海外(アジア)向けSNSマーケティングとは|訪日外国人集客
日本国内において、SNSマーケティングは代表的なマーケティング施策になっていますが、海外向けの施策としても非常に効果的です。
世界的なSNS利用者の増加に伴い、海外の中でもまずはアジアに向けたSNSマーケティングから始めようとしている企業も多いかと思います。
そこで今回は、アジアを中心とした海外向けSNSマーケティングについて解説していきたいと思います。
目次 |
世界のSNS利用率
アジア向けSNSマーケティングについて知る前に、まずは世界のSNS利用率を見てみましょう。
出典:DIGITAL 2023: GLOBAL OVERVIEW REPORT:DataReportal
順位 | SNS名称 | 月間利用者数(MAU) |
1位 | 29億5,800万人 | |
2位 | YouTube | 25億1,400万人 |
3位 | 20億人 | |
3位 | インスタグラム | 20億人 |
5位 | 13億900万人 | |
6位 | TikTok | 10億5,100万人 |
7位 | Facebook Messenger | 9億3,100万人 |
8位 | Douyin | 7億1,500万人 |
9位 | Telegram | 7億人 |
10位 | SnapChat | 6億3,500万人 |
世界で最も人気のSNSはFacebookで、月間29億人以上の利用者数を誇ります。Facebookは実名制で他のSNSより情報の精度が高いという大きな強みがあり、海外向けのSNSマーケティングにおいて優位性を持っています。
YouTubeは世界最大の動画サービスということで2位というのも納得ですが、同じく動画サービスのTikTokは比較的新しいSNSであるにも関わらず6位に君臨し、海外でも勢いのあるSNSであることがわかります。海外向けのSNSマーケティングでは多くの国で優先して取り組むべき媒体と言えるでしょう。
また、日本ではメッセンジャーアプリというとLINEが代表的ですが、海外ではLINEと同様に気軽にメッセージを送り合えるWhatsAppの利用率がかなり高く、インスタグラムと並ぶ結果となっています。
海外(アジア)で利用されるSNS媒体
SNSの種類は今や数えられないほど増えていますが、同じアジアでも海外では日本にとって馴染みのないSNSが利用されていることもあります。効果的な海外向けSNSマーケティングを行うためには、まずは対象国でどんなSNSが利用されているのかを把握しておく必要があります。
ここでは、隣国の中国と韓国、インバウンド消費額1位の台湾、世界最大人口となったインド、近年海外マーケティングの有望進出先となっているベトナムの5か国で人気のSNSを紹介します。
中国
中国ではインターネット規制が行われており、Facebook、インスタグラム、X、YouTubeなど世界で人気のSNSを利用できません。国内独自の多種多様なSNSがリリースされており、利用者の大半が中国人ということがほとんどであるため、マーケティングを行う際には注意が必要です。
中国で人気のSNSは以下の通りです。中国独自のアプリが多いため、簡単に紹介します。
1位 | Douyin | TikTokで有名なByteDance社が中国本土向けにリリースしたショート動画共有SNS。TikTokよりも編集機能が豊富、高いレコメンド精度など優れている面も多く、ユーザー層も幅広い。 |
2位 | bilibili動画 | 中国の若者から絶大な人気を集める大手動画共有サービス。ゲームやアニメ、漫画などのサブカルチャーを発信する場所であり対応言語も多く海外ユーザー数も増加。 |
3位 | Red | 中国版のインスタグラムと言われているSNS。画像や動画で訴求でき、インフルエンサーを活用したマーケティングも活発。ショッピング機能付きでコンバージョン獲得も期待できる。 |
4位 | 中国のスマホ利用者のほとんどが利用している多機能SNS。通話やメッセージのやり取りからオンラインショッピング、公共料金の支払い、タクシーの配車などあらゆることが可能。 | |
5位 | 中国版のXと言われるミニブログ形式のSNS。多くの海外企業や有名人もアカウントを持ち様々な情報が発信・共有されている。情報収集ツールとしても利用され、Weiboの口コミを参考にする人も多い。 |
出典:【2023年最新版】中国SNSランキングTOP5とは?:CROSS BORDER NEXT
このように中国では独自のSNSがシェアを占めているため、中国向けのSNSマーケティングでは、まず各SNSの特性や傾向をしっかりと調査して自社と相性の良いものを見極めることが重要です。
韓国
韓国で人気のSNSは以下の通りです。
1位 | KakaoTalk |
2位 | YouTube |
3位 | インスタグラム |
4位 | X(旧Twitter) |
5位 |
最も人気のKakaoTalkは韓国を代表するSNSで、通話やチャット、写真や動画の共有ができるメッセンジャーアプリです。日本人にとってのLINEのような立ち位置と考えていいでしょう。韓国に向けてSNSマーケティングをするのであれば必ず押さえましょう。
また、海外では利用者が少ないXが4位でFacebookよりも上位になっており、一定のシェアを獲得しているため、韓国ではXもマーケティングに有効な媒体として活用できるでしょう。
台湾
台湾は2023年4月から6月の訪日外国人消費額で1位となるなど、海外向けマーケティングにおいて台湾の存在が大きくなっています。
台湾で人気のSNSは以下の通りです。
1位 | YouTube |
2位 | |
3位 | LINE |
4位 | インスタグラム |
5位 | TikTok |
1位と2位は世界的にも人気のYouTubeとFacebookがランクインしましたが、LINEがインスタグラムを抑えて3位となっています。LINEは日本で最も多く利用されているSNSですが、日本の他に台湾、タイ、インドネシアでも高い利用率を占めています。
海外向けだからといってLINEを除外するのではなく、上記3か国向けのSNSマーケティングではLINEの運用にも注力すべきと言えます。
インド
インドで人気のSNSは以下の通りです。
1位 | YouTube |
2位 | |
3位 | インスタグラム |
4位 | SnapChat |
5位 | Facebook Messenger |
出典:インドのデジタルマーケティングトレンド2022:GDX
1~2位は台湾と同じで、YouTubeとFacebookはインドにとってもポピュラーなSNSのようです。基本的に海外(アジア)のSNSマーケティングではこの2つのSNSに取り組むことが必須と言えます。
また、インドではSNS利用者のうち26.5 パーセントが女性で、73.5 パーセントが男性と圧倒的に男性の利用率が高いです。一般的に女性の方が利用率が高いインスタグラムもインドでは主に男性が利用しているため、男性向けの商材を扱う企業がマーケティングの効果を得やすいと言えます。
ベトナム
ベトナムで人気のSNSは以下の通りです。
1位 | |
2位 | Zalo |
3位 | Facebook Messenger |
4位 | TikTok |
5位 | インスタグラム |
出典:【2022年】東南アジア・SNS市場の変化:INFO CUBIC
ベトナムでもFacebookが圧倒的人気のようです。2位のZaloはベトナム発の多機能メッセンジャーアプリで、WeChatと同様に様々なシーンで便利なSNSです。ほとんどのスマホユーザーが利用しているため、ベトナムのSNSマーケティングでは外せないアプリです。
4位と5位からビジュアルで訴求する手法も効果的と言えます。ベトナムのTikTok利用者数が世界6位であることからも、動画で映える商材を扱う企業やTikTokでSNSマーケティングを強化したい企業は検討してみても良いかもしれません。
日本と海外のSNSマーケティングの違い
日本と海外のSNSマーケティングでは、取り組むべきSNSが異なります。
日本ではスマホユーザーの8割以上がLINEを利用して通話やチャットを楽しんでいますが、中国ではWeChat、韓国ではKakaoTalk、ベトナムではZaloが一般的なメッセンジャーアプリとして親しまれています。
海外でLINEが日常的に利用されている国は非常に少ないのですが、例えばもしこの事実を知らずに韓国でLINEを使ったマーケティングを行えば、失敗に終わることは言うまでもありません。
海外で人気の高いSNSと、自社が得意とする・勝てるSNSを照らし合わせ、最適なツールを選定できればSNSマーケティングの大きな成果が期待できます。
海外向けSNSマーケティングの効果
ここでは、海外向けSNSマーケティングを行うことで、具体的にどんな効果があるのかを紹介します。
認知拡大
海外SNSマーケティングを行うことで、海外ユーザーへの認知拡大を図れます。
世界のインターネットユーザーは2022年初頭に49億5,000万人に達し、その中でSNSを利用しているユーザーは46億2,000万人にのぼります。
参考:DIGITAL 2022: GLOBAL OVERVIEW REPORT:DATAREPORTAL
世界中のインターネットユーザーの9割以上がSNS利用者であることから、海外向けSNSマーケティングを行うことで、国内の何倍ものユーザーに認知してもらえる可能性が高まります。
SNSでは情報収集、レビュー投稿・閲覧、シェアを気軽に行うことができるため、近年は海外ユーザーも検索エンジンよりも先にSNSを開いて商品を認知し、投稿されている口コミを参考にして購入に至るケースが多くなっています。
SNSマーケティングによってまだニーズが明確になっていない海外の潜在層を掘り起こし、顕在層へと遷移させることで、コンバージョンにつなげやすくなります。
ブランディングを図れる
海外SNSマーケティングを行うことで、海外ユーザーに対してもブランディングを図れます。
多くのSNSではテキストのみならず、画像や動画を用いて短時間で膨大な情報を伝えることができるため、自社が浸透させたい理想のイメージを海外ユーザーにも持ってもらい、ブランド価値を確立することが可能です。
自社がどんな理念を持っていて、どんな商品を販売していて、どんなニーズに応えることができるのか、SNSマーケティングを通して海外ユーザーに理解してもらうことで他社との差別化につながり、選ばれる企業に成長します。
海外ユーザーとの信頼関係が深まる
海外SNSマーケティングを行うことで、海外ユーザーとの信頼関係を深め、ファン化させることができます。
従来のマーケティングでは企業側が一方的に宣伝するだけでしたが、SNSマーケティングでは双方向のコミュニケーションが可能です。
海外ユーザーは企業の発信に対していいね!やコメントで気持ちを伝え、シェアやリポストで拡散することができます。企業は海外ユーザーの反応を受けて今後の商品やサービスの開発、SNSマーケティング運用の改善に役立てます。
ユーザーは自分の意見が反映されていると感じたり、誠実に向き合ってくれていると感じると、企業をより身近な存在として認識し、評価も高くなります。
また、このような心理的な面での付加価値はブランディングにもつながり、海外マーケティングにも優位に働きます。
海外向けSNSマーケティングの方法
ここでは、海外向けSNSマーケティングの方法について紹介します。
アカウント運用
海外向けSNSマーケティングを行ううえで、アカウントの運用は自社がどんな会社であるのかを伝えるためにも、海外ユーザーとコミュニケーションをとるためにも必要不可欠な施策です。
日々の投稿で自社の価値を示し、認知してもらうところから優良顧客になるまで育成し、海外での知名度や好感度を上げていくことができます。
海外のSNSユーザーは増加の一途をたどっており、SNSは多くのユーザーにとってブランドを知るきっかけ、購入するきっかけとなっています。
海外企業だからと一線を引くのではなく、現地の言葉で企業側から進んで情報を発信するSNSマーケティングを行い、交流を深めようとする姿勢が海外ユーザーの心を開き、受け入れられるようになります。
インフルエンサーマーケティング
海外向けSNSマーケティングで利益を上げるためにはまず認知度を上げる必要があり、認知度を上げるためには多くのリーチを獲得しなければなりません。
そこで効果的な施策がインフルエンサーを活用したマーケティングです。海外のSNS上で影響力が高いインフルエンサーを起用して商品を紹介してもらうことで認知拡大を図ります。
自社がターゲットとする多くの海外ユーザーから支持されているインフルエンサーに発信してもらえれば訴求力が強まり、逆に広告感は弱まるため興味を持ってもらいやすく、コンバージョン率も上がります。
また、最適なキャスティングができるかどうかが成功を左右するため、海外のサポート企業にも協力してもらいながら自社と親和性が高い人物を選び、SNSマーケティングを加速させましょう。
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まとめ
今回は、海外(アジア)向けSNSマーケティングについて解説しました。
同じアジアでも国によって利用されているSNSは大きく異なるため、海外向けSNSマーケティングでは対象国で人気のSNSとその特徴をしっかりと調査するところから始める必要があります。
海外に向けた発信となるためそのぶんコストはかかりますがメリットも大きいため、最適な方法を見つけて費用対効果の高いSNSマーケティングを行いましょう。
弊社では、ヒアリングをもとに商品やサービスと顧客ニーズを結び付ける最適な戦略を立て、海外マーケティングをサポートいたします。
海外進出を検討している方も、すでに海外マーケティングに注力しているが成果が出ないという方も、お気軽に弊社までお問合せ下さい。
WRITER / HUM 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。 |