Cookie規制により変わるWeb広告のターゲティング… 抑えておきたいコンテクスチュアルターゲティングとは?

Googleがサードパーティークッキー廃止するとか、規制を開始するなどの情報がよく聞かれますが、何のことだか?という方も多いのではないでしょうか。2019年にはFirefoxがブラックリスト機能でトラッカーのリソースを読み込まないように排除するアクセスブロックのような機能にて3rd party cookieを終了。iOS、Apple Safariも2017年、Saferi11にてITP1.0がリリースされ、3rd party cookieを徐々にブロック、2020年には全ての3rd party cookieをブロックしました。

そして、2023年までにGoogle ChromeがChrome90へのアップデートを機に2023年までに3rd party cookieからPrivacy Sandboxという仕組みに切り替えを行い、Google playについても2022年までに広告を規制する動きとなっています。
インターネットブラウザのシェアで断トツのChrome。世界のブラウザシェアでは64.37%占めるブラウザでCookieが使用不可になることは、WEB広告業界では以前より注目度が高く、今後に大きな課題を残す形となっていました。そして、その期日が迫ろうとしています。

 

そもそもCookieって

ユーザーがサイトを訪問した日時や回数、メールアドレスなど多岐にわたるユーザー情報が集約されたデータ片のことです。一度訪問したサイトにユーザーIDやパスワードを一度保存すると次回以降にユーザーID、パスワードが記録されていることや、カートに入れた商品が別の商品を閲覧した後でもまだ残っていたりすることはCookieが機能しているところの例になります。
ユーザー情報であるCookieをブラウザとサイトの間でやりとりすることで、ウェブサイト側が同じブラウザであることを認識することができます。
私たちが快適にネット内を回遊するためにサポートしてくれている便利な機能になります。

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では3rd party Cookieとは?

訪問したウェブサイトが発行したCookieを「1st party cookie (ファーストパーティークッキー)」、訪問したウェブサイト内でそのウェブサイト以外から発行されるCookieが「3rd party cookie (サードパーティークッキー)」になります。3rd party cookieが発行される仕組みは、訪問したウェブサイトに広告がある場合、その広告には別のドメインが紐づけられているためユーザーはウェブサイトだけでなく紐づけられたドメインにも訪問していることになり、ブラウザへそれぞれのドメインからCookieが発行されます。この場合はウェブサイトが1st、広告が3rdとなります。また広告以外からもCookieを発行される場合もあります。では3rd party cookieが活用されている場面はどうでしょうか。Web広告を中心に見ていきます。

まずはリターゲティング広告の配信。ユーザーがリターゲティングタグが設置されているウェブサイト訪問した時に、このサイトから発行されているリターゲティングタグは3rd party cookieになります。そしてこのタグの情報をもとにバナー広告を表示しています。これが“リタゲ”の仕組みになります。
次に広告の効果測定あげられます。コンバージョンに至っているブラウザが広告から発行されたCookieを持っているかどうかで広告経由のコンバージョンかを判断しCV値を計測しています。
また広告のアトリビューション分析でも3rd party cookieは活用されています。アトリビューションはコンバージョンに対する広告の貢献度を測る方法で広告Aでコンバージョンに至ったユーザーが、以前に広告Bに接触していた場合、広告Aだけではなく広告BにもユーザーをCVへ導いた役割があったとする考え方です。この際にも各広告がCookieを発行する仕組みが用いられています。
Cookie規制はWeb広告で配信や測定、分析などに支障をきたします。特にこれまでのコンバージョン測定の方法ができなくなることはWebマーケターにとっては深刻です。

なぜ規制されるのか?

情報化社会が進む中で個人情報保護に関しての対策が進められています。EUではGDPR、米国カルフォルニア州ではCCPAが施。そして日本では個人情報保護法が20206月に改正、交付され 20224月の 施行にむけて準備が進められている状況です。Cookieに関しては、Cookieを利用する際は必ずユーザーの許可を取らなければいけません。「より良いサービスの提供のためにCookie を使用します。サービスを利用することにより、Cookie の使用に同意するものとします。」のような文章に「同意する」や「許可する」などのボタンを押してもらうものが、それにあたります。ITベンダーもCookieが個人情報と見られる中で、批判的なユーザーの増加に合わせてCookieの利用に制限をかけるようになりました。Apple、Googleも冒頭で触れたような制限への活動を始めています。またFacebook、Instagramでも今年を目処に3rd party cookieが使用できなくなることが決まっています。Cookieが規制され、使用できなくなるとどういう影響があるのでしょうか。

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3rd party cookieが使用できなくなる影響


3rd party cookieが使えないことで、広告配信する上で
・リターゲティング配信不可能に。
・オーディエンス配信(ターゲティング)不可能に。
・コンバージョン計測不可能に。

上記に対して現状で考えられる対策は、
リターゲティング配信が不可能に。→ FLEDGE / Universal ID
オーディエンス配信(ターゲティング)が不可能に。→ Topics / Universal ID / コンテキスト
コンバージョン計測が不可能に。→ コンバージョンAPI / S2S対応 / データクリーンルーム

Googleの提唱するPrivacy sandboxや代替IDは、現実に導入、配信実績が少なく、IDを利用するものは、今後施行される改正個人情報保護法なども注視する必要がある。

『コンテクストターゲティング』は、世界中で実施されていて個人情報に関与しない

コンテクスチュアルターゲティングとは、

選定されたキーワードをリアルタイムに自動判別、関連性の高い内容のサイトに非クッキーの技術でターゲティング配信を実現。配信の仕組みはクローラーがDSP(広告主のプラットフォーム)の接続する全SSP(メディアのプラットフォーム)、全ページの全ワードを読み込み、セグメントを生成します。
正確性を高めるためキーワードではなく、コンンテクスト(文脈)を解析します。またコンテクチュアルターゲティングでは配信目的である文脈である「
〇〇の記事」」へのターゲティング配信を行い、ブランドセーフティでは除外目的の文脈である「〇〇の記事」」を除外して配信を行います。Web内に掲載するレクタングル・ ネイティブなどの静止画広告とインバナー動画・ オーバーレイ動画などの動画広告の配信が可能です。

コンテクスチュアルターゲティングの特徴は、

・リアルタイム性 / 今、Webページを見ている人への配信
・正確性 / 狙いたいユーザーへの正確なアプローチ
・iOSユーザーへのリーチ / ITPによってリーチできないiOSユーザーへリーチできる
上記のようなメリットがあります。

Casual pretty young woman holdin notebook and reading the explosive news

クッキーターゲティングの場合は、過去のブラウジング履歴、行動履歴に対してアプローチを行なっていましたが、コンテクスチュアルターゲティングでは人ではなくページへアプローチするため、現在閲覧中の興味関心のあることに対して記事を読むという行動を起こしているタイミングでリアルタイムな広告配信ができます。正確性ではクローリングによって記事の文脈を判断するため制度に強みを持っています。またITPで制限されているiOS、Safariへのリーチが可能になり、cookieターゲティング実施時には90%以上がAndroid、Chromeへの配信ですが、AndroidとiOSほぼ半々の比率で配信されます。
※引用元「PORTOのコンテクスチュアルターゲティングについて」より

今回は、3rd party cookieの規制について、そして規制後の対策案の一つであるコンテクスチュアルターゲティングをご紹介しました。詳しく知りたい方または、また今回の記事内容以外でもWeb広告運用、制作などについてのお悩み・ご相談も受け付けておりますので下記の【お問い合わせ】よりお気軽にご連絡ください。