アドレサブル広告とは?今注目のCookieに依存しない広告配信手法を解説

Cookieに依存しないアドレサブル広告について解説

WEB広告の費用対効果を高めるために、リターゲティング広告を配信している企業は多いかと思います。

しかし、個人情報保護法の改正によってCookieが規制対象となり、ユーザーの情報収集やターゲティング設定に苦戦している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アドレサブル広告は、そんな状況でもコンバージョン率アップを狙える効果的な手法です。

今回は、アドレサブル広告についてメリットや活用方法などを含めて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

目次

アドレサブル広告とは

アドレサブル広告のメリット

アドレサブル広告の配信手順

アドレサブル広告の活用方法
効果的なアドレサブル広告配信媒体

まとめ

 

アドレサブル広告とは

アドレサブル広告とは、自社が保有している顧客データを活用し、特定のユーザーに配信する広告のことを指します。CRM(顧客管理システム)で収集したデータを使用するため、CRM広告と呼ばれることもあります。

アドレサブルとは、アドレスを指定できる、つまりユーザーを特定できるという意味で用いられます。顧客の行動・購買履歴に基づいて、不特定多数のユーザーではなく確度の高いユーザーに絞ってアプローチできるため、広告効果を高めやすいという特徴があります。

他社は持っていない自社ならではのデータを活用するため、広告の内容にも幅を出しやすく運用しやすいという面もアドレサブル広告の強みと言えます。

Cookie規制が強化されている現在は、Cookieデータではなく自社保有のデータを活用するアドレサブル広告の運用が注目されています。

アドレサブル広告とリターゲティング広告の違い

アドレサブル広告はリターゲティング広告と混同されることが多いですが、両者は別物です。

リターゲティング広告は、過去に自社サイトに訪問したことのあるユーザーに対して再度広告を表示させるものです。

みなさんも、あるサイトを訪れた後に他のサイトやSNSでそのサイトの広告を見たことがあるかと思います。1度でも訪問してもらえればCookieデータを利用してユーザーを追跡し、購入する機会を創出します。

一方、アドレサブル広告はCookieではなく自社のCRMデータを利用します。すでに購入してくれたユーザーを対象に、何をいつ購入したのかという詳細なデータを把握し、広告を配信できるのです。

よって、アドレサブル広告はリターゲティング広告よりもターゲティング精度が高くなり、より刺さる広告作成と適切な配信設定が可能になります。

アドレサブル広告のメリット

アドレサブル広告には以下のようなメリットがあります。

アドレサブル広告のメリット① 費用対効果の高い広告配信が可能

アドレサブル広告は自社が独自に収集している顧客データをもとに配信します。

すでに自社で購入しているという強いつながりを前提として、コンバージョンが発生した日時や頻度、商品情報など行動履歴を細かく把握でき、コンバージョンを再度発生させるためのアプローチが可能です。

そのため、アドレサブル広告を活用すれば、多くの工数をかけて外部データを収集し、試行錯誤しながら自社に興味を持ってくれそうなユーザーをターゲティングする必要がなくなります。

例えば、興味を示すかわからない未知数のユーザー100人に配信するよりも、購入歴がある自社の顧客50人に配信した方が費用対効果は高いと予測できますよね。

アドレサブル広告はその独自性と詳細性によって可能性が高いユーザーに的を絞り、ひとりひとりに合った最適な広告配信を可能にします。

アドレサブル広告のメリット② Cookie規制の影響を受けにくい

アドレサブル広告は、Cookie規制の影響を受けにくいというメリットもあります。

Cookieとは、WEBサイトを訪問した際にスマートフォンやPCに一時的に保存される情報ファイルのことです。

ユーザーIDやパスワード、会員情報、訪問日時、訪問回数、購入商品など様々な情報がCookieに保存されます。

スムーズな回遊や表示する広告のカテゴライズに便利なCookieですが、2022年4月から個人情報保護の観点からCookieを規制する動きが強化され、ユーザーを特定することが難しくなっています。それに伴い、Cookieを活用した配信方法では配信効果を高めにくい状況です。

一方、アドレサブル広告は自社のCRMデータを使用するためCookie規制の影響を受けにくく、蓄積したユーザーデータを最大限に活用して配信効果を高めることができます。

Cookieに依存しないアドレサブル広告について解説2

アドレサブル広告の配信手順

アドレサブル広告の配信手順は、以下の通りです。

  1. 顧客データをリスト化する。
  2. リスト化したデータを暗号化通信で配信媒体にアップロードする。
  3. 媒体が暗号化されたデータをもとに最適なユーザーをリスト化する。
  4. 3で作られたリストをもとに配信設定を行う。

2の工程でアップロードするユーザー情報は暗号化されたうえでデータベースに保管され、広告配信の際もハッシュ化されるため、アドレサブル広告では情報漏洩の心配もありません。

アドレサブル広告の活用方法

アドレサブル広告は、既存顧客にも新規顧客にも有効な広告です。ここではアドレサブル広告の活用方法をご紹介します。

アドレサブル広告活用方法① 既存顧客の掘り起こし

アドレサブル広告では、長期間蓄積された顧客データを使います。高い頻度で購入してくれる優良顧客だけでなく、一定期間以上訪問・購入していない休眠顧客のデータも保存されているため、すべての既存顧客に向けて広告配信が可能です。

優良顧客には新商品のリリースに合わせてお得に購入できるクーポン獲得のためのアドレサブル広告、休眠顧客には再訪問すると○%割引で購入可能なキャンペーンを案内するアドレサブル広告など、リピート購入や再訪問を促すような効果的なアプローチを実施できます。

また、DMやメルマガなどの開封率が低い場合でも、アドレサブル広告であれば自然と目につく可能性が高いため、利益につながりやすくなるでしょう。

アドレサブル広告活用方法② 新規顧客の獲得

アドレサブル広告は、新規顧客の獲得にも役立ちます。

CRMデータをもとに、既存の有料顧客と類似したユーザーを分析できるため、新規顧客と言っても「確度の高い」新規顧客にアドレサブルを広告を打てます。

すでに興味や愛着を持ってくれているユーザーデータがあるというのは大きな武器となり、「どんなユーザーが興味をもってくれるのだろう」と一から市場調査をしなくても、最初からコンバージョン率の高いターゲティング設定と新規顧客獲得が可能です。

効果的なアドレサブル広告配信媒体

ここでは、アドレサブル広告配信に効果的な媒体をご紹介します。各媒体の特性を理解し、自社に適した媒体を選びましょう。

LINE広告

LINE広告にはオーディエンス配信という機能があり、ユーザーの行動データに基づいて、すでに接点のあるユーザーに絞った広告配信が可能です。

アドレサブル広告ではLINE公式アカウントの友だちデータを利用したターゲティングも可能で、友だち追加されているユーザーだけでなく、ブロック中の友だちにも配信できます

LINEは国内の利用率80%を超え、日本で最も利用されているSNSです。ユーザー層も偏りがなく、老若男女問わず利用されているため、幅広いユーザーの中からコンバージョンにつながりやすいターゲットを狙えます。

あらゆる属性でセグメントして、関連性が高いターゲットに絞って配信できるオーディエンスセグメント配信や、コンバージョンしたユーザーに類似しているユーザーをLINE内で探し、確度の高い新規顧客に向けて配信する類似配信機能もあり、詳細なデータを収集できるLINEだからこそできる費用対効果の高いアドレサブル広告配信が期待できます。

Googleカスタマーマッチ広告

自社が保有する顧客データとGoogleが保有する顧客データを照合し、マッチしたユーザーをリスト化して広告を配信することが可能です。

Googleは世界最大の検索エンジンであり、Google検索やGmail、YouTubeなど様々なGoogle関連サービスに出稿できるため、自社に合ったアドレサブル広告の配信先を選択でき、尚且つ実際にターゲットとなるユーザー数も確保できるでしょう。

Facebookカスタムオーディエンス広告

自社の顧客データとFacebookのユーザーデータを照合し、マッチするユーザーに広告を配信することが可能です。

Facebookは実名で登録を行うだけではなく、生年月日や居住地域、勤務先や趣味までも登録することができ、ターゲティング精度が高い点が強みです。媒体としての信頼性も高いため、BtoB企業のアドレサブル広告配信に適していると言えます。

Instagram広告

InstagramはFacebookと連携しているため、Facebook上で登録されたユーザーデータをもとに詳細にターゲティングを設定できるというメリットがあります。

また、他のSNS広告と比べて画像や動画投稿がメインとなり、テキストよりもわかりやすく魅力を伝え、強烈な印象を残しやすい点も強みです。

若年層向けのイメージがあるかもしれませんが、近年は40代・50代の利用率も若年層に劣らず、幅広い年代で多くのユーザーが利用してる媒体です。

一般の投稿に違和感なく溶け込み、デザイン性の高いアドレサブル広告を打てるため、ブランディングにも最適です。

まとめ

今回は、アドレサブル広告について解説しました。

Cookieを使わずCRMデータを使うアドレサブル広告は、すでに多くの企業が取り入れている手法であり、今後のWEBマーケティングに必要不可欠とも言えます。

広告の無駄打ちを減らしつつ、コンバージョン数を増やせるという大きな強みを持つアドレサブル広告を活用して、既存顧客・新規顧客へのアプローチを強化していきましょう。

Cookieに依存しないアドレサブル広告について解説3

ジャリアでは、ヒアリングをもとにサービスや商品と顧客ニーズを結び付ける、最適なWEBマーケティング戦略をご提案します。

自社データを活用してアドレサブル広告の効果を高めたいという方は、お気軽に弊社までお問い合わせください。

WRITER / HUM
株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター

株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。