インスタグラムにおけるUGC活用方法と増やすポイント
インスタグラム運用を成功させるためには、企業の投稿だけでなくUGCも重要になります。
UGCはユーザー発信のコンテンツであるためコントロールは難しいですが、UGCを増やすことでまだ認知されていないユーザー層にもリーチでき、様々なメリットを享受できます。
UGCを獲得して利益向上を図るために、今回はインスタグラムにおけるUGCの活用法について解説していきます。
目次 インスタグラムでUGCを増やすためのポイント |
UGCとは
UGCとは、「User Generated Content」の略称で、ユーザーが生み出すコンテンツのことを指します。SNS上でのテキストや画像の投稿はもちろん、ブログ記事、飲食店や美容院に行った際に投稿される口コミ、ECサイトに投稿される感想など、特定の企業についてユーザーが自分から発信したコンテンツはすべてUGCとなります。
インスタグラムにおけるUGC
インスタグラムにおけるUGCとは、フィード、ストーリー、リールに投稿されるユーザー発信のコンテンツのことです。
インスタグラムは質の高い画像や動画が投稿されることが多く、視覚的に訴求することが可能です。テキストの何倍もの情報量と質の高いクリエイティブによって、見た人の購買意欲を高めます。
また、その特徴からインスタグラムのUGCは料理やファッション、コスメ、旅行、不動産など「映える」商材との相性が良いと言えます。
口コミは現代人の購買行動において重要な要素になっているため、特にコンバージョンにつながりやすいインスタグラムではUGCを積極的に活用する企業が増えています。
インスタグラムでUGCが重要な理由
インスタグラムでUGCが重要な理由を、より詳しく見ていきましょう。
購買プロセスの変化
これまでは消費者の購買行動のプロセスとして「AIDMA」や「AISAS」などが代表的でしたが、SNSが普及した現在は「VISAS」や「ULSSAS」が新しい購買行動プロセスとして提唱されています。
購買行動プロセス | 意味 | |
従来 | AIDMA | 認知・関心・欲求・記憶・行動 |
AISAS | 認知・関心・検索・行動・共有 | |
現在 | VISAS | 口コミ・影響・共感・行動・共有 |
ULSSAS | UGC・Like・SNS検索・Google/Yahoo!検索・購買・拡散 |
例えばULSSASを説明すると、「UGCが投稿される→いいねをする(好感を持つ)→SNSで調べる→検索エンジンで調べる→購入する→SNSで拡散する」というサイクルになります。
従来はマス広告やWEB広告を通してユーザーに認知され関心を持ってもらう流れでしたが、情報に溢れた現在は、公式から発信された情報よりも身近な存在である消費者がSNS上で発信する情報のほうを信頼するユーザーが増えています。
何よりも先にSNSを開き、消費者のUGCを見たうえで購入するかしないかを決定するため、インスタグラムを含むSNSマーケティングにおいてUGCの獲得は必要不可欠となっているのです。
ユーザーはUGCに大きく影響される
株式会社Letroが購買行動におけるUGCの影響度を調査した結果によると、ネット通販で商品を検討する際、口コミやレビューをチェックするユーザーは88.5%に上り、かなり多くの人がUGCを参考にしていることがわかります。
引用:【2022年】購買行動におけるUGC影響度調査結果を公開!生活者の購買行動においてUGCはどれほど重要なのか?:Letro
また、実際に手に取って見ることができる小売店で商品を検討する際も、70%のユーザーが口コミやレビューをチェックすると回答しています。
引用:【2022年】購買行動におけるUGC影響度調査結果を公開!生活者の購買行動においてUGCはどれほど重要なのか?:Letro
この結果からも、どんな媒体を利用しようと、どこで商品を購入しようと、ユーザーの意思決定にはUGCが強く影響していることがわかります。ビジュアルで訴求し、ショップ機能もあるインスタグラムでは、UGCの獲得に向けて施策を打っていくことでさらなる利益向上が見込めます。
UGCは購入のきっかけを作る重要な存在
ユーザーはUGCを見て購入するだけでは終わらず、購入したものをSNS上でシェアするため、また新たなUGCが生まれます。そしてそれを見たユーザーが購入するという流れになり、VISASやULSSASは止まることなくループします。
このように、現代のマーケティングにおいてUGCはコンバージョンを獲得して企業の利益を上げるためのきっかけを作る重要な役割を担っています。よって、視覚からダイレクトに訴求してユーザーの購買意欲に大きな影響を及ぼすインスタグラムでの活用が特に有効と言えるのです。
インスタグラムでUGCを活用するメリット
インスタグラムでUGCを活用することには、以下のようなメリットがあります。
フォロワー以外にも認知してもらえる
インスタグラムでUGCを活用することで、フォロワー外のユーザーにも認知してもらえます。
インスタグラムで発信した投稿は、基本的にフォローしてくれているフォロワーにしか届きません。もちろん、発見タブに表示されればフォロワー外のユーザーにも見てもらうことはできますが、発見タブに表示されるには保存数増加に向けてあらゆる工夫を施す必要があり、容易ではありません。
しかし、フォロワーに自社の商品に言及した投稿(UGC)をしてもらえれば、フォロワーのフォロワーにまでリーチでき、自社の商品の存在を知ってもらうことができるのです。
また、フォロワーのフォロワーも親和性が高い可能性が高いため、購買意欲が刺激されコンバージョンにつながりやすい点もインスタグラムでUGCを増やす大きなメリットと言えます。
コストを抑えられる
インスタグラムでUGCを活用することで、運用コストを抑えられます。
インスタグラム運用において、最も手間がかかる工程はなんと言ってもコンテンツ作成です。画像や動画、テキストなどのクリエイティブを用意するにはいろんな人を巻き込みます。
企画から作成、投稿、効果測定を実行しながらユーザーの反応を見て改善を繰り返す必要があり、どうしても運用コストが高くなってしまいます。
また、インスタグラム運用では継続したコンテンツ発信が必須となりますが、コンテンツのネタやクリエイティブ作成におけるリソース不足に悩む企業も多いです。
そこで、UGCを活用すれば自社がコンテンツを作成せずとも商品やサービスの宣伝ができます。
ユーザーは思い思いに自社の商品やサービスを使った感想を投稿してくれるうえ、インフルエンサーともなればインスタグラムにおける魅力的な伝え方もわかっているため、運用コストを大幅に抑えながら質の高いコンテンツの継続的な発信が可能になります。
商品の企画案として利用できる
インスタグラムでUGCを活用することで、商品の企画案の幅が広がります。
ユーザーは消費者という立場から、企業が思いつかないような視点で商品を評価します。
インスタグラムのUGCの中には「○○の機能がとても便利」「デザインがかわいい」などポジティブなレビューもあれば、「ここが○○だったらもっと使いやすい」「思ったより効果を感じなかった」など、改善を求めるネガティブなレビューが投稿されることもあります。
ポジティブなレビューは言及されている部分を前面にアピールしていけばより大きな成果が見込めるでしょう。ネガティブなレビューは貴重な意見として今後の改善に役立てることで、より良いインスタグラム・マーケティング運用につながります。
好感度を高められる
インスタグラムでUGCを活用することで、企業に対する好感度を高められるというメリットもあります。
企業のインスタグラムアカウントからUGCをリポストする際は、掲載許可をとるためにユーザーにメッセージを送ります。企業から直接メッセージが来るという状況はユーザーにとってあまりなじみがないため強く印象に残り、さらにその企業が自分が言及した商品やサービスを販売している企業であれば嬉しく感じるでしょう。
「とても魅力的で素敵な投稿だからリポストしたい」という旨と感謝の気持ちを伝えることで、ユーザーからの好感度と信頼度は向上します。
このインスタグラム上でのユーザーとのやりとりはUGCがなければ生まれていないコミュニケーションであり、信頼関係を築くきっかけになります。メッセージをもらったユーザーはこれまで以上に企業に対して良いイメージを持つようになり、2回目、3回目と再度リポストされるように継続して魅力的なUGCを作成してくれるようになります。
インスタグラムにおけるUGCの活用方法
インスタグラムのUGCにはいろんな活用方法があります。
UGCのリポストのみで運用する
インスタグラムでは、自社アカウントのプロフィール欄にUGCをリポストすることを記載することで、UGCのリポストのみで運用することが可能です。ユーザーはリポストされるために魅力的なコンテンツを発信し、認知拡大に貢献してくれます。
インスタグラムの運用担当者は日々のコンテンツの企画に頭を悩ませ、クリエイティブの作成に苦労していますが、UGCのみで運用できればその悩みは解消できます。
しかし、あくまでユーザーが作成するため、必ずしも自社が意図するような内容が発信されるわけではないことを認識しておく必要があります。
WEBサイトに掲載する
インスタグラムのUGCはWEBサイトに掲載することも効果的です。
ECサイトやランディングページに「お客様の声」や「口コミ」としてインスタグラムのUGCを掲載すれば、ユーザーはすでに商品やサービスを利用しているユーザーがいるということ、そしてどんな感想を持ったのかを知ることができます。
また、インスタグラムのUGCは画像や動画で投稿されるため、見る人にもわかりやすく伝わり、安心感が生まれます。
ときには企業が自ら宣伝するよりも、同じ消費者の立場で感じたことを発信しているUGCの方が信頼してもらえるため、購買意欲を刺激してコンバージョンを獲得しやすくなります。
広告素材にする
インスタグラムのUGCは広告の素材としても活用できます。
現在はWEB上に膨大な量の広告が溢れているため、広告感が強いものは嫌悪感を抱かれやすくなっています。
一方、インスタグラムのUGCは質の高いものが多く、ユーザー目線で作られているため広告感が薄れることに加え、嘘っぽさがなく、信じてもらいやすいというメリットがあります。広告を見て最初に感じる拒否感がなくなることでフラットな状態で見てもらえ、コンバージョン率の上昇も期待できます。
インスタグラムでUGCを増やすためのポイント
インスタグラムでUGCを獲得するために、下記のようなポイントを押さえておきましょう。
ユーザーとコミュニケーションをとる
インスタグラムでUGCを獲得するためには、ユーザーとの接点を作り、コミュニケーションをとることが重要です。
インスタグラムの投稿について「○○はどのようになっていますか?」などの質問があれば、わかりやすいように返信したり、「購入しました!」などのコメントには感謝の気持ちを伝えたりとコミュニケーションをとることで好感度がアップし、UGCを投稿しようという気持ちにさせることができます。
また、インスタグラムでのやりとり以外でも、商品を購入してもらったらメールで感謝の気持ちを伝えたり、サービス強化のためにUGCの投稿をお願いすることも効果的です。
ただ待っていてもUGCは増えないので、信頼関係を深めながらアクションを起こしてもらえるように呼びかけましょう。
ハッシュタグキャンペーンを実施する
インスタグラムでUGCを獲得するためには、ハッシュタグキャンペーンを実施してUGCを投稿したくなるように誘導しましょう。
自社が独自に設定したハッシュタグを付けてインスタグラムに投稿してくれたユーザーには、抽選でプレゼントが当たるキャンペーンを実施することで、フォロワー以外も含めた多くのユーザーに参加してもらえます。短期間で集中的にインスタグラムのUGCを獲得したい場合に非常に効果的な方法です。
また、プレゼント企画とともにハッシュタグをつけた投稿はリポストする旨も記載することで、プレゼントに興味があるユーザーに加えてリポストされたいユーザーの参加も増やすことができます。
ハッシュタグが長いと覚えにくく、打ち間違ってしまうユーザーも出てくるため、できるだけ簡潔に覚えやすいものを設定しましょう。
親和性が高いインフルエンサーを起用する
インスタグラムでUGCを獲得するためには、インフルエンサーの起用も効果的です。
自社と親和性の高いインフルエンサーを選定できれば、これまでリーチできなかったフォロワー層にまでリーチすることが可能です。
インスタグラムのユーザーは、憧れのインフルエンサーなど好感や信頼を寄せている人たちを多くフォローしています。そんな信頼しているインフルエンサーがある商品について好意的に言及していれば説得力が増して「本当に良い商品なんだ!」と思ってもらえます。
フォロワーは最初から自社に好印象を持ち、インフルエンサーと趣味嗜好が似ているため興味を持ってくれる確率も高く、インスタグラムからそのまま自社サイトへ遷移→購入の流れを作りやすいです。
適切なインフルエンサーを探す手間や依頼料がかかりますが、確実に認知度は上がります。インフルエンサー自身の言葉で発信してもらうことでフォロワーの共感が得られ、ポジティブなUGCの増加が期待できます。
まとめ
今回は、インスタグラムにおけるUGCの活用法について解説しました。
インスタグラムに限らずUGCはユーザーと同じ立場の人々が発信するため、説得力や信頼感が高く、コストを抑えながら認知拡大を図れる効果的なマーケティング手法です。
インスタグラムはビジュアルで訴求できるため、UGCを獲得できればコンバージョンにつながる可能性がさらに高まります。ユーザーがアクションを起こしたくなるように工夫しながらUGCを増やしていきましょう。
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WRITER / HUM 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。 |
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