年齢層別のイラスト制作 ターゲットにウケるデザイン攻略法について考える
イラスト制作の効果を高めるためには、ターゲットを設定しておくことが重要です。ターゲットを決めず、不特定多数に向けてイラストを制作しても誰にも刺さらず、興味をひくことはできません。
よって、まずはターゲットの特性を理解する必要があり、ターゲットに受け入れられやすいデザインにすることで適切にメッセージが伝わり、強く印象付けることができます。
ターゲットを絞るために設定する項目はいくつもありますが、今回は年代に着目し、年齢層別のイラスト・デザイン制作の重要性やポイント、事前に準備しておくべき要件までご紹介していきたいと思います。
目次 |
イラスト制作における年齢層別デザインの重要性
年齢が違えば価値観や惹かれるデザインも違ってくるため、イラスト制作では年齢層に応じたデザインでアプローチすることでメッセージがより効果的に伝わり、企業や商品への関心を引きやすくなります。
例えば、子どもにはカラフルで明るく楽しい印象を与えるシンプルなデザインが受け入れられやすいですが、大人には落ち着いた色合いで洗練された印象を与えるような、デティールにこだわったデザインが求められやすいです。
また、各年齢層に特化したイラスト・デザインは共感を生みやすく、「自分に向けた商品・サービスだ」と認識してもらえます。共感はポジティブな感情と結びつくため、企業に対して好感を持ち、スムーズな認知拡大や信頼性の向上につながります。
「みんなに向けたデザイン」は結果として誰の心にも刺さりません。年齢別の特性を理解し、ニーズや興味関心に沿ったイラスト・デザインを制作することで、成果を最大値まで高めることができるのです。
年齢層別イラスト・デザイン制作のポイント
では、各年齢層向けにイラストをデザインする際、どんなポイントに気をつけながら制作すれば良いのでしょうか。
ここでは、子ども、若年層、ミドル世代、シニア世代に分けて制作ポイントを解説します。
子ども向けのイラスト・デザイン制作
イラストの活用は全年代で効果的ですが、特に子ども向けのデザインではイラストの効果は絶大です。文字が多いと子どもは難しく感じ、興味をひくことができないため、イラストで視覚に訴えかけましょう。
シンプルなデザイン
複雑なデザインは子どもには親しまれにくいため、○や□などのシンプルな形、太陽、星、植物、動物など身近にあったり普段から親しみを持っているモチーフのデザインにするとすぐに理解してもらえます。
キャラクターを使ったデザイン
キャラクターのイラストは親しみやすさを感じてもらうのに非常に有効です。子どもはキャラクターに愛着を持つ傾向が強く、興味をひくきっかけになりやすいです。
コミカルに動いたり、ポジティブなイメージを与えるキャラクターは「楽しい」感情を引き出し、好意的に受け入れられるでしょう。
カラフルな配色
基本的にカラフルな配色で「楽しい」「わくわく」「明るい」「かわいい」等のイメージを与えられると一気に興味をひき、イラスト全体を見てもらえます。
赤ちゃんであれば柔らかいパステルカラー、幼稚園以降の年齢であればはっきりとしたビビットカラーのように使い分けるのもおすすめです。
若年層向けのイラスト・デザイン制作
若年層はトレンドに敏感で価値観も多様です。よって、多くの若年層に刺さるイラストの制作は難易度が高いですが、個性的なデザインを重視し、ストーリー性を持たせることで興味をひくことができます。
トレンドを取り入れたデザイン
若年層はSNSに触れている時間が多く、トレンドに敏感です。よって、音楽、ファッション、映画など若年層を中心に流行っている、現在を象徴するスタイルを取り入れると共感を得て、親近感を持たせることができます。
ネオンカラー、落書き風、ミニマルデザインなど、最新のアートスタイルで表現されたイラストは若年層にクールだと感じてもらえ、ブランド価値も上がります。
個性を尊重するデザイン
若年層は自己表現と多様性を特に重視している世代です。画一的なデザインではなく、様々な文化的背景やライフスタイルを持つ人々に寄り添ったデザインにすることで共感を得やすくなります。
また、どのような背景でそのデザイン、キャラクターが生まれたのかを伝えられると魅力が増幅し、強く印象付けることができます。
エネルギッシュな配色
若年層はアクティブなライフスタイルを送っている人が多いため、配色も彩度の高い色味をベースに躍動感のあるものにすることで、生き生きとした印象を与え、親近感を持ってもらえます。
メリハリのあるカラフルな色使いは視認性も高く、SNSをスクロールしながら閲覧している最中でもパッと目をひくイラストになり、認知を高められます。
ミドル世代向けのイラスト・デザイン制作
ミドル世代は落ち着いた大人な雰囲気が感じられるデザインや、高級感、信頼感、安心感を与えるようなビジュアルに興味を持つことが多いです。
すっきりとした清潔感のあるデザイン
清潔感のあるデザインは、構造が整理されていて余白をしっかり使ったものが多く、余裕を感じさせます。そのため、安心感や信頼感を重視するミドル世代に受け入れられやすいです。
フォントも奇抜すぎないクラシックで読みやすいものの方が清潔感を演出できます。
懐かしさを感じさせるモダンなデザイン
ミドル世代はちょうど中間の世代とも言えるため、懐かしいデザインに惹かれる一方で、モダンなデザインにも惹かれる傾向にあります。
過去に流行したデザインを取り入れつつ、今っぽさを感じられる要素を加えることで親しみやすさと上品さを両立させることができます。
控えめで落ち着いた配色
若い世代には派手な色を使った方が興味をひきますが、ミドル世代には控えめで落ち着いたトーンが好まれます。
落ち着いたベースカラーにネイビーやボルドーなど都会的で洗練されたアクセントカラーを加えるなど、目をひくような工夫が効果的です。
シニア世代向けのイラスト・デザイン制作
シニア世代向けのイラスト・デザイン制作はとにかくわかりやすさを重視します。「見えづらい」「読みにくい」などのネガティブな感情を与えることのないよう配慮したデザインを意識しましょう。
視認性の高いデザイン
シニア世代は視力が低下したり色の識別が難しくなることも多いため、何よりも視認性の高いデザインが求められます。文字やアイコンは大きめにしてコントラストをしっかりとつけると読みやすくなります。
また、わかりやすさも重要です。大きなボタンやシンプルなナビゲーションメニューを用いてどんな操作をすればいいのかを直感的に伝え、ストレスを与えないデザインを心がけましょう。
親しみやすいデザイン
現代的で直線的なデザインよりも、手描き風や水彩画などの柔らかく温かみのあるデザインの方が安心感を与え、受け入れられやすいです。
若い頃に親しんだ文化やライフスタイルに関連するデザインも効果的です。懐かしい感情を呼び起こし、好感を持ってもらえます。
コントラストの強い配色
配色も視認性を重視してはっきりとした色を使うことが推奨されます。くすんだ色やパステルカラーの他にも、黄色は白っぽく見えたり、紺色は黒っぽく見えるなど、見分けがつきにくい色が増えるため、鮮やかで明るい暖色系の色を組み合わせ、ポジティブな印象を与えましょう。
依頼前に決めておくべきイラスト・デザイン制作の方向性
イラスト・デザイン制作を依頼する際には、ターゲットの年齢層を設定しておく以外にも以下のような項目を検討し、方向性を決めておく必要があります。
イラストスタイルの選定
前述したように、年齢が違えば価値観や惹かれるデザインも違ってくるため、年齢層ごとにイラストのスタイルを選定することが重要です。
ターゲット年齢層の該当する年代がどんなライフスタイルを送っていて、どんなデザインに魅力を感じるのかを徹底的にリサーチすることが重要です。
以下で年齢層別に効果的なイラストスタイルのポイントをご紹介します。
- 子ども向け・・・キャラクターや丸みを帯びた形など親しみやすくわかりやすいイラストスタイル。シンプルで直感的に理解しやすいデザイン。
- 若年層向け・・・現代的なイラストスタイル。アニメや漫画要素を取り入れたり、デジタルアートなど個性を主張するデザイン。
- ミドル世代向け・・・洗練されたシンプルなイラストスタイル。装飾要素を取り除いたフラットデザインやピクトグラム。
- シニア世代向け・・・視認性が最重要なため過度に抽象的ではなく説明的でわかりやすいイラストスタイル。見やすく安心感を与えるデザイン。
カラーパレットの選定
カラーパレットとは、デザインやアートの制作において使われる色のセットや組み合わせを指します。メインカラー、サブカラー、アクセントカラーなどを組み合わせ、色の調和を考慮して全体のデザインや雰囲気を統一するために利用されます。
年齢層に合わせたイラスト・デザイン制作では、このカラーパレットの選定が非常に重要です。
各年代で色や配色に対して抱く感情やイメージは異なるため、以下のようにターゲットに合わせて効果的なカラーパレットを選定しましょう。
- 子ども向け・・・赤、青、黄色、ピンクなどシンプルで鮮やかな色。明るく柔らかいパステルカラー。カラフルな色使い。
- 若年層向け・・・鮮やかで強烈なネオンカラー。モノトーンやニュートラルカラーとアクセントカラーを組み合わせたモダンな配色。
- ミドル世代向け・・・彩度を抑えた青、緑、ブラウン、ベージュなど、落ち着きがあり安心感を与える色。上品なイメージを演出できるシックな配色。
- シニア世代向け・・・黄色やグレーなど視覚的に識別しにくい色は避け、赤やオレンジなど識別しやすいコントラストの強い配色。
タイポグラフィの選択
タイポグラフィとは、文字のデザインや配置、レイアウトを工夫して美しく読みやすくすること、またデザイン要素のひとつとしてメッセージを効果的に伝える技術のことです。
タイポグラフィは単に文字を並べるのではなく、フォントの選定、文字のサイズ、間隔、行間などを計算して美しさと機能性を両立させることを目的としています。
多くの場合、イラストとテキストが合わさってひとつのデザインとなり、メッセージをより強力に伝える役割を果たすため、イラスト制作においてもタイポグラフィは非常に重要です。
- 子ども向け・・・大きなサイズで丸みを帯びた太字のフォント。
- 若年層向け・・・トレンドに合わせたモダンでスタイリッシュなフォント。
- ミドル世代向け・・・読みやすい且つ洗練された印象を与えるシンプルなフォント。
- シニア世代向け・・・文字の間隔や行間を広く設定し、大きく読みやすいフォント。
このように、タイポグラフィにも年齢層別のイラストスタイルの選定やカラーパレット選定の特徴が当てはまります。それぞれの年齢層のニーズに合ったフォント選びを行い、より効果的なデザインを制作しましょう。
まとめ
今回は、年齢層に合わせたイラスト・デザイン制作の重要性や各年齢層向けの制作ポイントについて解説しました。
イラストスタイル、カラー、タイポグラフィから受け取る印象や感情は年齢によって異なることを理解したうえでデザイン制作に取り組むことで、伝えたいメッセージを適切に届けることができます。
ターゲット層に寄り添う気持ちを忘れずに改善を繰り返し、より伝わりやすいイラスト制作を目指しましょう。
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WRITER / HUM 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。 |