サイトの評判の不正使用とは?内容と対策、SEOへの影響は?
2024年3月に今年最初のコアアップデートが行われ、3つのスパムポリシーが発表されました。
3つの中で「期限切れドメインの不正使用」と「大量生成されたコンテンツの不正使用」の2つはコアアップデート時に対応が始まりましたが、「サイトの評判の不正使用」は一足遅れて2024年5月6日から対応が開始されました。
今回は、サイトの評判の不正使用の内容や対策方法について、現時点でわかっていることをご紹介していきます。
目次 サイトの評判の不正使用の本格実施に向けた対策 |
3月に実施されたスパムアップデートの内容
まずは3月に実施されたスパムアップデートの内容を簡単におさらいしましょう。
期限切れドメインの不正使用
期限切れドメインの不正使用とは、検索ランキングで上位に表示されていた期限切れのドメインを購入し、そのドメインの順位の高さを利用して、ユーザーに有益ではないコンテンツをホストするために再利用することです。
例えば、ドメインパワーが大きく検索順位も上位だった不動産サイトのドメインを購入し、低品質なソフトウェアサービスのコンテンツをホストして上位表示させ、アクセスを稼ぐなどの行為は不正使用となります。
大量生成されたコンテンツの不正使用
大量生成されたコンテンツの不正使用とは、ユーザーのためではなく検索ランキングを操作するためにユーザーに有益ではないコンテンツを大量に作成することです。
E-E-A-T(経験-専門性-権威性-信頼性)を満たしておらず、価値の低いコンテンツの大量生成を行っている場合は手動生成でも自動生成でも不正使用として処理されます。
新たに実施された「サイトの評判の不正使用」とは
前述した2つの不正使用については3月のコアアップデート時から適用されていましたが、2024年5月6日から新たに適用されたスパムアップデートが「サイトの評判の不正使用」です。
サイトの評判の不正使用とは、監視がないファーストパーティ(ホストサイト)のサブディレクトリやサブドメインにサードパーティー(第三者)がページを展開することです。
ホストサイトの評価にあやかって第三者が広告ページやスポンサーページなどユーザーに有益ではない、または無関係なページを展開し、検索エンジンで上位表示させることを目的としている場合がペナルティの対象となります。
サイトの評判の不正使用例
サイトの評判の不正使用の内容をもう少し具体的に言うと、
例えば、ジャリアのホームページ「https://jarea.jp」をドメインパワーが強い且つ監視されていないホストサイトとした場合、「https://jarea.jp/biyou」といったサブディレクトリや「https://biyou.jarea.jp」といったサブドメインを作成したうえで、化粧品のレビューなどの関連性の薄いページや広告ページ、相互リンクのみを目的としたようなパートナーページを展開することです。
- ホストサイトが運用に関わっておらず、監視もない
- ホストサイトの本来の目的とは異なる目的で運用している
- ユーザーにとって価値のないコンテンツを提供している
場合は明らかにホストサイトのドメインパワーや評価を利用して検索順位を上げようとしているためサイトの評判の不正使用にあたり、検索順位が下がったり、検索結果に表示されないなどの処置を受けます。
他にも以下のような例がサイトの評判の不正使用にあたります。
|
出典:Googleウェブ検索のスパムに関するポリシー:Google検索セントラル
サイトの評判の不正使用に該当しない例
サイトの評判の不正使用に該当しないのは、前述した項目と反対にあたる
- ホストサイトが運用に関与している
- ホストサイトの本来の目的と一致している
- ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供している
場合です。そのため、
- ホストサイトが関与しており、確認がとれているブログ記事コンテンツ
- 他のサイトで掲載されたニュース記事を共有しているシンジケーションニュースサイト
などはサイトの評判の不正使用にはなりません。
現在は自動化しておらず、手動で対応中
サイトの評判の不正使用が実施される件について、Googleは5月7日から手動で対応しています。
また、5月24日には以下のようなポストを投稿しています。
We have not gone live with algorithmic actions on site reputation abuse. I well imagine when we do, we'll be very clear about that. Publishers seeing changes and thinking it's this -- it's not -- results change all the time for all types of reasons. The actions currently only…
— Google SearchLiaison (@searchliaison) May 23, 2024
翻訳 私たちはサイトの評判の不正使用に対するアルゴリズムでの対応を本番稼動させたわけではありません。実施した際には、そのことを明確にお伝えするつもりです。パブリッシャーたちはランキングに変化があったために実施されたと考えていますが、そうではありません。検索結果は様々な理由で変化します。現在の手動での対応が影響を与えるのはサイト全体ではなく対象となっているコンテンツだけです。 |
まとめると、サイトの評判の不正使用は手動処理と自動処理の両方で行っていく方針ではあるが、正確には現在はまだ手動での対応に留まっており、自動処理には対応していません。
また、手動処理はサイト全体に影響を与えることはなく、あくまでも処理したページのみ影響を受けるようです。
自動処理によるアップデートを実施した際は発表するとしていますが未だに発表されていないため、いつになるのか注目が集まっています。
サイトの評判の不正使用に該当するページが続々と順位下落
Googleによるとサイトの評判の不正使用対応は自動処理の実施には至っていないため、検索ランキングの変動とは関係ないということですが、手動での対応開始直後からサイトの評判の不正使用に該当するページが相次いで順位を落としています。
寄生サイトの制裁始まりました、、、これはちょっと本気ですね。アフィリエイターどころか、ASPの売上にも大きなインパクトがありそうな予感、、、
— ねぎお社長/SEO/コンテンツマーケ🌸サクラサクマーケティング株式会社 (@negiosakurasaku) May 6, 2024
※そして、うちのメディア担当の監視力もすごいね。 pic.twitter.com/tbuo2IVuU3
違反ページの順位が下がった影響なのか、弊社はこのタイミングでジワジワと検索順位が上がっているキーワードが複数あり、自動処理が開始すればより上位に表示されるようになるのではないかと予想しています。
手動処理による警告メッセージの送付
サイトの評判の不正使用に該当したページがあった場合、以下のような警告メッセージが送付されています。
手動メッセキタ!
— 五朗 (@kogoro4516) May 7, 2024
ご丁寧にありがとうございますw pic.twitter.com/iHdSGjNrwc
警告メッセージが届いた際は、解除のための対応を行い、再審査をリクエストする必要があります。
手動処理の審査は厳しい傾向にあるため、小手先の方法で審査の目をかいくぐろうと思っても解除は難しいでしょう。サブディレクトリ・サブドメインのページごと削除することで解除されやすくなり、再びペナルティを受ける恐れもなくなります。
サイトの評判の不正使用の本格実施に向けた対策
サイトの評判の不正使用の自動処理がスタートすれば、これまでの何倍ものスピードでスパムページが検出されていくでしょう。
自社が巻き込まれないようにするために、以下のような点に注意してユーザーファーストなサイト運用を行っていきましょう。
自社サイトの貸し状況を確認する
サイトの評判の不正使用対策として、まずは自社サイトがサードパーティーにサブディレクトリ・サブドメインを貸していないかを確認しましょう。
Googleによれば、今のところ影響を受けるのは手動処理されたページのみとされていますが、今後自動処理アップデートが行われれば、違反しているページのみならずサブディレクトリやサブドメインを貸していたホストサイトもSEO評価が下がり、ペナルティを受ける可能性があります。
また、ペナルティを受けたページは有益ではないコンテンツを提供しているため、自社は関与していないにも関わらず、イメージやブランド価値が下がってしまう恐れがあります。
そんな事態を防ぐためにも、サブディレクトリやサブドメインはそもそも貸さないようにすることが最善です。
もし現在サードパーティーに貸している状況で警告を出された場合は、貸しページの内容を確認し、コンテンツを完全に削除することをおすすめします。
ホワイトハットSEOを徹底する
サイトの評判の不正使用に巻き込まれないためには、ホワイトハットSEOを徹底しましょう。
ホワイトハットSEOとは、Googleのガイドラインに則ってSEO対策を行う手法です。ユーザーが求めているコンテンツを検索結果上位に表示し、充実した検索体験を提供します。
Googleはアップデートを繰り返し、ガイドラインに反した不正行為を行い質の低いコンテンツの検索順位を上げるブラックハットSEOを取り締まった結果、現在はホワイトハットSEOを採用しているコンテンツが上位に表示される仕組みになっています。
Googleが定めているルールを順守するという至極当然なことをしていれば正当な評価を受けることができ、ペナルティを科される恐れもなくなります。
もちろんホワイトハットSEOはすぐに結果が出るわけではなく、地道にやっていく他ありません。しかし、ユーザーファーストの精神を忘れることなく価値のある情報を提供していくことがそのままGoogleが大事にしていることであり、安定した上位表示につながります。
万全のSEO対策でコアアップデートにも動じないWEB制作を
今回ご紹介したサイトの評判の不正使用をはじめ、Googleのコアアップデートに対応するためには様々なSEO対策を実施していく必要があります。
SEO対策においては、いくら施策を実施しても「やりすぎ」ということはないため、できるだけ様々な方向からいろんな種類の対策を講じることが最善です。
よって、WEBサイト制作を依頼する場合は制作のみに対応している会社ではなく、SEOを含めた保守管理運用を行っている会社に依頼することをおすすめします。
ジャリアではWEBサイト制作及びSEO対策をサポートする3つのプランのもと、コアアップデートに動じないサイト運用を行っています。
SEO内部・外部対策、コンテンツSEOのすべてにおいて万全な状態を目指し、常に安定した順位上昇のための施策を図ります。
各社の予算や状況に合うプランをご提案し、ユーザーファーストなWEBサイト運用をワンストップで承りますので、本格的にSEO対策に取り組みたい方はお気軽にお問い合わせ下さい。
まとめ
今回は、Googleが新たに実施したスパムアップデート「サイトの評判の不正使用」の内容について解説しました。
現在は手動での対応に留まっていますが、検索順位を操作する目的でホストサイトに寄生しているページは軒並み順位が下落しています。
本格的な自動処理は始まっていないため、まだ未知な部分もありますが、いずれにせよホワイトハットSEOの実施・継続がサイトの評判の不正使用の何よりの対策になるため、ひとつひとつのSEO対策を固めながらアップデートの動向を見守りましょう。
WRITER / HUM 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。 |