ナノインフルエンサーとは?最新トレンドと起用メリット・デメリットを解説
ナノインフルエンサーは、近年インフルエンサーマーケティングにおいて注目を集める存在です。フォロワー数が1,000〜10,000人ほどと少数ながら、エンゲージメント率が高く、特定の層に深くリーチしやすいことが特徴です。
本記事では、インフルエンサーマーケティングの最新トレンドや、ナノインフルエンサーの起用メリット・デメリット、成功させるポイントなどを紹介します。
目次 ナノインフルエンサー起用のデメリット |
インフルエンサーマーケティングのトレンド
近年、インフルエンサーマーケティング業界は大きな成長を遂げ続けており、2024年末までには約240億ドルに到達することが予想されています。
Influencer Marketing Hubが3,000社以上を対象に行った調査では、企業の85%がインフルエンサーマーケティングを効果的なマーケティング手法であると認識しています。
中でも近年、フォロワー数が多いマクロインフルエンサーやセレブリティよりも、ナノやマイクロインフルエンサーを企業が好む傾向が強まっています。Influencer Marketing Hubによる2024年の調査によれば、企業の44%がナノインフルエンサー(フォロワー数1,000〜10,000人)との協力を希望しており、この数値は前年比で増加しています。
一方、フォロワー数が多いマクロインフルエンサーやセレブリティを選ぶ企業の割合は減少傾向にあります。これには、高額な予算を確保することが難しい中小企業が、費用対効果の高いナノやマイクロインフルエンサーを選択するケースが増えていることが関係していると考えられます。
ナノインフルエンサーは、中小企業にとっても手が届きやすい存在として、近年のインフルエンサーマーケティングの中心的存在となりつつあります。
ナノインフルエンサーとは?
ナノインフルエンサーは、フォロワー数が1,000〜10,000人のほどのインフルエンサーで、比較的小規模なコミュニティに強い影響を与える存在です。
インフルエンサーの中ではフォロワー数は少ないものの、エンゲージメント率が非常に高く、特定のユーザー層にリーチできる点が特徴です。また、親密な関係を築きやすい、信頼性が高いといった点からも、多くの企業がナノインフルエンサーを費用対効果が高いマーケティングパートナーとして活用しています。
大規模なインフルエンサーと比べて費用を抑えられる上、特定のターゲット層に深くリーチできる点が魅力です。
マイクロインフルエンサーとの違い
ナノインフルエンサーとマイクロインフルエンサーの大きな違いは、フォロワー数です。
ナノインフルエンサーは1,000〜10,000人のフォロワーをもつのに対して、マイクロインフルエンサーは10,000〜100,000人のフォロワーを抱えています。
マイクロインフルエンサーは、ナノインフルエンサーと比べて規模が大きいため、案件の受注経験が豊富で、ブランドとの契約や投稿作成などがスムーズに進む傾向があります。ナノインフルエンサーに比べて影響力はより広範囲に及びますが、フォロワーとの距離はやや広がることが一般的です。
また、インフルエンサーの起用費用は一般的にフォロワー数に比例するため、フォロワー数が多いマイクロインフルエンサーの方が、ナノインフルエンサーよりも高額になりやすいでしょう。
インフルエンサー起用のメリット
企業がナノインフルエンサーを起用することで得られる主なメリットを3つ紹介します。
- エンゲージメント率が高まる
- 狭く深いリーチを狙える
- 費用を抑えられる
エンゲージメント率が高まる
ナノインフルエンサーを起用することで、エンゲージメント率の向上が期待できます。
ナノインフルエンサーの最大の強みは、フォロワーとの親密な関係性です。フォロワーが少数なので一人ひとりに対応する時間や余裕があり、ユーザーからのコメントやメッセージを通じてやりとりができます。密なコミュニケーションはフォロワーに親近感や特別感を与え、結果として高いエンゲージメント率につながります。
投稿への反応率が高まることで、プロモーション施策の効果も向上し、商品やサービスに対する関心が高まりやすくなるでしょう。
狭く深いリーチを狙える
狭く深いリーチを狙えることも、ナノインフルエンサーを起用するメリットです。
ナノインフルエンサーは特定のテーマやニッチな分野に強いフォロワーベースをもつことが多いです。そのため、一般的なマーケティング手法では到達しにくい層に対して深くリーチすることができます。
特定層への深いリーチを目的としたプロモーションは、ブランドがニッチな市場にアプローチしたい場合や、特定のコミュニティに深く浸透したい場合などに非常に効果的です。
費用を抑えられる
ナノインフルエンサーの起用は比較的費用を抑えられるため、予算に制約がある企業にとって大きなメリットです。
ナノインフルエンサーはフォロワー数が少ないことから、大規模なインフルエンサーと比べて起用にかかる費用を低く抑えられます。よって、企業は限られた予算の中で複数のインフルエンサーと協力し、広範な層に対して効果的にプロモーションを展開できます。
また、費用対効果も高いため、中小企業でも気軽にインフルエンサーマーケティングに挑戦しやすいというメリットもあります。
ナノインフルエンサー起用のデメリット
ナノインフルエンサーを起用する上で知っておきたいデメリットを2つ紹介します。
- リーチ数が限られる
- 選定に手間がかかる
リーチ数が限られる
ナノインフルエンサーは、フォロワー数が1,000〜10,000人と少ないため、広範囲なリーチは期待できません。これは、狭く深いリーチが可能というメリットの裏返しとなります。
そのため、大規模なブランドキャンペーンを展開したい場合や、新商品・サービスの認知度を一気に高めたい場合などには、複数のナノインフルエンサーを起用する必要があり手間がかかってしまいます。
インフルエンサーはマーケティングの目的によって種類ごとに向き不向きがあるため、目的に応じて慎重に選定することが大切です。
施策の展開に手間がかかる
施策の展開に手間がかかる点も、ナノインフルエンサーを起用するデメリットの1つです。
ナノインフルエンサーは、フォロワー数が少ない分その母数も多く、自社に合った候補者の選択が難航しがちです。
実際に、たくさんのナノインフルエンサーの中から、自社ブランドの活動や価値観が調和する人物を探し出し、コミュニケーションを取りながら契約を結び、実際にマーケティング施策を実施するまでには多くの手間がかかります。
また、ナノインフルエンサーは企業とのプロモーション経験が不足している場合もあり、施策の展開がスムーズに進まない可能性も懸念されます。
インフルエンサーマーケティングツールを活用するなど、施策をスムーズに展開するための対策が必要です。
ナノインフルエンサーを探す方法
ナノインフルエンサーを探す方法を2つ紹介します。
- SNSの検索で探す
- インフルエンサーマーケティングツールを活用する
SNSの検索で探す
ナノインフルエンサーを探す最も手軽な方法の1つは、SNS上で直接検索することです。
InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどでは、特定のハッシュタグやキーワードを使うことで、関連性の高いインフルエンサーを見つけられます。また、SNS上ではクリエイターの投稿内容やフォロワー層などを直接確認できるので、ブランドに適しているかどうかを判断することができます。
手間はかかりますが、直接的で費用のかからない方法です。
インフルエンサーマーケティングツールを活用する
2つ目は、ツールを使ってインフルエンサーを探す方法です。
中でもおすすめは、Meltwaterのインフルエンサーマーケティングツールです。本ツールでは、3,000万人以上のインフルエンサーから、AIを使って条件に合った最適なクリエイターを探し出せます。詳細なフィルタリングを活用し、ブランドやキャンペーンに最適なインフルエンサーを短期間で見つけることも可能です。
また、インフルエンサーキャンペーンの進捗を管理したり、成果を分析したりする機能も備えています。効率的にナノインフルエンサーを探したい場合には、ツールの活用がおすすめです。
ナノインフルエンサーマーケティングを成功させるポイント
ナノインフルエンサーマーケティングを成功させるために押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
- 明確な目標を設定する
- 適切なインフルエンサーを選定する
- 結果を分析し改善する
明確な目標を設定する
ナノインフルエンサーマーケティングを成功させるには、まずキャンペーンの目標を明確に設定することが大切です。
目標を設定することで、KPI(重要業績評価指標)が明確になり、インフルエンサーのパフォーマンスを適切に評価しやすくなります。また、キャンペーンの成功を左右する要因も把握できるので、効果的なキャンペーンを実施しやすくなります。
ブランドの認知向上、売上の増加、新商品のプロモーションなど、具体的なゴールを設定し、進捗を測定するようにしましょう。
適切なインフルエンサーを選定する
ナノインフルエンサーマーケティングの成功には、ブランドイメージやターゲット市場に合わせて適切なインフルエンサーを選ぶことが不可欠です。
フォロワー数だけでなく、彼らの関心やニッチな分野での影響力なども考慮し、ブランドのメッセージに共感しやすいインフルエンサーを起用することが大切です。また、過去の投稿内容やフォロワーのエンゲージメント率などもしっかり確認しましょう。
企業のターゲットや目的と一致するかどうかを慎重に見極めることで、より効果的なプロモーションを実現できます。
結果を分析し改善する
キャンペーン終了後は、データを分析し、結果に基づいて改善することが大切です。
エンゲージメント率やクリック数、コンバージョンなどの指標をもとに、成功要因や改善の余地などを明確にします。次回のキャンペーンに向けて戦略を調整することで、より効果的なマーケティング活動が可能になります。
分析と改善のサイクルをくり返し、ナノインフルエンサーの活用効果を最大化しましょう。
まとめ
今回は、インフルエンサーマーケティングの最新トレンドや、ナノインフルエンサーの起用メリット・デメリット、成功させるポイントなどを紹介しました。
ナノインフルエンサーの高いエンゲージメント率やニッチな層へのリーチは、大規模なインフルエンサーにはない独自の強みです。実際に近年では、多くの企業がナノやマイクロインフルエンサーを好んで起用する傾向が強まっています。
しかし、中にはリーチの限界や選定の手間など、注意すべきデメリットも存在します。インフルエンサーマーケティングツールを活用するなどして適切なインフルエンサーを選定し、明確な目標をもって施策を展開することで、ナノインフルエンサーマーケティングは企業に大きな効果をもたらすでしょう。
WRITER / demio 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 SEOコンサルタント・WEBデザイナー 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。 |