Facebookのユーザー離れから見る、SNSの生存戦略と広告の今後

深刻化するFacebookのユーザー離れ、SNSの生存戦略と広告の今後

「Facebookはもともと、CEOのマーク・ザッカーバーグがハーバード大の仲間と共に作った女子学生を品評するネットコミュニティーでした。発足当初から人権やプライバシーが軽視され、「邪悪」なイメージがつきまとってきました。

そんなもともとの体質が、のちに問題視されることになった事例にことごとく繋がっているのではないでしょうか。」とグーグル日本法人元代表も指摘し、グーグルのかつての行動規範「邪悪になるな」を引きながらFacebookの問題点について語ったそうです。

 

Facebook、SNSのこれから

特に2020年のイギリスのEU離脱の賛否を問う国民投票の際に起きた個人情報の流出や、トランプが米国大統領になった時のフェイクニュースやフェイク広告の反乱は目に余るものでした。Facebook自身の関与や責任も問われ、アメリカでは利用者の不信感が高まり、性別や世代を問わず「Facebook離れ」の一因になっているとのことです。

そんなFacebookは社名をMetaに変更、3次元仮想空間のメタバースに経営資源を集中する方針を打ち出しました。メタバースがこれからのコミュニケーションの鍵になることは間違いないと思われます。世界の大手企業がこの分野の強化に積極的になっています。

woman hand pressing Social Network icon
日本で広く受け入れられたSNSにはLINEが挙げられます。LINE元社長の森川氏は「SNSにはそれぞれ長所と短所があり、ユーザーは使い分けています。スピーディで簡略なやり取りを好むデジタルネイティブ世代に受け入れられたのがLINEといえるでしょう。スマホでの利用に特化し、誰もが使いこなせるメッセージサービスをと、使命感を持って作り上げたものでした」と分析しています。

LINEにはスタンプなどアソビ心があり、そのアソビ心がマネタイズされる一方で、Facebookは広告収入が中心となってしまい国内では利用のされ方もメッセンジャーを使って直接コミュニケーションを取るユーザーも減少、タイムラインに流れる知り合いの投稿を眺めているだけのような使い方に陥っている状況ではないでしょうか。

新聞や雑誌の印刷物がなくならないようにFacebookなどのSNSもなくなることはないと思われますが、ユーザーは絞られていくと思われます。SNSのユーザーについては、登場した年代の世代がそのままユーザーとして残っていくという印象があるのではないでしょうか?

その中でもさらにユーザーは絞り込まれていくと思われますが…。現代の若者がメールやメッセージの書き方に年代を感じるように、丁寧にメールを書く人がビジネスの現場では仕事が遅い人というようなイメージを持たれることも生まれ始めています。SNSでも見て結論がすぐ伝わるコミュニケーションが主流になっていくと思われます。
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広告についても同じことが言えるかもしれません。長文を読むことに慣れている高齢ユーザーと映画やドラマなどのコンテンツを1.5倍速で鑑賞する若年層ではコミュニケーションの手法が変えていかなくてはいけません。

YouTube、TikTokなど動画に日常的に触れて過ごしている世代に対してリーチしコンバージョンしていくにはメディア選定も重要ですが、いかに短時間で興味を引くことができるか、コンテンツ制作が重要になってきます。

情報が溢れている中で自社の情報が生き残っていくためには、様々な努力が必要になっていくと思われます。SNSに載せているだけでは届かない時代がもうそこまで迫ってきているかもしれません。

今年1月には、FBに対し米連邦取引委員会が起こした独占禁止法に基づく告訴が受理され、委員会はFacebookによるインスタグラムの買収とメッセージアプリのワッツアップの買収をともに白紙に戻そうとしているとも言われています。

また、イーロン・マスクがTwitter社の買収というニュースも注目を集めています。今回の買収でTwitterにどのような変化がもたらされるのか。どのような改革がなされるかは不明となっています。

 

SNS広告の今後

少額から運用できるSNS広告。Cookie規制、IDFA変更などが進む中、独自のファーストパーティデータを有するSNSはこれらの影響を受けることなくターゲティングが可能なWeb媒体となります。

Twitterはユーザーの興味関心を基したターゲティングを得意とし、Metaが提供するインスタグラム、Facebookに関しては実名登録というところもありデモグラ情報の正確性により精度の高いターゲティングが可能となります。

BtoCではTwiitwr、インスタグラム、BtoBではFacebook、クーポンなどの連携ではLINEなどターゲットによりSNS広告を使い分ける必要があり、規制とともにユーザーに的確にリーチできる媒体としてさらに注目されるのではないでしょうか。

インスタグラム広告を運用しているクライアント様でFacebook広告に関しては同時配信されていないケースがありこちらに関しては効果的ではなかったり、また動画コンテンツの導入やYouTube広告のターゲティングを行なっての配信など、まだまだ可能性を秘めているSNS広告。Cookie規制後も視野に入れた運用、活用が必要になってくると思われます。

ジャリアではSNS運用、広告運用などご相談受け付けています。コチラよりお気軽にご連絡ください。