海外マーケティングとは?効果的な戦略の立て方や手法、ポイントまで徹底解説!

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国内向けのビジネスが軌道に乗り、ある程度成果を出せれば、多くの企業が日本を飛び出し海外に市場を広げ、認知拡大や利益向上を図ります。

しかし、国内向けのマーケティングと同じような考え方や手法で進めても失敗に終わる可能性が高いため、海外に合わせた考え方と手法をしっかりと理解した上でマーケティングを展開していく必要があります。

そこで今回は、海外マーケティングの戦略の立て方から効果的な手法や成功させるためのポイントについて徹底的に解説していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

海外マーケティングとは

海外マーケティングにおける戦略の立て方と進め方

海外マーケティングで効果的な手法5選

海外(アジア)向けSNSマーケティング

インバウンド集客とは

GoogleマップにおけるインバウンドのMEO対策

海外マーケティングを成功に導くポイント5選

まとめ

 

海外マーケティングとは

海外マーケティングとは、海外に住んでいるユーザーをターゲットにして、自社の商品やサービスを認知し、購入してもらえるような仕組み作りを指します。

日本では少子化が進み、様々な市場が縮小傾向にあります。一方で、海外では人口が増え続けており、それに伴いインターネットユーザーも増加しているため、ビジネスをより拡大していくためには海外マーケティングに取り組む必要がでてきます。

海外マーケティングは国内マーケティングよりも事前準備や運用にコストがかかってしまいますが、成功すれば日本の何倍ものユーザーに広く知ってもらえ、多大な利益が見込めます。

海外マーケティングにおける戦略の立て方と進め方

海外マーケティングを国内のマーケティングと同じようなスタンスで進めても大きな成果は期待できません。

ここでは、海外マーケティングにおける戦略の立て方と進め方について解説していきたいと思います。

1. 海外マーケティングを行う目的の明確化と目標設定

海外マーケティングに限りませんが、何か施策を行う際は必ず最初に目的を明確化する必要があります。

海外マーケティングでは特に、市場や取り巻く環境がどんな状態であるのかを把握することが国内よりもはるかに難しくなります。そのため、目的を明確にしていないと早い段階でブレが生じてしまい、失敗に終わってしまう可能性が高まります。

また、海外でも特定の地域に絞れば情報収集の範囲も限られるためそのぶんコストも抑えられますが、全世界に向けるとなるとかなりの時間と費用を投資することになり、集めなければならない情報も膨大になります。

何を目的とするかによって海外マーケティングの進め方は大きく異なるため、コストを無駄にしないためにも目的は社内全体で共有し、認識をすり合わせながら進めていきましょう。

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2. 海外マーケティング対象国の市場調査と分析

海外マーケティングを行ううえで、最も重要と言えるのが対象国の市場調査と分析です。海外マーケティングでは国内の場合よりもさらに綿密に調べ上げる必要があります。

日本と海外では、文化も、価値観も、法律も、売れる商品の傾向も大きく異なるため、まずは対象国への理解を深めることが必要不可欠です。最初に設定した目的と目標に沿って、市場、顧客、競合、法規制などの必要な情報を事前に収集し、自社が参入した場合に成功するかどうかを見極めましょう。

相手のことがわかっていれば多角的な思考ができるようになり、様々な施策を検討できます。リスクを回避できる確率もグッと上がるため、コストを無駄にすることもなくなります。

3C分析、SWOT分析、PEST分析などの代表的な分析手法を用いて海外マーケティングにおける戦略立案や意思決定を行い、他社との差別化を図りましょう。

3. 海外マーケティングを行うターゲットの絞り込み

海外マーケティング対象国の市場調査・分析を行ったら、次はターゲットを絞り込みます。膨大な数の海外ユーザーを属性ごとに分類するセグメンテーションを行い、自社との親和性が高いユーザーをターゲットに設定します。

ここでいう属性とは、性別や年齢だけでなく、居住地や職業、家族構成、興味関心、抱えているニーズなども含まれ、グループ分けの方法は様々です。

ターゲットの絞り込みはマーケティングの費用対効果を高めるために欠かせない工程です。最初から興味を持ってもらえる海外ユーザーに絞ることで必然的にコンバージョン率も上がります。

自社が提供する価値によってニーズを解消でき、尚且つ他社にも勝てる可能性が最も高いユーザー層を選びましょう。

4. 海外マーケティングの媒体・手法の選定

海外マーケティングでは様々な手法を使ってユーザーに訴求することができますが、海外のどんな国でも同じ手法が使えるわけではありません。

例えば、リスティング広告やSEOに取り組むとなれば、日本ではGoogleが圧倒的なシェアを誇るためGoogleをメインに施策を行うことになります。一方で、中国ではBaidu、ロシアではYANDEXのシェア率が最も高いため、Googleの施策に注力しても意図する成果は得られません。

海外マーケティングでは、対象国で最も利用されている検索エンジンや検索されているキーワードを調査することで、確度の高い海外ユーザーに広告を表示したり、上位表示を狙って集客につなげることができます。

5. 海外マーケティングの実施・効果測定

海外マーケティングで施策を実施した後は、どんな効果が得られたのかを明確にし、改善を図ります。

1~4の工程を経て定めた海外マーケティング戦略において、想定した成果が出ているのか、出ていなければ何が原因なのかを突きとめ、今度はその原因を解消したうえで成果を出せる施策を考え、実行します。これを繰り返すことで最適解を導き出します。

海外市場の動向を常にキャッチアップし、変化があれば臨機応変に対応する姿勢が求められるため、かなり根気のいる作業になりますが、少しでも目を離せば他社に後れを取ってしまうこともあります。
 
海外マーケティングに従事する人材を十分に確保し、ビジネスパートナーとの連携を密にとっておくことでスピーディーで効率的な改善を図れるでしょう。
 

●海外マーケティング戦略の立て方と進め方|訪日外国人集客

海外マーケティングで効果的な手法5選

ここでは、海外マーケティングで効果的な5つの手法をご紹介します。

WEBサイト制作

WEBサイト制作は海外マーケティングにおいて必須の手法となります。

海外進出の地域が限定されているのであれば新たにサイトを制作したり、複数拠点で展開するのであればモデルサイトを構築し、各拠点で流用しながらその地域に合ったコンテンツも発信していくという方法があり、海外マーケティングの戦略によって適切なWEBサイト制作の進め方は変わります。

また、海外マーケティングのWEBサイト制作では翻訳やデザインが重要なのはもちろんですが、問い合わせ窓口をきちんと設置しておくことが重要です。

海外の企業ということで疑問点が生まれることも多いため、気軽に質問や相談ができる窓口があることを示し、海外ユーザーに安心して利用してもらえるようにしましょう。

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SNSマーケティング

海外ではインターネットの普及が拡大し、SNSの利用率も上昇しているため、現在の海外マーケティングではSNSの活用が必須となっています。

多くのSNSにはシェアできる機能が搭載されているため、海外ユーザーの興味をひきつけて拡散してもらえれば瞬く間に世界中に企業の存在が知れ渡ることも十分にあり得ます。

海外マーケティングと言うとハードルが高いと感じてしまうこともあるでしょう。しかし、SNSをうまく活用すれば、コストを抑えながら日本の何倍ものユーザーに存在を知ってもらえ、海外でのビジネス基盤を固めることができる可能性を秘めています。

国によって利用されているSNSは異なるため、事前調査を入念に行い、どのSNSを活用すれば認知が広がり、尚且つ自社の魅力が伝わりやすいのかを判断しましょう。

SEM

SEMとは「Search Engine Marketing」の略称で、SEOとリスティング広告を含む、検索エンジンを使ったマーケティング活動のすべてを指します。

海外マーケティングでSEO対策を行う際は、調査ツールの国と言語を再設定する必要があります。コンテンツは海外ユーザーのニーズに応えるものを作成し、読みやすさを重視します。

リスティング広告は短期間で一気に集客できる爆発力があるため、WEBサイトを立ち上げたばかりであれば中長期的な施策であるSEO対策と併用することで大きな効果が期待できます。

広告費を無駄にしないためには、現地のターゲットユーザーが検索しているキーワードを調査しておくことが重要です。検索背景を想像し、どんなキーワードとテキストで訴求すれば海外ユーザーに刺さるのかを考えます。ネイティブの人材に協力してもらうことでコンバージョンにつながるコンテンツも作成しやすくなります。

海外マーケティングにおいてリスティング広告運用を成功させるポイントについて、下記の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

●海外マーケティングにおけるリスティング広告運用のポイント|訪日外国人集客

動画マーケティング

YouTubeやTikTokといった動画配信サービスは海外でも非常に人気が高く、海外マーケティングでは優先して取り組むべき媒体と言えます。

動画はテキストよりも届けられる情報量が圧倒的に多く、視覚的に訴求できる点やインパクトを与えて記憶に残りやすい点がメリットとして挙げられます。

また、動画マーケティングは言語が違っても伝えられる情報が多く、表現方法の幅も広がるため、自社らしさを前面に出した魅力的な宣伝が可能になり、認知も一気に広がります。

動画を配信できる媒体も多種多様になっているため、海外ユーザーにもスムーズに情報発信できるでしょう。

プレスリリース

プレスリリースとは、企業がマスコミに対して新商品・サービスの発売や経営に関する新しい情報を知らせるための文書です。海外マーケティングでもプレスリリースを利用して海外メディアに取り上げてもらえれば、膨大な数の海外ユーザーにリーチすることが可能になります。

海外でのプレスリリースを成功させるためには、まずは大きなメディアを狙うのではなく現地のジャーナリストとコネクションを作ったり、ジャーナリストが興味を示しそうな記事を執筆するなどの入念な下準備が重要です。海外の企業でも信頼できることが伝われば取り上げてもらいやすくなります。

また、プレスリリース配信サービスの利用もおすすめです。費用はかかりますが、現地企業と直接提携しているため多くの海外ジャーナリストやメディアに配信してもらえます。翻訳も請け負っているところがほとんどなので、言語に自信がなくても情報を広く発信できるでしょう。

●海外マーケティングで効果的な5つの手法|訪日外国人集客

海外(アジア)向けSNSマーケティング

世界的なSNS利用者の増加に伴い、海外の中でもまずはアジアに進出し、SNSマーケティングに取り組もうとしている企業も多いかと思います。

そこで、ここではアジアの国々で利用されているSNS媒体や海外向けSNSマーケティングの手法・得られる効果についてご紹介します。

世界のSNS利用率

まずは世界のSNS利用率を見てみましょう。

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参照:DIGITAL 2023: GLOBAL OVERVIEW REPORT

順位 SNS 月間利用者数
1位 Facebook 29億5,800万人
2位 YouTube 25億1,400万人
3位 WhatsApp 20億人
3位 Instagram 20億人
5位 WeChat 13億900万人
6位 TikTok 10億5,100万人
7位 Facebook Messenger 9億3,100万人
8位 Douyin 7億1,500万人
9位 Telegram 7億人
10位 SnapChat 6億3,500万人

世界で最も人気のSNSはFacebookで、月間29億人以上の利用者数を誇ります。Facebookは実名制で他のSNSより情報の精度が高いという大きな強みがあり、SNSマーケティングにおいて優位性を持っています。

YouTubeは世界最大の動画サービスということで2位というのも納得ですが、同じく動画サービスのTikTokは比較的新しいSNSであるにも関わらず6位に君臨し、海外でも勢いのあるSNSであることがわかります。SNSマーケティングでも多くの国で優先して取り組むべき媒体と言えるでしょう。

また、日本ではメッセンジャーアプリというとLINEが代表的ですが、海外ではWhatsAppの利用率がかなり高いため、SNSマーケティングの媒体として有力候補と言えます。

海外(アジア)で利用されるSNS媒体

SNSの種類は今や数えられないほど増えていますが、同じアジアでも日本では馴染みのないSNSが利用されていることもあります。効果的なSNSマーケティングを行うためには、まずは対象国でどんなSNSが利用されているのかを把握しておく必要があります。

ここでは、隣国の中国と韓国、インバウンド消費額1位の台湾で人気のSNSをご紹介します。

中国

1位 WeChat
2位 Douyin
3位 Kuaishou
4位 Weibo
5位 Tencent QQ

参照:【2024年最新版】中国SNSランキングTOP8とは?:CROSS BORDER NEXT

中国ではインターネット規制が行われており、Facebook、Instagram、X、YouTubeなど世界で人気のSNSを利用できません。そのため、国内独自の多種多様なSNSがリリースされており、利用者の大半が中国人ということがほとんどです。

中国向けのSNSマーケティングでは、まず各SNSの特性や傾向をしっかりと調査して自社と相性の良いものを見極めることが重要です。

韓国 

1位 KakaoTalk
2位 YouTube
3位 Instagram
4位 X(旧Twitter)
5位 Facebook

参照:DIGITAL 2024: SOUTH KOREA|DATAREPORTAL

最も人気のSNSであるKakaoTalkは韓国を代表するSNSで、通話やチャット、写真や動画の共有ができるメッセンジャーアプリです。韓国に向けてSNSマーケティングをするのであれば必ず押さえるべきSNSです。

また、世界的には利用者が少ないXが4位でFacebookよりも上位になっており、一定のシェアを獲得しているため、韓国ではXも有効な媒体として活用できるでしょう。

台湾

1位 LINE
2位 YouTube
3位 Facebook
4位 Instagram
5位 Facebook Messenger

参照:DIGITAL2024:TAIWAN|DATAREPORTALLINEのグローバル事業がシェアを拡大し続ける理由|LINEヤフー

世界的にも人気のYouTubeとFacebookを抑え、LINEが1位となっています。LINEは日本で最も多く利用されているSNSですが、日本の他に台湾、タイ、インドネシアでも高い利用率を占めています。台湾では人口の約90%がLINEユーザーとなるため、日本以上にLINEの浸透率が高い市場です。

海外向けだからといってLINEを除外するのではなく、上記3か国向けのSNSマーケティングではLINEの運用にも注力すべきと言えます。

海外向けSNSマーケティングの効果

認知拡大

世界中のインターネットユーザーの9割以上がSNS利用者であることから、海外向けSNSマーケティングを行うことで国内に限定した場合と比べられないほど多くのユーザーに認知してもらえる可能性が高まります。

近年は検索エンジンよりも先にSNSを開いて商品やサービスを認知し、SNSに投稿されている口コミを参考にして検討→購入に至るケースが多くなっています。

海外向けSNSマーケティングによってまだニーズが明確になっていない潜在層を掘り起こし、顕在層へと遷移させることでコンバージョンにつなげやすくなります。

ブランディングを図れる

SNSマーケティングでは、テキストのみならず画像や動画を用いて短時間で膨大な情報を伝えることができるため、自社が浸透させたい理想のイメージを海外ユーザーにも持ってもらい、ブランド価値を確立することが可能です。

自社がどんな理念を持っていて、どんな商品を販売していて、どんなニーズに応えることができるのか、SNSマーケティングを通して海外ユーザーに理解してもらうことで他社との差別化につながり、選ばれる企業に成長します。

海外ユーザーとの信頼関係が深まる

従来のマーケティングでは、企業側が一方的に宣伝するだけだったため、押し売りされていると感じて嫌悪感を抱くユーザーも多くいました。しかしSNSマーケティングでは双方向のコミュニケーションが可能です。

そのため、企業はユーザーの反応を受けて感謝の気持ちを伝えたり、今後の商品やサービスの開発、マーケティング運用の改善に役立てます。

海外ユーザーはその姿勢を見て企業をより身近な存在として認識し、評価も高くなります。また、心理的な面での付加価値も高くなるためブランディングにもつながり、海外市場での優位性を見出せるようになります。

海外向けSNSマーケティングの手法

アカウント運用

アカウントの運用は、自社がどんな会社であるのかを伝えるためにも、海外ユーザーとコミュニケーションをとるためにも必要不可欠なマーケティング施策です。

日々の投稿で自社の価値を示し、認知してもらうところから優良顧客になるまで育成し、海外での知名度や好感度を上げていくことができます。

海外企業だからと一線を引くのではなく、現地の言葉で企業側から進んで情報を発信するSNSマーケティングを行い、交流を深めようとする姿勢が海外ユーザーの心を開き、受け入れられるようになります。

インフルエンサーマーケティング

海外向けSNSマーケティングで利益を上げるためにはまず認知度を上げる必要があり、認知度を上げるためには多くのリーチを獲得しなければなりません。

そこで、SNS上で影響力が高いインフルエンサーを起用して商品を紹介してもらうことで認知拡大を図ります。

自社がターゲットとする多くの海外ユーザーから支持されているインフルエンサーに発信してもらえれば訴求力が強まり、逆に広告感は弱まるため興味を持ってもらいやすく、コンバージョン率も上がります。

SNS広告

テキストよりも画像や動画の方が感覚的に伝わるため、良質なクリエイティブで訴求できるSNS広告は海外向けSNSマーケティングにおいて有効な施策と言えます。
 
SNS広告は詳細なターゲティングが可能で、ターゲットの属性や趣味嗜好、ライフスタイルに合わせて広告を届けることができます。
 
最初からアクションを起こしてくれる可能性が高い海外ユーザーに絞って広告を打てるため、費用対効果も高く、広告費の無駄も抑えられます。
 
 

下記の記事ではアジアの中でも日本と関係が深く、海外マーケティングの候補に挙がりやすい韓国と台湾向けに効果的な広告手法について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

●NAVER広告とは?韓国向けPRに最適な広告手法と効果を高めるポイントを解説!

●カカオトーク広告とは?韓国No.1のSNSを活用した広告手法や運用ポイントを解説!

●台湾向け広告に効果的な手法や特徴、運用ポイントを解説!|訪日外国人集客

インバウンド集客とは

インバウンド集客とは、訪日外国人向けにコンテンツを発信して接点を持ち、興味を持ってもらい、商品・サービスの購入や利用に結びつけるマーケティング施策のことです。

そもそも「インバウンド」とは、外から中に入ってくることを指し、現在は訪日外国人客を表す言葉として一般的になっています。

入国規制緩和や緊急事態宣言の終了により訪日外国人が着実に増え続けている今、インバウンド集客に積極的に取り組むことでより大きな利益を生み出せる可能性が広がっています。

訪日外国人数の推移

日本政府観光局(JNTO)によると、2023年1~6月と2024年1~6月のインバウンド数の推移は以下の通りです。

  2023年のインバウンド数 2024年のインバウンド数 伸び率
1月 1,497,472 2,688,478 79.5
2月 1,475,455 2,788,224 89.0
3月 1,817,616  3,081,781 69.6
4月 1,949,236 3,043,003 56.1
5月 1,899,176 3,040,100 60.1
6月 2,073,441 3,135,600 51.2

参照:訪日外国人数(2024 年 6 月推計値):日本政府観光局(JNTO)

2024年の上半期は2023年の同期と比べるとすべての月で50%を超える伸び率を見せています。1~3月に比べると4~6月の伸び率は減少していますが、2023年の3月は緊急事態宣言の終了によってインバウンド数が一気に増加したため、2024年との差が縮まっていると考えられます。

また、2024年6月は3,135,600人となり、2023年同月はもちろん、2019年同月と比べても8.9%の増加となり、単月として過去最高を記録。上半期の累計も過去最高を記録した2019年の同期を100万人以上上回っており、インバウンド市場の盛り上がりはまだまだ続きそうです。

インバウンド集客に効果的な施策

では、インバウンドを増やすためには具体的に何を行えばいいのでしょうか。

ここからは、旅マエ(訪日前)、旅ナカ(訪日中)、旅アト(訪日後)のそれぞれの時期に効果的な施策をご紹介していきます。

旅マエ

旅マエは、とにかく自社の存在及び商品・サービスを認知してもらい、興味をひかなければならないため、少ない予算でより多くの海外ユーザーへの認知を狙えるインバウンド集客を行う必要があります。

◆SNSマーケティング

観光庁の訪日外国人消費動向調査(2024年1-3月期)によると、出発前に役に立った情報源として「SNS」が1位となっています。

近年は検索エンジンよりもSNSを先に開いて情報収集をするユーザーが増えています。認知し、興味を持ち、レビューを見て検討するという、購入に至るまでのプロセスはすべてSNSで完結するというユーザーも少なくありません。

画像や動画がメインのインスタグラムやTikTokなどは伝えられる情報が多く、ハッシュタグや説明欄のテキストに対象国の言語を追加するだけでもリーチできる幅は広がります。

また、SNSと相性の良いUGCやインフルエンサーマーケティングの活用もインバウンド集客に効果的です。UGCでコストを抑えたり、インフルエンサーマーケティングで認知拡大、訪日意欲を刺激してインバウンド集客の効果を高めましょう。

◆動画マーケティング

上記でご紹介した「訪日外国人が出発前に役に立った情報源」で動画サイトはSNSに続き2位という結果が出ており、インバウンド集客ツールとして非常に効果的です。

動画は言葉以外にも様々な表現方法で視覚的に情報を伝えられるため、インバウンド集客にうってつけのツールです。世界最大の動画配信プラットフォームであるYouTubeに動画をアップすることで世界中のユーザーに興味を持ってもらえるチャンスが広がります。

海外ユーザーから高い評価を受けている動画は総じて映像のクオリティが高く、日本語がわからなくても映像を見れば何を伝えたいのかがわかるような見せ方や構成となっています。言葉やテキストの使用は最小限にとどめ、使用する場合は英語で記載するなどの配慮も必要です。

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旅ナカ

訪日外国人の中には、実際に日本に到着してから近くの店舗を検索したり、歩いている途中で気になった店舗に入ってみるという人も多いです。そのため、旅ナカでは自店舗の近くにいる訪日外国人の行動を予測し、興味を持ってもらえるようなインバウンド集客が必要です。

◆屋外広告・交通広告

訪日外国人は空港から目的地に移動し、店舗に入るまでに様々な交通機関を利用し、街中のいろんな場所を目にするため、屋外広告や交通広告はインバウンド集客にぜひ活用したい施策です。

空港のデジタルサイネージ広告や駅の集中貼りポスター広告、電車内の中吊り広告、街中にも街頭ビジョンや看板広告など多種多様な媒体があり、歩いている人の目に留まるようなインバウンド広告を作成することで来店を促すことができます。

自社のビジネスが一目見てわかるような画像や写真とともに多言語に対応したテキストで店舗への誘導文を作成し、多くの訪日外国人の興味をひきましょう。

◆Googleビジネスプロフィールの多言語化

Googleマップは地図サービスアプリとして世界中で最も高いシェア率を誇り、多くの海外ユーザーが日本のユーザーと同じようにGoogleマップを開いて母国語で検索します。

よって、Googleビジネスプロフィールもインバウンド集客に有効なツールとなり、しっかりと多言語対応していれば訪日外国人からの視認性が上がり、来店率及び売上アップにつながります。

訪日外国人の設定言語に合わせて住所、営業時間、口コミなどは自動翻訳してくれますが、ビジネス名、投稿、ビジネスの説明などは自動翻訳されないため、手動にはなりますができるだけ多くの言語で設定し、インバウンド対策をとっておくことをおすすめします。

◆多言語でのコミュニケーション

多くの訪日外国人を集客できたとしても、来店してもらえた際に上手くコミュニケーションがとれなければ満足度は下がり、イメージが悪くなってしまいます。

そこで、複数の言語に対応できるスタッフを配置したり、現スタッフの言語習得に力を入れたり、よく質問される項目はあらかじめ案内として表示しておくなど、実際にコミュニケーションをとれるようにしておくことが訪日外国人の満足度向上につながります。

スムーズなコミュニケーションが可能になれば、信頼関係の構築も可能になり、訪日外国人の感想をダイレクトに聞ける機会も生まれるでしょう。今後のインバウンド集客に活用できるヒントも得られるかもしれません。

旅アト

インバウンド集客は、再訪日や他の海外ユーザーの訪日を促すために旅アトの施策も非常に重要です。満足してもらえるようなサービスの提供は大前提ですが、旅アトでは体験したことを拡散してもらえるような施策が必要です。

◆口コミマーケティング

口コミは、これから店舗を訪れようとしているユーザーにとって価値のある判断材料となり、店舗への信頼性を高めるため、訪日外国人にも口コミを投稿してもらうことでインバウンド集客の成果もグッと上がっていきます。

まずは多くの海外ユーザーが参考にするGoogleビジネスプロフィールやSNSでの口コミ増加を狙いましょう。訪日外国人の口コミが増えれば増えるほど、他の海外ユーザーの判断材料が増え、インバウンド集客の高い費用対効果が期待できます。

最も効果的なのは直接口コミ投稿をお願いすることです。QRコードなどを作成し、各テーブルやレジ横のPOPなどすぐ目に付く場所に設置すると投稿してもらいやすくなります。

●インバウンド集客とは?重要性や訪日外国人客を増やす効果的な施策について解説!

GoogleマップにおけるインバウンドのMEO対策

今後もインバウンドのさらなる増加が予想されるこの状況で売上を上げるためにはMEO対策への取り組みが必要不可欠になってきます。

MEO対策と言えばGoogleマップ運用であり、しっかりと対応できれば自店舗の認知度はより高まっていき、サイテーションの獲得も期待できるでしょう。

ここではインバウンドのMEO対策の重要性やポイントをご紹介していきます。飲食店、小売店、宿泊施設など特にインバウンド対策が必須の業界の方はぜひ参考にしてください。

 

観光庁がGoogleビジネスプロフィールへの対応について言及

インバウンド需要がどんどん高まっている中、「オンライン上で求める情報を入手できない」という課題が出ていました。そこで観光庁はGoogleビジネスプロフィールをはじめとした、旅行者が頻繁に利用するWEBサイトへの情報掲載を徹底するように提言しています。

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参照:I. 旅行者の利便性向上・周遊促進|観光庁

このことからも、インバウンド向けのMEO対策は重要性の高いものであることがうかがえます。

 

インバウンドに向けたMEO対策のポイント

自動翻訳される情報とされない情報がある

Googleビジネスプロフィールでは、自動翻訳される情報とされない情報があるため、そのままにしているとせっかくMEOで上位に表示されてもインバウンドは理解できず、スルーされてしまいます。よって翻訳されない情報は店側で多言語対応する必要があります。

自動翻訳される情報 自動翻訳されない情報
営業時間 ネイティブなビジネス名(店舗、施設名)
住所 投稿
電話番号 ビジネスの説明文
口コミ 商品メニュー

正確には、店舗名は自動翻訳されますが、翻訳が甘く間違った表記で表示されてしまうこともあるため、手動での対応が必要になると言えます。

インバウンドが理解できるよう、英語、韓国語、中国語など各言語で設定しましょう。

多言語キーワードでの検索結果に自分の施設を表示させる

MEOの検索順位は主に「距離」「知名度」「関連性」の3つの要素で決まり、その中でも関連性は大きな割合を占めます。

関連性を高めるためには、投稿機能、商品・サービス登録などが有効です。しかし、これらの項目は翻訳されないため、わかりやすく伝わる表現をする必要があります。

例えば、同じ居酒屋でもIzakaya、Japanese Pubなど様々な言い方があるため、どう表現したらインバウンドにもピンとくるのか考えてから設定しましょう。

多言語キーワードが適切に設定できれば正しい情報がGoogleに伝わり、関連性及びMEO評価の上昇が期待できます。

 

Googleマップ以外のサービスにも対応し、認知度アップを図ろう

Googleマップは全世界で最も利用されていますが、より幅広い層のインバウンドを集客し、MEO効果を高めるためにはGoogleマップの対応だけでは不十分とも言えます。

例えば、中国ではインターネット規制の影響でGoogleマップが使えないため、中国で人気のアプリへの対応が必要になってきます。

また、旅行先の宿泊施設や航空会社の評判も一緒に調べるのであればトリップアドバイザー、美味しそうな飲食店や観光地を探したいならInstagramなど、インバウンドはいろんなサービスを駆使して訪問する場所を決めています。

よって、海外でよく利用されるサービスに幅広く対応していくことで、これまでのGoogleマップ運用では接点のなかったユーザーにリーチできるようになり、サイテーション(自社についての情報をWEB上で言及されること)の増加やMEO効果が高まっていくと考えられます。

 

 

店舗情報を一元管理でき、下記のような認知度の高いグローバルメディアに1クリックで多言語掲載できるYext(イエクスト)というプラットフォームもあるため、このようなツールを利用することもひとつの手段です。

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弊社でもYextの機能を搭載したMEO対策ツール「kuchi ko meet」を扱っています。

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クチコミ・SNS連携・想定来店者分析など《コミコミで集客》をコミット。
Googleマップ集客対策ツール「クチコミート by Jarea Co., Ltd.」

Yext機能はオプションになりますが、小規模な会社でも世界的に有名な多くの媒体と連携し常に新鮮な情報を提供できるため、インバウンドからのサイテーションの獲得・増加が見込めます。

海外マーケティングに取り組みたい、現在のMEO対策の業務効率化を図りたいという方は、お気軽に弊社までお問い合わせ下さい。

●インバウンドのMEO対策方法 集客を増やすポイントとは?

海外マーケティングを成功に導くポイント5選

最後に、海外マーケティングを成功させるための5つのポイントをご紹介します。

国民性や文化の違いを理解しておく

海外マーケティングでは、国民性や文化の違いを理解しておくことが非常に重要です。

国内でも地域によって言葉や文化が違って驚いた経験がある方も多いと思いますが、海外となると「衣・食・住」の文化すべてが違うということも当たり前にあります。どんな生活をしているのか、どんなものが好まれるのか・嫌われるのか、事前に把握しておかなければなりません。

日本では一般的だからと言って海外マーケティングでもそのままの考え方で施策を実施すれば、全く効果がないどころか批判を受け、早々に撤退しなければならない事態に陥ることもあります。

現地で過ごさなければわからないことも多いため、可能であれば海外マーケティング対象国に実際に行ってみて調査することが望ましいですが、難しい場合は現地のパートナー企業と連携してサポートしてもらう必要があります。

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市場調査と分析が要

海外マーケティングにおいては、日本の企業というだけで現地の企業よりも不利な状況に置かれています。国をまたいだ調査が必要になり、ひとつのデータを収集するだけでもかなりの労力がかかります。

特に初めて海外マーケティングに取り組む場合、上手くいくかわからないのに多くのコストをかけたくないという気持ちがあるかもしれませんが、事前調査と分析をどれだけ徹底的に行えるかが海外マーケティングの成功を左右します。

3C分析やSWOT分析を行い、他社と比較した際の優位性やマイナスな影響を受ける外部要因を把握しましょう。海外企業だからこそ攻められる部分や現地の企業だからこそ見落としている部分を見つけ、自社のビジネスとうまく結びつけることができれば、海外ユーザーにも選ばれる企業になり、海外マーケティングが成功しやすくなります。

ネイティブ翻訳でユーザーファーストな文章にする

海外マーケティングでは、様々な広告手法を使って商品やサービスを訴求していきますが、多くの企業が壁にぶち当たる工程が翻訳です。

機械翻訳も年々精度を増していますが、それでもまだネイティブが翻訳した文章に比べると、ぎこちなさが残り、海外ユーザーが読みやすい文章とは言えません。文章に込められた本当のメッセージを受け取ることができなかったり、親しみやすくしたいのに堅苦しくなってしまうなど意図とは反対に伝わってしまうこともあります。

一方でネイティブであれば、「よりわかりやすい表現方法で」「込めた意味を正確に理解してもらえて」「簡潔且つ強い印象を残せるように」翻訳してもらえます。

従って、海外マーケティングにおける翻訳作業はネイティブの人材に依頼することをおすすめします。原文に沿いながらもある程度はネイティブの翻訳者に委ね、ユーザーが瞬時に理解でき、商品やサービスの魅力が伝わる文章を作成しましょう。

国別の広告規制を理解しておく

海外マーケティングで広告を配信する際は、広告に関する規制も国によって違うことを認識しておく必要があります。

例えば、日本では2023年10月1日からステマ (消費者に対して広告であることを伝えずに商品やサービスを発信すること) が景品表示法規制の対象となりましたが、これまでは直接的に規制されることはありませんでした。

一方、海外の多くの国ではすでにステマの規制が行われています。アメリカでは米連邦取引委員会がインフルエンサーに対してステマをしないように警告文を送り、EUの不公正取引方法指令には、いかなる場合にも不公正となる取引方法のリストが設けられています。

国によって様々な広告規制が定められているため、海外マーケティングでは対象国の広告ガイドラインを必ず確認し、法律に違反することのないように進めていく必要があります。

CV獲得後の導線づくりまで一貫して行う

海外マーケティングで施策を実行し、問い合わせや購入などのコンバージョンを獲得しても、その後の導線や社内体制が整備されていないとトラブルが発生し信用低下につながります。
 
慣れないことが多い中で海外マーケティングをスムーズに進めるためにも、リソースの確保は第一優先事項です。海外貿易に詳しい人材を担当者にできれば理想ですが、難しい場合は海外進出を支援している外部企業に依頼することをおすすめします。
 
海外マーケティング対象国の言語に精通した人材や商品を届ける流通経路の確保、発送方法の選定、現地のパートナー企業の発掘や連携、自社で請け負う業務とパートナー企業に任せる業務の振り分けなど、あらかじめ決めておくべきことは山ほどあるため、プロのアドバイスを受けながら進めていきましょう。
 

まとめ

今回は、海外マーケティングについて解説しました。

海外マーケティングが成功すれば、世界中の人々に自社の商品やサービスを知ってもらえ、利益のはるかな向上も見込めますが、そのためには進出したい対象国の市場調査を綿密に行い、その国に合わせて施策を進めていく必要があります。

コストはかかりますが、軌道に乗ればそれだけ成果も大きくなるため、海外マーケティングに精通した企業や現地のパートナーをうまく活用しながら徐々に市場の幅を広げていきましょう。

海外マーケティングついて福岡の広告代理店が解説イメージ10

弊社では、ヒアリングをもとに商品やサービスと顧客ニーズを結び付ける最適な戦略を立て、海外マーケティングをサポートいたします。

海外進出を検討している方も、すでに海外マーケティングに注力しているが成果が出ないという方も、お気軽に弊社までお問合せ下さい。

WRITER / HUM
株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター

株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。