快適なイラスト制作のためのパソコンスペックと機材ガイド

パソコン売り場に行けば、沢山のパソコンが並んでいます。
何十万円もするゲーミングパソコンから数万円で買えるエントリーモデルなど価格だけみても幅が広く、実際にイラスト制作用のパソコンを買うとなるとどれを選べばいいのかわからない、ということもあるのではないでしょうか。

判断の基準となるのは、「用途」と「機能」そして「スペック」です。

今回は、イラスト制作のための最適なパソコンの選び方について解説していきます。

目次

WindowsとMac、どちらを選ぶか。

タブレット、スマートフォンで描く。

イラスト制作するために必要なスペック

あると便利なパーツと周辺機器

レンタルサービスの活用

まとめ

 

WindowsとMac、どちらを選ぶか。

「WindowsかMacか」

これはクリエイター間でも度々論争になっている問題で、未だに結論は出ていません。

ですがこの状況は逆に、「結論が出ないということはどちらでも構わないということ」というのが今のところの結論であるともいえます。

実際、イラスト制作をおこなう上でどちらのほうのパソコンが向いている、と言い切れるような性能の片寄りはありません。
主流のイラスト制作ソフトや周辺機器も、どちらにも対応しているものがほとんどです。
ですが『ペイントツールSAI』など、一部ソフトではどちらかのOSにしか対応していないものあるので、自分が使用するイラスト制作ソフトがそのOSのパコンで使えるかどうかは確認しておきましょう。

WindowsとMacはキーボードのキー配列や基本的な操作性が全く違います。

どちらも対応しているソフトを使用するのであれば、慣れているOSが載ったパソコンを使うのが最適解です。

イラスト制作のためのPCスペックとイラスト制作のしやすさ

 

タブレット、スマートフォンで描く

イラスト制作ソフトの多くは、タブレットやスマートフォンでも利用可能です。

日常的に持ち運びができ、どこでもイラストを描くことが出来る、というのが最大のメリットになります。クラウド機能のあるイラスト制作ソフトであれば、タブレットで制作途中のイラストをパソコンから仕上げる、なんてことも可能です。

また、直接ペンや指で描き込むため、別途ペンタブレットを用意する必要もありません。

デメリットは、お手軽さゆえにパソコンよりも性能が低い、という点です。
携帯アプリ版はパソコン版に比べると機能も限られていますし、処理能力にも限界があります。画面も小さくて描きにくいので、精密な描画には向いていません。

イラスト制作のためにイラスト制作に耐えるスペックを2

イラスト制作するために必要なスペック

イラスト制作を快適に行うためには、具体的にどれくらいのスペックのパソコンを選べばいいのでしょうか。

例として、代表的なイラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」が公開しているWindowパソコン版の動作環境を見てみましょう。

OS    Windows 10、11(64bit)
CPU    SSE2に対応したIntel、AMD製CPU
メモリ    2GB以上のメモリ必須、8GB以上推奨
GPU    OpenGL 2.1に対応したGPU
ストレージ    3GB以上の空き容量のあるストレージ

ハードルとしては低いようにも思えますが、これはあくまでも、このソフトが起動する(動くことを保証する)最低限のパソコンスペックです。
つまり「快適に」「すべての機能を使う」ためには、もっと上のスペックのパソコンを用意する必要があります。

イラスト制作のためにイラスト制作に耐えるスペックを

CPU

CPUとは、「central processing unit」の略称です。

「プロセッサ」や「マイクロプロセッサ」と呼ばれることもあります。

「中央処理装置」の名の通り、パソコンの頭脳であり基本的な性能を決定づける重要なパーツです。

周辺機器やソフトウェアからくる指示は一度CPUで処理され、実行します。
そのためCPUの処理が早ければ、それだけパソコンが快適に動く、ということです。

CPUにはIntelのCore iシリーズとAMDのRyzenシリーズがあります。
現在のCPUの最上値はCore i9(intel)、とRyzen 9(AMD)ですが、イラスト制作という用途においてはそこまでの能力は必要ではありません。
一般的なパソコンではCore i7、Ryzen 7からが高性能CPUとしてハイエンドモデルのパソコンに搭載されています。

それでは、イラスト制作においての正解はどれなのでしょう。

正解は、Core i5、Ryzen 5。こちらが最低限欲しいCPUのスペックとなります。パソコンとしては、ミドルレンジに位置するモデルです。

イラストや漫画を制作する際には、高解像度のレイヤーを複数枚使用することになります。
レイヤーを多く重ねることで大きな負荷がかかるため、パソコン本体のCPUの処理能力もある程度高くなければいけません。

上記はあくまでも最低値なので、できればCore i7、Ryzen 7のCPU搭載パソコンを選んだほうが、より快適に作業をすることができます。

イラスト制作のためにイラスト制作に耐えるスペックを3

メモリ

Random Access Memory(RAM)は、パソコンの中の、データを記録するための部品です。
データを記録、保管する場所は後述の「ストレージ」であり、こちらあくまでも一時的な保管場所となります。

「倉庫(ストレージ)にいちいち行くのは遠いので、とりあえず手の届きやすい場所(RAM)に置いている」というイメージです。

この場所の容量が多いほど、倉庫へと足を運ぶ手間が省けます。
逆に少ない置き場所がなくなり、わざわざ倉庫に持っていかなくてはいけなくなるため待ち時間が発生するという仕組みです。

様々なソフトや複数のブラウザを開けば、保管場所を逼迫するためパソコンの動作は重くなります。

イラスト制作ソフトを使用する場合、パソコンのメモリは最低でも16GB。負荷の多い複数のソフトを使用したり、高解像度のイラスト作品を制作する場合は更に上の32GB以上あると安心です。

イラスト制作のためにイラスト制作に耐えるスペックを4

ストレージ

ストレージとは、パソコンのデータを長期保存するための部品です。
メモリは「一時的な」保管場所であり、電源を切ると消えてしまいますがストレージはあくまでもパソコンの「倉庫」です。電源を切ってもデータはパソコンの中にそのまま保存されています。

ストレージは「倉庫」なので、大量のデータを保管できます。ストレージの容量はそのまま、パソコン内で保管できる荷物の量です。

容量が大きければ大きいほど、保存できる画像やデータは多くなります。

ストレージには、ハードディスクドライブ(HDD)とソリッドステートドライブ(SSD)があります。

HDDは大容量な割に比較的安価で、長期間の保存にも向いています。
デメリットとしては、データの読み込み、書き込みに時間がかかることがあげられます。衝撃にも弱いので、物理的なダメージが入らないよう慎重に扱う必要があります。

それに対しSSDは、データの読み書きが高速で行われます。半導体メモリを使用しているため衝撃にも強く、静かです。ただしHDDに対し価格が高い、というデメリットがあります。

イラスト制作ソフトを導入する際には、ストレージはSSD、容量は256GB以上のパソコンを選ぶようにしましょう。

イラスト制作のためにイラスト制作に耐えるスペックを5

あると便利なパーツと周辺機器

イラスト制作ソフト使用を前提としたパソコンの「推奨」スペックをまとめると、以下のようになります。

CPU  / Intel® Core™ i5、AMD Ryzen™ 5(できればIntel® Core™ i7、AMD Ryzen™ 7以上)

メモリ/16GB以上(できれば32GB)

ストレージ/SSD256GB以上(HDDなら1TB)

これだけのスペックのパソコンであれば、さくさくと制作を進めることが出来るでしょう。

ですが他にも、作業を快適にしてくれるおすすめのアイテムがあります。

 

GPUとグラフィックボード

GPUとは、Graphics Processing Unit(映像処理装置)の略で、映像処理を専門に行う部品のことをいいます。
GPUには「内蔵GPU」と「単体GPU」があり、内蔵GPUはCPUなどのパソコン内のパーツに内蔵されています。
最近のパソコンにはGPUが内蔵されているものが多いので、パソコン購入の際にGPUを気にすることはあまりありません。
内蔵GPUでも動画鑑賞や軽いイラスト制作が出来るくらいの能力は備わっています。

しかしGPUの性能はそのまま、画質と処理速度に比例します。
特にデザイン、動画編集、3Dモデリングなどは高度なグラフィックス処理が必要になるため、内蔵CPUでは「足りない」と感じることも出るでしょう。

そこで必要になってくるのが、「単体GPU」、「グラフィックボード」です。
単体GPUとは、パソコンの内蔵GPUだけでは性能が足りない場合やGPUを搭載していないパソコンに使用する追加パーツのことです。
グラフィックボードと呼ばれる拡張ボードに単体GPUと冷却ファンを載せ、パソコン本体に設置します。
 
単体GPUは内蔵GPUよりも高性能です。グラフィックボードを追加することで、高負荷の作業においても快適なイラスト制作が出来るようになります。
 
このようにあればうれしいグラフィックボードですが、使用するには注意点があります。
 
第一に、値段です。映像処理を担当するパーツであるため高価なものが多く、高いものでは10万円を超えてしまいます。また、消費電力がとても多いため、電気代に影響します。グラフィックボードが冷却ファンを搭載しているのは、消費電力が多く熱を持ちやすいからです。
 
通常のイラスト制作であれば、グラフィックボードは必ず必要なものではありません。
ですがより快適さを求めるならば、デメリットを上回る効果は十分にあります。
イラスト制作のためにイラスト制作に耐えるスペックを6
 

左手デバイス

左手デバイスとは、左手で様々な入力作業が行えるようになる補助アイテムです。
キーやスティックによく使うショートカットコマンドを登録しておけば、右手に持ったマウスやペンを手放すことなく左手で作業を行うことが出来ます。

「設置場所に困る」という声もありますが、左手デバイスには作業速度の向上、手の負担の軽減といった効果があります。

イラスト制作は長時間作業です。効率を上げること、身体の負担を軽くするための工夫は、必要不可欠といえるでしょう。

なお、左手デバイスを購入する際は必ず対応している機種やOSを確認するようにしてください。
左手デバイスの中には限られた環境でしか使えないモデルがあります。
特にiPadでの使用を考えている場合、iPadのOSに対応する左手デバイスが少ないので注意が必要です。

イラスト制作のためにイラスト制作に耐えるスペックを7

レンタルサービスの活用

パソコンやタブレットは、安い買い物ではありません。
特にイラスト制作ソフトを使用する場合、「お値段なり」の使用感となることが多く高額になりがちです。
失敗しないためにも、きちんと使用感を確かめてから購入したい。そういう時に便利なのが、レンタルサービスです。

ネットで申込ができ、郵送で届き、返す時も郵送で返すので、大変お手軽に利用できます。

パソコンは精密機器で、情報を吸い上げる箱でもあります。そのため、レンタルという手段に抵抗を感じる方もいるでしょう。

ですが、気になるパソコンを買う前に、実際の作業環境で使ってみる。そうすることで見えてくる問題もあります。逆にそのパソコンの魅力を知ることが出来れば、納得した状態でお金を支払うことが出来る。これは大きな魅力ではないでしょうか。

こちらが、パソコン、タブレットを取り扱っている代表的なレンタルサイトになります。

○モノカリ!
https://monocari.com/

○Rentio
https://www.rentio.jp/

パソコンのスペックやサイズ感はインターネットで調べることはできますが、実物を見て、触ることでしかわからないことは多々あると思います。
便利なサービスを利用して、後悔のない選択をしましょう。

まとめ

イラスト制作用のパソコンを選ぶ際は、作業内容にあったスペックのものを選ぶことが重要です。
価格が安いからとスペックぎりぎりのパソコンを選んでしまうと、作業効率とクオリティの低下を招きます。
かといって作業に不相応なオーバースペックのパソコンを選ぶのは、性能を持て余し、結果としてかけたコストを無駄にしてしまうことになるのでお勧めできません。

用途、機能、スペック。それぞれをきちんと比較検討し、最適なパソコンを選び快適な作業環境を作り上げましょう。

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WRITER / koma
株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター

株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。