サイトリニューアルはなぜ失敗するのか?陥りがちなサイト改善の落とし穴
現在、WEBマーケティングを行ううえでWEBサイトの制作・運用は必須になっており、すべての企業が集客増加のために試行錯誤を繰り返しています。
そこで、デザインを刷新すれば訪問者数や売り上げが伸びるのではないかと大々的にサイトリニューアルを行う企業は多いです。
しかし、集客増加を期待して進めたサイトリニューアルが結果的に集客数の減少につながってしまったというケースが後を絶たず、多くの企業が失敗に終わっているのが現状です。
そこで、今回はサイトリニューアルに失敗する理由や実際の失敗例、重要な考え方などを解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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サイトリニューアルの重要性
WEBサイト制作は、現在のマーケティング活動において自社がどんな企業なのかを知ってもらうため、そして自社が扱う商品やサービスを購入・利用してもらうために必要不可欠となっています。
自社の強みが最大限に伝わるように工夫を施し「これでよし!」と納得したところでサイトを公開しますが、WEB上には日々新たな情報が発信され、ユーザーのニーズに応える質の高いコンテンツで溢れています。
そのため、自社サイトも改善を繰り返し、良質なコンテンツを作っていく必要があり、その過程でサイトリニューアルに踏み切ろうという動きも出てきます。
しかし、サイトリニューアルには経済的・人的・時間的に多大なコストがかかります。それほど大きなコストをかけるのですから、集客効果の高いサイトにしたいですよね。
サイトリニューアルはリスクが大きい?
ところが、現状はサイトリニューアルに踏み切ったものの成果を出せずに失敗に終わる企業が後を絶ちません。
株式会社WACULの調査によると、サイトリニューアルを実施した20社のうち、「CV数・CVRのいずれかが改善した」と回答した企業は6社で、「CV数・CVRのいずれも改善しなかった」と回答した企業は14社となり、効果が出ていない企業の方が多いという結果が出ています。
出典:WACUL
このように、サイトリニューアルを行っても改善しない・むしろ悪くなるリスクが大きいのです。次章からお話していきますが、失敗する理由の多くは、“ただ” “なんとなく”リニューアルに着手してしまっているためです。
サイトリニューアルの必要性をいま一度立ち止まって検討することで無駄なコストの発生を防ぎ、リニューアルに踏み切った際の成功率も上がります。
サイトリニューアルが重要なのではなく、集客増加につながるサイトを作ることが重要です。
サイトリニューアルが失敗に終わる理由
サイトリニューアルが失敗に終わる最大の理由は、リニューアルをする目的が曖昧になっているからと言えます。
例えば、自社が提供しているサービスに変化があったのにもかかわらずサイトをそのままにしていると、ターゲットではないユーザーからのクリックや問い合わせとなってしまい、結局売り上げにはつながりません。
このような場合は、ターゲット層の訪問数やCV数を増やすといった目的が明確であり、サイトリニューアルが効果的であると言えます。
しかし、ただ「変化を見せたいから」「デザインが古いから」「レスポンシブ対応していないから」という気持ちだけで始めてしまうと失敗に終わってしまう可能性が高いです。
なぜなら「サイトリニューアルをすること」が目的になってしまっていて、訪問してくれるユーザーの存在が見えていないからです。
自社がユーザーに提供できる価値はなんだろう?と徹底的に考え抜き、ユーザーのニーズに応えるサイトを作っていかなければ、表面だけを変えたとしても上位表示にはつながりません。
よくあるサイトリニューアル失敗パターン
弊社が企業様とお話させていただく際、「サイトリニューアルをしたが、思うような結果が出ない」というご相談を受けることがしばしばあります。
そこで、ここではよくあるサイトリニューアルの失敗パターンをいくつかご紹介します。以下の項目に自社が当てはまっていないかチェックしてみてください。
デザインだけにこだわる
現在のWEBサイトを新しいデザインにすれば訪問者数も増えて売り上げも上がるだろうと考え、数百万円の費用と1~3ヶ月もの期間を設けて大規模なサイトリニューアルに取り組む企業は少なくありません。
しかし、フォントやカラー、ページレイアウト、画像などの表層的なデザインだけをリニューアルしたところで、ユーザーは以前の使い慣れたサイトの急な変化に戸惑ってしまい、CV数やCVRの増加にはつながらないのです。
流行に合わせたおしゃれなデザインは一目見た瞬間はユーザーを惹きつけるかもしれません。ですが、ユーザーがWEBサイトに求めているのは、「自分の悩みや疑問を解決してくれるコンテンツ」と「使いやすさ」であり、「高いデザイン性」ではありません。
また、デザインにこだわり画像や動画を多用して表示速度が遅くなれば、せっかく注力したデザインを見てもらう前に離脱されてしまいます。
旧サイトの課題が改善されていない
サイトリニューアルはサイトの課題を解決し、効果を高めるために行うものです。現状の課題を細かく分析することで、どう改善すればいいのか解決の糸口が見つかります。
課題は企業によって様々で、そもそもサイトに訪問されていない場合はSEO対策が十分ではなかったり、CVが増えない場合は誘導がうまくできていない可能性があります。
課題を明確にしておかないと、サイトリニューアルをしても旧サイトの課題点がそのまま引き継がれることになり、集客効果は上がらないままです。
また、多くの企業がサイトリニューアルを制作会社に依頼しますが、すべてを制作会社に任せてしまうと、自社の本当の課題とはズレた課題を設定されてしまうこともあります。
その結果、十分な効果が出なかったということにもなり得るため、課題分析や目的・目標の設定などの肝となる過程では自社も一緒に検討する必要があります。
SEO対策ができていない
SEO対策とは、自社サイトを検索結果の上位に表示させることで集客や売り上げアップを図ることで、WEBマーケティングにおいて必要不可欠な施策となっています。
ユーザーニーズに応えるコンテンツ作成、サイト構造の最適化、被リンクの獲得などの施策を通してユーザーと検索エンジン双方からの評価を高めることで検索順位が上昇し、訪問数を増やすことができます。
逆に言えば、サイトリニューアルを実行してもSEO対策ができていなければ順位は上がらず失敗に終わります。
SEOの知識が乏しい制作会社も存在するため、デザインを優先するあまりにアクセスをとれていた既存のコンテンツを削除してしまったり、CVまでの道のりが遠くなってしまえばサイトリニューアル前よりも順位が下がってしまう可能性もあります。
ユーザビリティが低い
サイトリニューアルの際に、既存のユーザーが離脱してしまう大きな原因となるのがユーザビリティの低下です。
既存のユーザーは旧サイトに慣れ親しんでいるため、リニューアルによって突然思いもよらない場所にコンテンツが移動していたり、階層が深くなかなか目的のページにたどり着けなかったり、問い合わせフォームが複雑になっていたり、操作性が悪くなると抵抗感を抱きます。
新規ユーザーにおいては、デザインで惹きつけられたとしても、少しでも「使いづらいな」と感じればすぐに回れ右をして帰ってしまいます。
旧サイトの操作性の良い部分は活かしながら、既存ユーザーに「使いやすくなった」と思ってもらえるようなサイト設計ができれば、新規ユーザーの流入増加も期待できるでしょう。
また、ユーザーの使いやすさだけでなく、運用・更新のしやすさも重要です。WEBサイトは完成した後も更新を続け、メンテナンスしていくことで価値のあるサイトへと成長していきます。
運用しづらい設計にしてしまうと徐々に更新する回数が減り、サイトの価値も低くなってしまうため、ユーザーと運営の双方が使いやすい設計を心がけましょう。
オリジナリティがない
競合他社のサイトリニューアルが成功しているからと、自社も同じようなデザインや設計にしていては失敗に終わります。
扱う商材は同じかもしれませんが、他社と自社が抱えている課題や達成したい目標は違います。また、企業にはそれぞれのカラーがあり、らしさがあります。それを無視して他社を真似したところで自社の強みや魅力はまったく伝わらないため、利益にはつながりません。
現在のSEOでは悪質なコピーコンテンツを取り締まるためにオリジナリティが重視されるようになっています。ユーザー側も盗作には敏感になっているため、サイトが類似していることがわかれば悪いイメージを抱き、企業全体の信頼を失いかねません。
他社サイトはあくまでも"参考"程度に抑え、自社らしさを発揮したサイトを制作しましょう。
旧サイトのシステムを無視している
現状が良くないからサイトリニューアルをして集客を増やしたいという思いがあるかと思いますが、旧サイトにも訪問していたユーザーがいて、クリックを稼げていたページがあるはずです。
これまで積み重ねてきたコンテンツは、サイトの質を高めることに確実に貢献しています。また、サイトリニューアルでは旧サイトのデータやシステムを引き継がなければならない部分も多く出てきます。
にもかかわらず、リニューアルという響きに囚われて全ページを一新してしまえば、すべてが無に帰してしまい、訪問者数が激減してしまうことは想像に容易いでしょう。
URLやドメインの変更が必要であれば、蓄積されたドメインパワーを引き継げるようにリダイレクト設定を行い、検索エンジンにリニューアルサイトの存在を伝えましょう。
失敗パターンを実施した事例
では、前章でご紹介した失敗パターンを実施し、サイトリニューアルを行った事例を見てみましょう。
以下のデータは競合のA社とB社を比較したデータです。向かって左側がリニューアルではなくSEOの改善を行ったA社、右側がリニューアルを行ったB社です。
A社はSEO対策ができているため、検索ボリュームが少ないほとんどのキーワードで1位や2位をとれており、ボリュームがかなり大きいキーワードでも40~70位台にのることができています。
一方、B社は検索ボリュームが少ないキーワードでも10位圏内に入っておらず、平均40~50位台という結果になっています。これでは流入増加は見込めません。
また別の競合会社であるC社とも比較してみましょう。
◆C社の検索順位・流入データ
業界の競合性がそれほど高くないということもありますが、C社は様々なキーワードで10位圏内に入っており、リスティング広告を出稿しなくてもオーガニック検索からの流入量を伸ばしています。全体においては50~100位のコンテンツが半分を占めますが、それでも10位圏内のコンテンツが5%あることで流入増加に大きく貢献しています。
◆B社の検索順位・流入データ
対して、B社はリニューアル後1つのキーワードでしか流入しておらず、流入数も1にとどまっています。また、50位圏内に入っているコンテンツも0という結果になっています。
ちなみに、B社はテクニカルな面でのSEO対策はC社と同程度にできているため、これ以上テクニカルSEOに取り組んでも大幅な改善は期待できません。成果が出ていない主な原因は不適切なキーワード選定や良質なコンテンツ不足と考えられます。
キーワードの難易度も低いため10位圏内に入ることはそれほど難しくはないのですが、SEO対策ができていなければサイトリニューアルをしても流入増加にはつながらず失敗してしまうのです。
サイトリニューアルで重要な考え方
ここまで、サイトリニューアルの失敗例と成功させるためのポイントについていろいろとお話してきましたが、結局のところ重要なことは、
- サイトリニューアルの必要性を改めて検討すること
- SEO対策を万全にすること
の2点です。
「デザインが古いから」「変わった感を見せたいから」という目的は自社の都合であって、ユーザーは「デザインが古いから嫌だなぁ」「変化が見たい」などとは思っていません。
ユーザーが求めているのはいかに目的の情報にスムーズに到達できるかであり、そこをクリアできればすべてを作り替える必要はないのです。
集客効果を高めるためにはユーザー起点で考える必要があり、ユーザーの存在が見えていなければいくら費用をかけようとデザインがかっこよかろうと見てもらえません。
そして、見てもらうためには兎にも角にもSEO対策の徹底です。SEOを徹底することでより多くのユーザーの目に留まり、興味を持ってもらえる可能性が高まります。
ターゲットとなるユーザーはどんな背景でどんなキーワードで検索をかけるのか?求めている情報に応えるコンテンツを提供できているか?CVにたどり着きやすいか?とユーザー視点で考えて改善することがそのままSEO対策となり、順位も上がり、集客につながります。
ジャリアのサイトリニューアル
ジャリアでは、SEOに強いWEBサイト制作を掲げ、上位表示のためのキーワード分析やコンテンツの創出をサポートいたします。
サイトの改善は課題の洗い出しがスタートになりますが、自社の視点だけでなく第三者の視点を取り入れることでより確実な課題発掘が可能になります。
ジャリアがこれまで蓄積してきた制作ノウハウを駆使し、企業様と伴走しながら改善すべき課題や打ち出すべき強みを見つけ、CVにつながる施策を提案・実施し、目標達成に努めます。
また、設計やコーディングなどの実際に構築する作業だけでなく、市場調査から課題分析、キーワード選定、SEO対策、アフターフォローまで包括的に対応し、集客を促進するサイト作りを行っています。
サイトリニューアルを検討している企業様はまずサイトリニューアル検討チェックシートを実施してみてください。あてはまらない項目が多ければ、貴社サイトはリニューアルの必要性が低いと言えます。
チェックシート希望の方、は下部の問い合わせフォームから問い合わせ内容【サイトリニューアル検討チェックシート希望】と記入の上、送信してください。
弊社より【サイトリニューアル検討チェックシート】をメールにて送付させていただきます。
また、現状のホームページの問題点や伸びしろについて知りたいという方に向けて、【無料診断レポート】(毎月先着3社限定)も行なっていますので問い合わせフォームよりご連絡ください。
もし、それでもサイトリニューアルに踏み切りたいという企業様は一度弊社までご相談いただければと思います。
まとめ
今回は、よくあるサイトリニューアルの失敗例と成功に近づくための考え方について解説しました。
サイトの改善は課題をはっきりさせ、目的を軸に据えることから始まります。自社にとって都合のいいサイトではなく、ユーザーが求めていることに応えるサイト作り、ホームページ制作を行うことで集客増加を図りましょう。
WRITER / HUM 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。 |