作権はどう扱われるのか
- 表情やポーズはどれくらい含まれているのか
- データ形式は何が含まれるのか
キャラクターをどこまで使うかによって、必要な表情・ポーズの数が増えていきます。
SNSだけなら低コストで済みますが、店頭・広告・イベントまで展開する場合は素材も増えていきます。
このように、事前に“内訳”を確認しておくことが大切です。
デザインの複雑さと作業ボリューム
シンプルなキャラクターと、細部まで描き込むキャラクターでは、必要な作業量も制作費も大きく変わります。
線が少ない“ゆるいキャラ”と、情報量の多いキャラでは、仕上げに必要な時間がまったく異なり、色数が多い場合や、質感表現・装飾の描き込みが必要な場合も同様に工数へ影響します。
| タッチ/タイプ | 顔〜胸あたり | 全身ポーズ | 表情差分・ポーズ展開 |
|---|---|---|---|
| デフォルメキャラ | 約5〜20時間程度 | 約20〜60時間程度 | 約40〜150時間以上 |
| 一般的な デザインのキャラ |
約20〜50時間程度 | 約60〜120時間程度 | 約100〜250時間以上 |
| ディティールの 細かいキャラ (VTuberなど) |
約50〜100時間程度 | 約100〜300時間以上 | 約200〜500時間以上 (Live2D用にパーツ分けなど含む場合更に増) |
「顔のみ」の制作は、構図がシンプルで必要な情報も少ないため、比較的短時間で進めることができます。
一方で「全身ポーズ」や「表情差分・ポーズ展開」になると、動きの設計・資料作成・バランス調整などの工程が増え、工数も大きくなります。

さらに、VtuberなどLive2Dを前提としたキャラクターは、アニメーション用にパーツを細かく分ける設計やレイヤー構築が必要となるため、通常のキャラクターよりも大幅に時間がかかる傾向があります。
このように、必要な工数が増えるほど、制作費も比例して上がっていくという構図になります。
著作権まわりの取り決め
キャラクターは「企業の顔」にもなる知的財産であり、著作権の扱いによって費用が変わります。
- 利用許諾:一般的で費用が抑えやすい
- 著作権買取:完全譲渡のため費用が高くなる
キャラクター制作を広告代理店に依頼する場合は、同じ会社へ追加制作を依頼することで、著作権を買い取らなくても一貫した運用が可能です。
ジャリアも同様に、継続的な制作がしやすい体制を整えています。
ラフ案や修正回数の影響
ラフ案数や修正回数は、制作工数とともに費用へ直接影響します。
方向性が早く決まると、費用を抑えつつスムーズに進めやすくなります。
キャラクター制作後が本番!活用フェーズで必要になること
キャラクター制作は、完成した瞬間がゴールではなく“スタート”です。
活用機会が増えるほど、ブランドへの浸透度も高まっていきます。
年間で発生する追加制作の例
キャラクターは使用するほど、「このポーズも欲しい」「この季節の装いも……」といった追加制作が生まれがちです。
- 季節ごとの衣装差分やイベント用ポーズ
- SNS投稿用イラスト
- 広告・キャンペーン用の新規カット
- グッズやノベルティ
- アニメーション用素材
これらは年間で見たときの追加費用として計画しておくのがおすすめです。
点ではなく“年間活用”で見る費用対効果
単体制作の費用だけを見ると大きく感じることもありますが、
キャラクターは年間で繰り返し使われることで、費用対効果が見えやすくなります。
SNSでの認知拡大や、広報物の統一感、社内外での愛着形成などの“積み重ね”がキャラクターの価値になります。
ガイドラインは運用トラブルを防ぐ重要な要素
色・比率・禁止事項などをまとめたガイドラインは必須です。
ガイドラインがあることで、媒体による色ズレや比率崩れを防ぎ、運用時の手戻り(=費用増)を抑えられます。
依頼中に見落としがちなキャラクター制作“隠れ費用”3選

キャラクター制作では、見積り段階では想定しづらい“隠れ費用”が発生する場合があります。
早い段階で把握しておくことで、予算オーバーやスケジュールの遅延を防ぐことができ、結果的にスムーズで効率的な進行につながります。
ここでは、特に見落とされやすい4つのポイントをご紹介します。
POINT.1 著作権買取は大きな費用差が出る
著作権を完全に買い取る場合、制作費に加えて権利費が上乗せされるため、どうしても費用が大きくなります。
一方で、実際の運用上は「利用許諾」の範囲で十分なケースも多いため、どのような用途で、どこまで展開したいのかを踏まえて慎重に検討することが大切です。
広告代理店や制作会社(ジャリアも同様)に依頼している場合は、著作権を買い取らなくても、新しい展開が必要になったタイミングで、同じチームに追加制作を依頼できるというメリットがあります。
- 同じデザイナーが継続して担当できる
- デザインの品質やテイストが揃う
- キャラクターの世界観がブレにくい
- 管理や修正のやり取りもスムーズ
このように、必ずしも著作権を買い取らなくても、継続的に同じ制作体制で依頼できれば、一貫した品質でキャラクターを育てていくことができます。
POINT.2 データ形式による追加費用
キャラクターは使用目的によって求められるデータ形式が変わります。
▶ 用途に応じて必要になる形式(※一例)
- AI / SVG:看板・パネル・印刷物など拡大用途
- PNG:SNS・Web用
- PSD: 編集ソフトで加工したい場合
- パーツ分けPSD:動画やアニメーション用
形式の違いは、単純な書き出しではなく、形式ごとに最適化したデータ作業が必要になる場合があります。
▶ 追加費用が発生しやすいケース
- AI形式が必要なのに、元のデータがラスターベースの場合
- 動画用に口パク・瞬きなどのパーツ分けが追加される場合
- 3面図やLive2D用のレイヤー設計が必要になる場合
「依頼時は考えていなかったけれど、あとから必要になった」という場合に追加費用が発生しやすいので、最初の見積もり時点で用途を共有しておくとスムーズです。
POINT.3 情報共有不足による修正費用
キャラクター制作は、方向性の共有が不足していると修正が増えやすく、結果として費用が膨らみやすい傾向があります。
▶ よくあるケース
- 決裁者が途中で変わった
- 社内で意見が割れた
- 制作後半になって別の用途でも使いたくなった
- イメージ資料が出てこず進行が止まった
これらは制作現場では起こりやすいことですが、修正が多くなるほど工数が増え、追加費用の発生につながります。
▶ 防ぐためには
- プロジェクトの決定フローを最初に共有しておく
- イメージや参考資料をまとめておく
- 使用したい媒体を早めに提示する
- 修正回数や進行のルールを決めておく
特に「最終決裁者が誰か」を早めに共有しておくことは非常に重要です。
決裁者が後から意見を出した場合、方向性が大きく変わり、ラフから作り直しになるケースもあるため、費用にもスケジュールにも影響が出やすいポイントです。
まとめ|費用を見るだけでなく、“活用”まで含めて考えることが大切
キャラクター制作の費用は、用途・作画量・展開範囲などによって大きく変わります。
費用だけで判断するのではなく、そのキャラクターをどのように活用していくかによって、費用の価値は大きく変わります。
株式会社ジャリアでは、キャラクターデザインをはじめ、社内外での活用設計やブランド運用まで一貫してサポートしています。
初めてキャラクター制作を検討される方にも安心して進めていただけるよう、企画段階から丁寧に伴走いたします。
「まずは費用感だけ知りたい」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。

| WRITER / TOMO 株式会社ジャリア福岡本社 第3営業部 イラストレーター 株式会社ジャリア福岡本社 第3営業部は、ジャリアの中でもブランド構築などブランディングに特化したチームです。企業のブランドはもちろん、採用関連も含め、ブランディングを軸に動画やWebサイト設計、パンフレットなど様々なツールの制作、広告代理店だからできる設計するだけで終わらない伴走しながらブランド再生と再認を作り上げるためにクライアントのブランドアイデンティティとブランドイメージの一致を目指し、日々活動しています。 |
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