検索ボリュームの調べ方と最適なキーワードの選定方法
サイト制作ではSEO対策が重要なことはすでに広く知られていますが、その中でも特に重要なのがキーワード選定です。適切なキーワードを選ぶことでニーズのあるユーザーに情報を届けることができ、集客増加につながります。
しかし、「自社と関連性が高いから」などの理由でなんとなくキーワードを選んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
キーワード選定には「検索ボリューム」が大きく関係しており、サイトの集客状況やコンテンツに適したボリュームのキーワードを選ぶことが上位表示への近道となります。
そこで今回は、検索ボリュームの調べ方と最適なキーワードを選ぶ方法を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次 |
検索ボリュームとは
検索ボリュームとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで1ヶ月の間にキーワードが何回検索されたのかを示す数値です。
検索ボリュームの数値が大きければ多くの人が検索したということになり、数値が小さければ検索した人も少ないということになります。
良質なコンテンツを発信し、多くのターゲットからのアクセスを集めるためにも検索ボリュームの把握は必須です。
また、検索ボリュームは常に一定ではなく時期によって大きく変動します。季節が変わったり、テレビやSNSで取り上げられたりすると一気に増減するため、現在の数値だけでなく今後の推移を考慮することも重要です。
検索ボリュームの分類
検索ボリュームは、ボリュームの大きさによって3つに分けられます。
ビッグキーワード | 検索ボリュームが10,000以上 |
ミドルキーワード | 検索ボリュームが1,000~10,000以下 |
ロングテールキーワード (スモールキーワード) |
検索ボリュームが1000に満たない且つ複数の単語 |
回数は明確に提示されているわけではないですが、上記の回数で分けられることが多いです。
検索ボリューム調査に役立つツール
検索ボリュームはツールを使えば簡単に調べることができます。ここでは、検索ボリュームに役立つツールをご紹介します。
Googleキーワードプランナー
Google広告の機能のひとつで、高精度のAIがキーワードの検索ボリュームを予測してくれるツールです。Google広告を利用していない場合は大体の数値になりますが、それでも選定の目安にはなるため活用をおすすめします。
複数のキーワードの検索ボリュームを同時に調査でき、ラッコキーワードで取得できた複合キーワードをそのままコピペして検索することが可能なため非常に便利です。
aramakijake.jp
検索ボリュームの予測が可能なツールです。キーワードを入れることでGoogleとYahoo!の月間推定検索ボリュームや検索結果の1~50位に表示された際のアクセス見込み数を予測してくれます。
ひとつのキーワードしか検索できませんが、関連キーワードも表示してくれるためこのツールひとつで1~3の工程を済ませることができます。
また、競合サイトのページURLとキーワードを入力することで、競合がそのキーワードでどれだけ流入されているか把握できるという優れた機能もついています。
Googleトレンド
キーワードがGoogleでどれだけ検索されているのかといった推移を調べたり、リアルタイムで集中的に検索されていることが確認できます。
2004年から現在までの間で期間を指定でき、WEB検索以外にも、ニュースやGoogleショッピング、YouTube検索における推移や毎日のトレンドも把握できます。
どの時期でも一定の人気を保っているキーワードや特定の時期になると人気が落ち込むキーワードなどがわかるため、季節性の高いキーワードを調査したい場合に便利です。
Ubersuggest
キーワードのサジェスト候補、検索ボリューム、オーガニック検索での競争率、クリック単価などを確認できるツールです。
競争率を数値で教えてくれるため、どのキーワードから着手していくべきか優先順位をつけやすくなるでしょう。
無料会員の場合は1日3回までしか検索できないため、多くのキーワードを検索したい場合や他の様々な機能を利用したい場合は有料会員になる必要があります。
検索ボリュームの調べ方
では、実際にどうやって検索ボリュームを調べるのか、以下の手順で進めてみましょう。
1. メインキーワードの選定
まずは、サイト全体のキーワードとなるメインキーワードを決めましょう。
例えば、WEB制作会社のサイトであれば、「WEB制作」「WEBデザイン」「SEO対策」などが挙げられます。
検索エンジンに自社が何者なのかを正しく認識してもらうために、業界や制作するサイトのコンセプトに合ったキーワードを洗い出し、自社のサービスを適切に表すものを選びましょう。
また、メインキーワードを検索ボリュームの少ないものにしてしまうと、各記事ページで設定するロングテールキーワードの数がほとんどない状態になってしまうため、メインとなるキーワードは検索ボリュームが大きいビッグキーワードを設定するようにしましょう。
2. 複合キーワードを調べる
メインキーワードは多くの競合他社が狙っているため検索ボリュームがかなり大きくなってしまいます。
キーワードを2語、3語と組み合わせることで検索ボリュームが小さくなり、上位表示の難易度が下がって流入の確実性が上がります。
どんな組み合わせで検索されているのかを調べるツールは様々ありますが、ラッコキーワードは無料で簡単に使えておすすめです。
例えば「検索ボリューム」と検索すると、「検索ボリューム」がどんなキーワードとともに検索されているのかが一覧で表示されます。右上にある「全キーワードコピー」ボタンをクリックすればクリップボードにコピーされ、「CSVダウンロード」ボタンをクリックすればデータとして残せます。
3. 複合キーワードの検索ボリュームを調べる
上記でご紹介したツールを使って複合キーワードの検索ボリュームを調べます。
例えば、Googleキーワードプランナーを使う場合は以下の手順で検索ボリュームを調査できます。
- ログインする。
- 「検索のボリュームと予測のデータを確認する」をクリックする。
- ラッコキーワードでコピーした複合キーワードを貼り付けて「開始する」をクリックする。
- 「月間平均検索ボリューム」の項目から検索ボリュームを確認する。
以上の工程で検索ボリュームを調査できます。
検索ボリュームとWEBサイトの関係性
WEBサイトの構造
WEBサイトは「トップページ」「カテゴリーページ」「記事ページ」の3つの階層に大きく分けられます。また、トップページ→カテゴリーページ→記事ページと枝分かれになっており、内部リンクでつながっています。
多くの場合、ユーザーも検索エンジンもまず記事ページを発見してサイトを認知し、評価します。そうして記事ページで蓄積された評価はカテゴリーページの評価に影響し、カテゴリーページの評価はトップページに影響し、数珠つなぎにパワーの伝達が起こります。
記事ページひとつのパワーはそれほど強くはないですが、高い評価の記事ページが集まれば大きなパワーとなり、カテゴリーページ・トップページのドメインパワーも徐々に強まってSEOに強いサイトへと成長していきます。
検索ボリュームとキーワード数の関係
「多くの人に見てもらう必要があるんだから検索ボリュームは大きい方がいいんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、検索ボリュームが大きいということはそれだけ競合も多く、上位表示を狙って魅力的なコンテンツの発信に勤しんでいます。
そんな多くの手ごわい競合の中を勝ち抜いて上位に食い込むことは容易ではありません。
また、基本的に検索するキーワード(単語)の数が少ないほど検索ボリュームは大きくなりますが、そのぶん検索意図の幅も広がります。そのため、自社が狙うターゲットとは異なるユーザー層に表示される確率が高くなり、クリックやCVにつながらないという結果にもなり得ます。
下記に例として不動産関連のキーワード選定においてキーワードの数でどれだけ検索ボリュームが異なるのかを表にしてみました。
キーワード | Yahoo! | |
注文住宅 | 14,800 | 59,200 |
福岡 注文住宅 | 480 | 1,920 |
不動産 売却 | 5,420 | 21,680 |
福岡 不動産 売却 | 22 | 88 |
「注文住宅」はYahoo!でもGoogleでもビッグキーワード、「不動産 売却」は複合キーワードですが検索ボリュームがかなり大きいことがわかります。
しかし、そこに地域を指定する「福岡」が合わさるだけで検索ボリュームがグッと減り、十分に上位表示を狙えるようになっています。
このように、福岡でビジネスを展開している企業であれば、検索ボリュームが大きいビッグキーワードで全国のユーザーを狙うよりも「福岡+サービス名」の複合キーワードで福岡のサービスを探しているユーザーからのアクセスを狙う方が上位表示の難易度は下がり、コンバージョン率は上がります。
キーワードはサイトのフェーズに合わせて選ぶ
キーワード選定はサイトのフェーズに合わせて検索ボリュームを調整するとうまくいきやすいです。
サイト立ち上げ期はロングテールキーワードを狙う
サイトを立ち上げたばかりの時期は、まだ認知度もなく集客も増えにくいです。そんな時期に検索ボリュームが大きいキーワードを狙っても、すでに認知度の高い競合に勝てるわけもなく埋もれてしまいます。
最初はサイト全体の上位表示を狙うのではなく、記事コンテンツ単位で上位表示を狙うのが効果的です。検索ボリュームが100以下のロングテールキーワードの中から上位表示を狙えそうなものを選び、記事コンテンツを作成していきましょう。
もちろん、ビッグ~ミドルキーワードに比べると検索ボリュームはグッと少なくなりますが、検索意図がはっきりしているため自社が提供する情報とユーザーが求めている情報が合致しやすく集客増加が期待できます。
集客が増えれば検索エンジンからの評価も高まります。キーワード選定以外のSEO対策にもしっかり対応していれば上位表示も難しくはありません。
流入が増えてきたらミドルキーワードを狙う
ロングテールキーワードで記事ページを増やしていくことで流入の数も増え、上位表示される記事がいくつか出てくると思います。このタイミングで今度はミドルキーワードを狙っていきましょう。
ある程度の検索ボリュームがあるミドルキーワードは、記事だけではなく記事を束ねるカテゴリーページで活用することをおすすめします。
ロングテールキーワードを狙った記事の蓄積に伴い検索エンジンからの評価も蓄積しているため、サイトのドメインパワーは立ち上げ期よりも強くなっています。
そのため、記事ページよりもひとつ上の階層にあるカテゴリーページが上位表示される可能性も十分にあります。ミドルキーワードでより多くのユーザーからの流入を図り、カテゴリーページから各記事ページへの遷移を促しましょう。
流入が安定してきたらビッグキーワードを狙う
ミドルキーワードでも上位表示されるようになったら、次はビッグキーワードを狙いましょう。この段階に来れば、ドメインパワーはかなり強力になっています。
カテゴリーページやトップページをビッグキーワードを狙ったテキストに修正し、ロングテール・ミドルキーワードで高評価を積み重ねてきたページとリンクさせるなどの工夫を行い、上位表示を目指します。
しかし、いくらドメインパワーが強くなったと言ってもビッグキーワードでの上位表示が難しいことに変わりはないため、内部構造の最適化や記事コンテンツのリライト、認知度や権威性の高いサイトからの被リンクの獲得など、SEO内部・外部対策やコンテンツSEOにも積極的に取り組む必要があります。
検索キーワードの選定方法
ここからは、検索ボリュームを調査した後に適切なキーワードを選定する方法をご紹介します。
1. サイトの目的とターゲットを明確化する
どの企業にもサイトリニューアルを行う目的があり、見てほしいターゲット像があるかと思います。
どんなターゲットにどんな情報を発信してどんな成果を生みたいのかという自社サイトがあるべき姿を定め、ブレが生じないようにしていきます。
また、定めたターゲットはどんな悩みを抱えているのかという検索背景を考えて、解決するために提供できる情報を明確化していきます。
2. 関連性の高いキーワードを絞る
検索ボリューム調査で調べたキーワードの中から1で決めた目的やターゲットと関連性が高いキーワードを絞ります。
検索ボリューム順やカテゴリー別に整理して分類していくと重要なキーワードの抜け漏れを防ぐと同時に意味が似ている重複キーワードを削除しやすくなります。
また、検索ボリュームがあまりに小さいキーワードはより多くのアクセスを呼び寄せることにはつながりにくいため、ロングテールキーワードでも検索ボリュームが100以上あるものを選ぶことをおすすめします。
3. 優先度をつけ、SEOで勝てるキーワードを選定する
次に優先度をつけます。検索ボリュームが大きいものから選ぶのではなく、以下の3つの要素が揃ったキーワードを狙います。
- ターゲットのニーズが強い
- 実際に検索されている
- 自社が有益な情報を提供できる
良い塩梅のキーワードを探し出すことは簡単ではありませんが、競合サイトもチェックしつつ自社サイトが勝てそうな間隙を突きましょう。
繰り返しになりますが、まずはコンバージョン率の高いロングテールキーワードから優先的に取り組むことをおすすめします。
ロングテールキーワードを狙った良質なコンテンツを積み重ねていけばサイト全体のドメインパワーが上がっていきます。急がば回れの考え方でコツコツ作成していきましょう。
検索ボリューム「0」でも対策するべき?
ツールを使って検索ボリュームを調べると、「0」と表示されることがあります。ですがこれはツール上ではデータが出ないというだけで、まったく検索されていないということではありません。
ラッコキーワードなどのツールでは実際に検索されているキーワードが表示されますが、表示されたキーワードでも検索ボリュームが0の場合はけっこうあります。
このような、検索ボリュームが極端に少ないキーワードの対策をするべきなのか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、サイト全体で見たときに必要なコンテンツであれば作成するべきです。
SEOでは網羅性も重要な要素
コンテンツSEOでは、狙う検索キーワードについて記事の中で広く深く掘り下げ、網羅性を高めることが上位表示のために効果的ですが、サイト全体についても同じことが言えます。
自社がどんな会社なのか、どんなサービスを提供しているのかを示す重要なコンテンツであれば当然作成するべきですし、コンバージョンにつながりやすいページも必要性が高いため作成するべきです。
さらに、ユーザーは複数のニーズを抱えている場合もあるため、あらゆる情報を提供しているサイトの方が1度でニーズを解消しやすくなり、サイト全体の回遊率も高まります。
網羅性が高ければ専門性や信頼性も高まり、検索ボリュームが少ないキーワードを設定したページも結果的にSEO評価の向上に貢献しているというわけです。
検索ボリュームが少ないキーワードで迷った場合は、自社サイトにとって必要性の高いコンテンツであるか、コンバージョンにつながりやすいコンテンツであるかどうかを軸に対応していくと良いでしょう。
まとめ
今回は、検索ボリュームの調べ方や最適なキーワードを選ぶ方法を解説しました。
サイトの集客状況やコンテンツごとに最適な検索ボリュームの大きさは違うため、最初は検索ボリュームの小さいキーワードで確実に上位表示させ、ドメインパワーを強化させていきましょう。
そうすることで上位に位置する競合にも立ち向かえるサイトに成長し、多くのユーザーからの流入が増えるようになるでしょう。
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これまで蓄積してきた制作ノウハウを駆使し、企業様と伴走しながら改善すべき課題や打ち出すべき強みを見つけ、CVにつながる施策を提案・実施し、目標達成に努めます。
市場調査から課題分析、キーワード選定、サイト構築、SEO対策、アフターフォローまで包括的に対応していますので、お気軽に弊社までお問い合わせ下さい。
WRITER / HUM 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。 |