採用力を高めるショート動画制作|求職者の心を動かす映像表現とは

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いま、採用市場では「ショート動画」を活用した情報発信が急速に広がっています。求人票やパンフレットだけでは伝わらない職場の雰囲気や社員の表情を、わずか1560秒の動画で直感的に見せることで、求職者の理解と共感を一気に高めることができるのです。 

特に、Z世代やミレニアル世代の求職者は、情報収集の多くをSNSYouTubeに依存しています。企業の公式サイトを見る前に、InstagramのリールやTikTokの動画で「働くイメージ」をチェックするケースも珍しくありません。つまり、採用動画は「応募前に企業を知る入口」として、もはや欠かせない存在になってきているのです。

さらにショート動画には、短い時間で強い印象を残せるという特徴があります。合同説明会やオンライン説明会のように限られた時間で多くの学生や求職者にアピールする場面でも、数十秒で企業の魅力を凝縮して伝えられるのは大きな武器です。 

しかし、ただオフィス風景を撮影して短く編集するだけでは効果は得られません。求職者が「ここで働きたい」と心から思えるようにするには、動画の構成や演出を戦略的に設計することが不可欠です。 

本記事では、 

  • 採用にショート動画が有効な理由 
  • 動画で伝えるべき要素と構成の作り方 
  • 魅力を高める映像表現と編集の工夫 
  • 実際の活用シーンと成功事例 
  • 制作から運用までのステップ 

を徹底的に解説します。ぜひ、単なる採用動画ではなく「応募数と質を高める採用ブランディングツール」へと進化させるためのヒントを得てください。 


なぜ採用にショート動画が効くのか 

ショート動画は、求人票やコーポレートサイトでは届きにくい“感情”と“理解”を、短時間で同時に生み出せるメディアです。ここでは、その効果の根本部分を分解し、採用ファネル(認知理解志望応募)にどう作用するのかを整理します。 

求職者の情報収集スタイルが変わったから 

いまの求職者は、求人媒体の閲覧と並行してSNSYouTubeで企業の雰囲気を確かめます。しかも初回接点は“ながら見”が前提。スクロールを止めるためには、数秒で「この会社、気になる」と思わせるフックが必要です。 

ショート動画は、まさにこの“初動の興味喚起”に最適化されたフォーマットで、説明会や面接に進む前の段階で企業理解を進められます。 

文字や写真では伝えきれない“空気感”を届けられるから 

採用で最も重視されるのは「人」と「文化」。誰が、どんな表情で、どんなテンポで働いているのかのニュアンスは文章では伝わり切りません。ショート動画なら、挨拶の声色、会議のテンポ、オフィスの光の感じまで、肌触りとして伝えられます。 

結果として、「自分がここで働くイメージ」が具体化し、志望度が上がります。 

短時間で“記憶”と“行動”のトリガーを作れるから 

1560秒という制約は、情報をコンパクトにする必要があるということです。要点を先出しし、見せ場をテンポ良く重ねることで、「理解納得好意」という流れを短時間でこなすことができます。 

さらに、同テーマの連載(例:職種別1分密着、福利厚生ミニ解説)として繰り返し接触してもらうことができれば、思い出してもらえる機会が増えて、エントリーやカジュアル面談への遷移の増加も見込めます。 

採用ファネルの各段階に“効く” 

集客入口への効果だけではありません。 

  • 認知:フィードでの偶発的出会い(TikTok/リール/Shorts)で母集団を拡張 
  • 理解:Q&A1日密着・技術解説で、応募前の情報ギャップを解消 
  • 志望:社員の物語や成長の具体例で共感を醸成 
  • 応募:動画内・直後のCTA(応募/説明会申込/資料DL)で行動を後押し 

このように、ショート動画は「最初の一押し」だけでなく、応募までの一連の意思決定を段階的に支える設計が可能です。そのために動画で“何をどう見せるか”採用動画で伝えるべき要素を具体化していきます。 

採用ブランディングの株式会社ジャリアの求職者プロフィールのイメージ

採用動画で伝えるべき要素と構成 

採用ショート動画は、短い時間のなかで「この会社で働きたい」と思わせる決め手を届けるコンテンツです。 

ただオフィスを映して短く編集するだけでは効果は弱く、求職者が知りたい情報を戦略的に組み込む必要があります。ここでは、構成に盛り込むべき主要な要素を整理しながら、どのように表現すると効果的なのかを解説します。 

企業理解を促す基本情報 

まず大切なのは「何をしている会社なのか」を端的に示すことです。 

採用活動の初期段階で、求職者はまだ事業内容や提供価値を十分に理解していません。動画の冒頭で「誰に・どんな価値を・どのように届けているか」をわかりやすい言葉で提示すれば、数秒のうちに企業像をつかんでもらうことができます。 

専門的な言葉を並べるよりも、あえて中高生でも理解できるレベルの言葉に置き換えた方が記憶に残りやすいのもポイントです。 

社員と職場のリアルな雰囲気 

求職者が本当に知りたいのは、待遇や数字の条件以上に「どんな人と働くのか」という部分です。動画には、オフィスで自然に会話する社員の姿や、チームで仕事に取り組むシーンを短く差し込むことで、リアルな職場の雰囲気を伝えられます。 

文章や写真では伝えきれない“空気感”や声のトーンや笑顔の柔らかさ、オフィスに差し込む光の感じなどが直感的に伝わることで、「自分がここにいるイメージ」を持ってもらえます。 

成長やキャリアのストーリー 

短尺でも「この会社で成長できそう」という期待感を抱かせることは可能です。たとえば、若手社員が入社から数年でプロジェクトを任されるようになった事例や、異業種から転職して活躍している社員のエピソードを盛り込むと、視聴者にとって自分の未来を重ねやすくなります。 

成果を語る際は「売上を%伸ばした」「作業時間を半減させた」といった具体的な数字を映像とテロップで示すと説得力が増します。短い中に“未来の自分像”を描けるかどうかが、志望度を左右すると考えておきましょう。 

不安を解消するQ&Aの要素 

採用活動における応募ハードルの多くは、不安や疑問が解消されていないことにあります。「残業は多いのか?」「研修はどのくらいあるのか?」「リモート勤務は可能なのか?」といったよくある質問に、動画内で端的に回答しておくと、応募への心理的ハードルを下げられます。 

たとえば、画面下にシンプルなテロップを表示しながら社員が答える形式なら、誠実さや透明性も伝わりやすいでしょう。 

行動を促す明確なCTA 

最後に必ず入れるべきが行動喚起(CTA)です。 

せっかく関心を高めても、視聴者が次にどう動けばよいのかを示さなければ効果は半減してしまいます。「エントリーはこちら」「説明会予約はこちら」といったフレーズを自然に挿入し、画面にはQRコードや短縮URLを重ねておくと、スマホからのアクセスがスムーズになります。 

また、動画の最後だけでなく、エピソードの途中で関心が高まった瞬間にもCTAを挟むことで、エントリー率の向上が期待できます。 

魅力を高める映像表現と編集の工夫 

採用動画は、構成を練るだけでは十分ではありません。実際に「どう見せるか」の工夫によって、同じ内容でも印象は大きく変わります。 

数十秒という短い時間だからこそ、視覚と聴覚に訴える演出が、求職者の心を動かす決め手となります。 

冒頭3秒のインパクトでスクロールを止める 

SNSでの動画視聴は、ユーザーが無数の投稿を流し見している状況で行われます。そのため、最初の3秒で注意を引けるかどうかがすべての勝負どころです。 

具体的には、いきなり社員の笑顔や現場の活気あるシーンを見せたり、強いキャッチコピーをテロップで出したりすると効果的です。「あ、この会社ちょっと気になる」と思わせるフックを最初に仕込むことが、最後まで見てもらうための必須条件といえます。 

テンポ感を意識した編集 

ショート動画は、視聴者の集中力が短いため、テンポの悪さは即離脱につながります。映像カットの切り替えを数秒単位で行い、BGMや効果音でリズムを作ると、最後まで飽きさせません。 

また、言葉で説明する部分は冗長になりやすいため、テロップやアイコンを組み合わせ、視覚的に理解できる工夫が求められます。テンポを意識しながら情報を整理することが、理解度と好印象の両方につながります。 

ストーリー性を持たせる 

単にシーンを並べるのではなく、「物語」としてつなげることで記憶に残りやすくなります。 

たとえば「1日の仕事の流れ」を追う形式や、「課題解決成長」の変化を描く形式です。こうしたストーリーは、求職者に「自分もここで同じ体験をするのかもしれない」という未来像を自然に想像させます。 

短い映像でも、始まりと終わりに意図を持たせれば、印象に残る体験型の動画になります。 

視覚的に差をつけるデザイン要素 

採用動画は、ただ情報を伝えるだけでなく、企業ブランドを体現する存在でもあります。ロゴやコーポレートカラーを自然に盛り込んだり、アニメーションや図解を加えたりすると、他社との差別化が明確になります。 

特にZ世代はビジュアルセンスに敏感であるため、映像の見栄えそのものが「企業のセンス」や「文化」への評価につながります。見やすく、心地よいデザインを意識することが、応募の動機付けを後押しします。 

音声とBGMで感情を動かす 

映像だけでなく、音の設計も非常に重要です。社員の声は明るくクリアに収録し、余計な雑音を取り除くことで誠実さが伝わります。 

また、映像のトーンに合わせたBGMを選ぶと、感情への訴求力が格段に上がります。たとえば活気ある現場を紹介するならアップテンポな曲、落ち着いた働きやすさを見せたいなら柔らかな音楽を使う、といった具合です。 

音声と音楽を組み合わせることで、動画の印象は格段に強化されます。 

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実際の活用シーンと成功事例 

ショート動画を採用活動に組み込むといっても、「どの場面で、どのように活用できるのか」がイメージできなければ、実践に移すのは難しいものです。ここでは、実際の採用フローにおける活用シーンを整理しながら、成功事例を交えて紹介します。 

母集団形成フェーズでのSNS活用 

まずは「出会い」を生むシーンです。TikTokInstagramリールで企業の日常や社員紹介を発信することで、従来の求人媒体だけでは届かなかった層にも認知を広げられます。たとえば、あるIT企業では「エンジニア1日の密着動画」をシリーズ化し、数十万回の再生を獲得。動画を見て興味を持った学生が、そのまま会社説明会に申し込むケースが増えました。 

このように、求人票ではなくSNSの動画を起点に母集団を広げる流れは、Z世代の採用において特に有効です。 

説明会や会社紹介の代替コンテンツとして 

近年はオンライン説明会が主流になっていますが、1時間の説明会をすべて視聴してもらうのはハードルが高くなっています。そこで活用できるのが「ショート版会社紹介動画」です。 

たとえば大手メーカーの新卒採用では、従来の説明会資料を要約した60秒動画を作成し、事前にSNSLINEで配信。学生は短時間で企業理解を深められ、実際の説明会参加率も大きく向上しました。 

「まず動画で概要を理解興味がある人だけ説明会に参加」という流れを設計することで、効率的に採用活動を進められるのです。 

社員インタビューのショート化 

求職者が最も知りたい「どんな人が働いているのか」という疑問に答えるのが、社員インタビュー動画です。従来は5分〜10分程度の長尺が多く、視聴ハードルが高いのが難点でした。 

そこであるベンチャー企業は、社員インタビューを15秒〜30秒のショートに分割。「入社を決めた理由」「この仕事のやりがい」など一問一答形式で編集することで、SNSでも拡散されやすくなり、応募数の増加につながりました。 

短尺化することで、社員のリアルな声を気軽に届けられるのが大きなメリットです。 

応募直前の不安解消ツールとして 

エントリー直前の求職者は、多くの場合「条件」よりも「不安」がネックになっています。そこで「残業は多いですか?」「在宅勤務はできますか?」といったよくある質問に答えるショートQ&A動画を用意した企業があります。 

結果として、「不安が解消されて安心して応募できた」という声が増え、説明会から応募へのコンバージョン率が2倍以上になりました。心理的ハードルを下げる役割としてもショート動画は強力です。 

成功事例から学べるポイント 

各事例に共通しているのは、動画を単発で作って終わりにしていない点です。シリーズ化や採用フローへの組み込み、SNSとの連動といった「仕組み」として運用しているからこそ成果につながっています。 

1本のバズ動画」に頼るのではなく、「採用活動の導線のなかにどう配置するか」を考えることで、ショート動画は初めて本来の力を発揮します。 

まとめ|採用に効くショート動画の本質と実践のポイント 

ショート動画は「ただ短い映像」という枠を超え、採用活動において求職者の心を動かすための強力なツールです。数十秒の中で、企業理解を促し、職場の空気感を伝え、キャリアの可能性を描かせ、不安を解消し、最終的な応募行動へと導くことができます。 

重要なのは、単に映像をつくるのではなく「採用ファネルのどの段階で、どのような役割を担わせるか」を明確にすることです。そのうえで、冒頭数秒のインパクト、テンポ感のある編集、ストーリー性、ブランドを体現するデザイン、感情を動かす音声設計などの工夫を重ねれば、同じ内容でも効果は大きく変わります。 

また、成功している企業の共通点は「単発で終わらせないこと」です。シリーズ化やSNS連動、応募導線への組み込みといった仕組みを作り、求職者との接点を継続的に増やすことで、母集団の拡大から応募率向上まで一気通貫で成果を出しています。 

これからの採用は、求人票や説明会だけでは十分ではありません。求職者が「自分の未来を重ねられるか」を判断する材料として、ショート動画は欠かせない存在になりつつあります。自社の採用活動に取り入れる際は、構成要素・映像表現・運用体制のすべてを戦略的に設計し、“採用に効く動画”を武器として活用していきましょう。 

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WRITER / demio
株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 クリエイティブディレクター

株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。