台湾向け広告に効果的な手法や特徴、運用ポイントを解説!|訪日外国人集客
台湾は日本旅行のリピーター率もインバウンド消費額も他国に比べて圧倒的に高く、日本に強い関心を持っているユーザーが多いです。
JNTOの訪日外客数調査によると、2023年9月の台湾訪日客数は385,300人以上に上り、昨年同月の客数6,756人に比べ爆発的な伸率を見せています。
台湾はWEB広告市場も拡大を続けているため、進出先として検討している企業も多いかと思います。
そこで今回は、台湾向けに効果的な広告手法や広告運用のポイントについて解説していきたいと思います。
目次 |
台湾のネット環境
広告を出稿する前に、まずは台湾のネット環境がどういう状態なのかを知っておく必要があるためご紹介します。
2023年1月の台湾のインターネット ユーザー数は2,168 万人、インターネット普及率は総人口の90.7%に達し、年々増加の一途をたどっています。
また、ソーシャルメディアユーザーは2,020 万人で総人口の84.5%に相当し日本以上にソーシャルメディアに触れている人が多いです。
出典:DATAREPORTAL
台湾の検索エンジンシェアランキング
2023年10月時点での台湾の検索エンジンシェアは以下の通りです。
1位 | Google(93.12%) |
2位 | Yahoo!(4.65%) |
3位 | Bing(2.02%) |
4位 | CocCoc(0.06%) |
5位 | Baidu(0.05%) |
出典:statcounter
1~3位までを見ると、利用されている媒体は日本と変わらない結果となっています。中国ではネット規制が強化されているためGoogleは利用できないようになっていますが、台湾では問題なく利用でき、他の多くの国と同様にGoogleが最も利用されています。数値も93%以上とかなりの割合を占めています。
Yahoo!も5%近くのユーザーがいますが、ひとまずGoogle広告に取り組むことで大体の台湾ユーザーにリーチすることができると考えられます。
台湾のSNSシェアランキング
台湾ネットワーク情報センター が2023年8月に発表した「台湾インターネットレポート」と、世界のデジタル利用状況のレポートを提供する「DATAREPORTAL」を見ると、現在台湾で人気のSNSランキングは以下のようになっています。
1位 | YouTube |
2位 | |
3位 | LINE |
4位 | インスタグラム |
5位 | TikTok |
台湾ではYouTubeユーザーが最も多く、TikTokもランクインしていることから、日頃から動画を見る習慣があり、動画広告が効果的であることがうかがえます。世界で最もユーザーを抱えるFacebookは台湾でも高い人気を誇っています。
また、日本だけが高いシェア率を占めているイメージが強いLINEですが、実は台湾でも高いシェア率を誇り、国民的なメッセンジャーアプリとなっています。
台湾でLINEが人気な理由として、LINEのCFO黄仁埈氏は、日本とコミュニケーション文化が似ていて、テキストでは伝えられない気持ちを代弁するスタンプの活用が浸透していることや、台湾出身者が現地法人の代表を務めて徹底的なローカライズを実施していることが考えられるとしています。
参考:LINEが日本、台湾、タイでシェアを獲得できている3つの理由:CNET Japan
台湾のクリエイティブの特徴
台湾のネット環境について把握したら、次は台湾のクリエイティブにはどんな特徴があるのかを考えてみましょう。もちろんすべての台湾広告が以下に挙げる特徴を持っているわけではないため、以下に挙げるものは一例となりますが、日本のクリエイティブと比較しながら見ていきます。
色味や文字はとにかく派手に目立たせる
こちらは日本のケンタッキーのクリエイティブ(インスタグラム)です。
引用:kfc_japan
文字を入れて説明したり、派手に装飾したりせず、あくまでも商品に焦点を当てています。1枚の画像だけでいかにおいしそうに見えるか、食べたくなるかという点にこだわり、看板メニューであるチキンのそのままのおいしさがわかりやすく伝わります。
一方、こちらは台湾のケンタッキーのクリエイティブ(インスタグラム)です。
引用:kfctaiwan
多くの方が「文字が多くて目立つな~」と感じたかと思います。背景も赤色が多く、パッと目を引きますよね。商品画像と同じくらいか、時には商品よりも大きく文字が入れらており、商品の魅力が何なのか、どんな特徴があるのかを伝えています。
どれだけお得になのかを伝えるために、値段や割引の数字もほとんどのクリエイティブに目立つように記載されています。
このように、台湾向けの広告では目立つ色味と文字で興味をひき、商品自体を見せるというよりも、この商品によってユーザーがどんなベネフィットを得られるのかを伝えることにより重点を置いていることがうかがえます。
ストレートな表現方法
次に、ポカリスエットのクリエイティブを見ていきましょう。
こちらは日本版の広告です。
青空の下、きらきらと幻想的な光の中で高校生2人がポカリスエットを飲んでいる様子をアップで映し、最後に2人のあふれんばかりの笑顔とともに、コンセプトである「生きている味がする。」という印章的なコピーを表示しています。
生き生きとした学生の青春の輝きをたった15秒の中に散りばめ、広く浸透しているポカリスエットのイメージを表現しています。
一方、こちらは台湾のポカリスエットの広告です。
青と白を基調とし、学生の爽やかな映像であることは日本と共通していますが、台湾の場合は15秒という短い時間の中で、ポカリスエットにどんな機能があり、身体にどんな効果をもたらしてくれるのかを文字で説明しています。
台湾向けの広告ではストーリー性ももちろん重要ですが、上記でもお話した通り、その商品の特徴を伝えることが重視されます。
日本のようにあえて解釈の余白を作り、視聴者のイメージをかき立てるのではなく、ストレートに商品について言及し、効果を伝えるほうが台湾では好まれやすいと言えます。
台湾で効果的な広告手法
では、台湾ではどんな広告手法が効果的なのでしょうか。
Facebook広告
台湾ではFacebookユーザーが非常に多いため、必然的にFacebook広告の出稿に取り組むことで認知を広げやすいです。
Facebookは実名制で生年月日や住所なども登録することができるため、ターゲティング精度が高いという特徴があり、ターゲットとなる台湾ユーザーに向けてピンポイントで広告を配信することが可能です。
また、他のサイトやアプリとの連携も充実しており、台湾ユーザーの行動履歴を把握することができます。シェア率の高いインスタグラムとも連携しているため、個人情報の登録が少ないインスタグラムでもFacebookの詳細なデータを活用でき、高いターゲティング精度を保ったまま広告を配信できます。
Googleリスティング広告
台湾ではGoogleが圧倒的なシェアを占めているため、Googleリスティング広告の出稿も検討すべきと言えます。
Googleリスティング広告は、Googleの検索結果画面に表示されるテキスト形式の広告のことで、ユーザーが能動的に検索したキーワードと関連性の高い広告がオーガニック上部に表示されるため、興味を持ってくれる可能性が高いユーザーにリーチできるという特徴を持っています。
さらに、クリック課金方式により広告がクリックされて初めて課金されるため、高い費用対効果が期待できますが、検索ボリュームが大きいキーワードの場合はクリック単価が高くなりやすいです。
広告の表示基準などはGoogleのアルゴリズムが決めるため、日本での広告出稿の進め方と大きな違いはありません。しかし、台湾では会話は中国本土と同様に北京語が多く使われている一方で、書体は中国本土で主流の簡体字ではなく繁体字が主流となっているため、キーワード選定の際は注意が必要です。
リスティング広告は潜在層への認知拡大には向かず、継続して上位に広告表示されるためには多くのコストをかけなければならないため、短期集中型の施策であることを意識し、SEO対策やSNS広告と並行しながら取り組むことをおすすめします。
台湾に向けた広告運用のポイント
ここでは、台湾に向けた広告運用のポイントをご紹介します。
アドネットワークを活用する
アドネットワークとは、複数の広告媒体のネットワークを作り、まとめて広告を配信する仕組みのことです。この仕組みを活用することで、どのメディアに配信するのかを選定して各社に連絡をとる手間が省け、効率よく台湾の主要なメディアに広告を配信することができるようになります。
アドネットワークはGoogle広告の他にも以下のような強力なサービスが存在しています。
「popIn Discovery Global」は170のメディアと提携しており、月間インプレッション数は10億を超える台湾最大級のアドネットワークです。
「READ」と呼ばれるインサイト機能によって、ユーザーのコンテンツ読了率やユーザーが外部サイトで読んでいる記事カテゴリー、記事をよく読む時間帯などの様々な行動をレポートにまとめてくれるため、効率的に改善を図ることができます。
「Vpon JAPAN」は台湾、香港、中国などアジア各地に拠点を持ち、9億のユーザーにリーチすることができるアジアビッグデータカンパニーです。
訪日外国人向け広告ソリューションを展開しており、モバイルネットワーク経由にてアジアの旅⾏者に関するビッグデータを保有しています。訪日する可能性が高い台湾ユーザーに絞って広告を配信することも可能です。
インフルエンサーを起用する
台湾向け広告ではインフルエンサーを起用することもおすすめです。
台湾ではブログの影響力がかなり大きく、インフルエンサーと言うとブロガーを指すことが多いです。観光庁の訪日外国人動向調査(2023年4-6月期)によると、出発前に役立った情報源は動画サイトに続き個人ブログが2位となり、多くの台湾ユーザーがブログから情報収集していることがわかっています。
そこで、自社商品やサービスのレビュー記事を執筆してもらうとともにブロガーのFacebookアカウントで広告として宣伝してもらうことで注目度が高くなり、信頼も得られ、購入につながりやすくなります。
人気のあるブロガーはSEO対策にも精通していて、どんな書き方でどんなクリエイティブを掲載すれば魅力的に映り、検索順位が上がるのかを熟知しています。そのため、自社に関するコンテンツが上位表示され、継続的な集客が可能になります。
自社が扱う商材に関する専門性が高く、フォロワーからの信頼が厚いインフルエンサーと協業し、長期的に広告を打ちながらブランド基盤を固めていきましょう。
しかし、台湾の広告もステマの規制があり、信用がなくなったり罰金を払わなければならない事態になり得るため、実際に使用した正直なレビューを投稿してもらい、必ず宣伝広告であることを明記する必要があります。
動画広告を活用する
台湾最大のデジタルマーケティング団体DMAの報告書によると、2022年の台湾におけるWEB広告の種類別の割合は、テキストと画像を組み合わせたディスプレイ広告が31.76%で1位となっているものの、2位の動画広告も僅差の28.10%という結果でした。
また、成長率を見てみると、ディスプレイ広告の約3倍もの成長率となり、台湾の動画広告市場が拡大していることがわかります。
台湾はYouTubeが最も人気のプラットフォームであり、インスタグラム、TikTokとビジュアルがメインのSNSの人気が高いため、台湾に向けた広告作成では動画の活用は欠かせません。
台湾でも若い世代を中心にスキマ時間で気軽にエンターテインメントに触れられるショート動画が勢いを増しています。ショート動画はかえって作り込みすぎない方がユーザーに親しみを持ってもらいやすいため、それほど手間をかけずに広告作成が可能です。
しかし、ストレスのないテンポ感や強いインパクトを与えるなど最後まで見てもらうための工夫は必要です。
世界的にも動画広告市場は拡大を続けているため、台湾に加えて他の国に進出するとなった際にも活用できるでしょう。
まとめ
今回は、台湾への広告出稿を検討している方向けに、効果的な広告手法や運用のポイントを解説しました。
日本に興味を持っているユーザーが多い台湾への広告出稿は効果的ですが、競合も多いため、いかにうまくローカライズして差別化できるかがカギとなります。
また、中国や香港とは表記が異なるため、広告クリエイティブをそのまま使いまわすことのないように注意しましょう。
弊社では、ヒアリングをもとに商品やサービスと顧客ニーズを結び付ける最適な戦略を立て、海外マーケティングをサポートいたします。
海外進出を検討している方も、すでに海外マーケティングに注力しているが成果が出ないという方も、お気軽に弊社までお問合せ下さい。
WRITER / HUM 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBライター 株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。 |