リスティング広告について 仕組みから運用まで分かりやすく解説!
2002年9月から日本でサービスを開始し、今もなおインターネット広告の主流であるリスティング広告。
今やWEB広告の中でも主流となり、多くの企業で集客・販促の手法として導入されています。
今回はWEB担当者様向けに、リスティング広告の仕組みや費用、そして運用のコツまで、初心者の方でも分かりやすく徹底解説いたします。
目次 リスティング広告の効果改善法 |
リスティング広告とは
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!の検索エンジンへ出稿出来るテキスト型の広告であり、
ユーザーから検索されたキーワードと連動した広告の表示が可能です。
出稿先となる検索エンジンにおいて、ウェブサイトに関する統計を出しているstatcounter によると、
現在日本ではGoogleがシェア率76%と最もシェアを獲得しており、次いでYahoo!が16%のシェア率で2位となっています。(2020年6月から2022年6月の1年間のデータ)
◆リスティング広告における最近の大きな変更点
リスティング広告は時代に合わせた進化を続けており、これまで何度もルールの変更がありました。
Googleリスティング広告の最近の大きな変更点は、2022年6月をもって、拡張テキスト広告の新規作成および編集が不可となるというものです。
次いでYahoo!でも2022年9月より拡張テキスト広告の新規作成・編集が不可になる予定だと発表されています。
◆自然検索(オーガニック検索)とリスティング広告の違い
自然検索はSEO対策と呼ばれるWEBサイト内部の設定や品質を上げることで検索エンジン側に認めてもらうことで掲載順位が上がるため、無料で掲載が可能です。
リスティング広告は有料の掲載となり、広告スコアにおいて高評価を獲得することで検索結果の上位に表示することが可能です。
SEOは長期的な対策が必要ですが、リスティング広告は費用はかかってしまうものの短期間で上位表示することが可能で短期決戦にも適しています。
SEOと比較し自由度が高いため、広告主によるコントロールがしやすいという特徴もあります。
◆レスポンシブ検索広告
15個の広告見出し と 4つの説明文 を設定でき、検索されたキーワードと関連性の高いものに合わせて、
3つの広告見出し と 2つの説明文 が自動的に抽出され、表示される広告です。
◆動的検索広告
広告主が指定したWEBページのテキストをAIが自動的に読み取り、認識された情報をもとに、ユーザーが検索したキーワードとサイトページのテキストが関連する広告が自動生成される広告です。
このように、リスティング広告には出稿先、出稿方法等、いくつか種類があります。
本記事ではGoogleとYahoo!を取り上げていますが、その他Bingなどでもリスティング広告を行うことが可能です。
それぞれの検索エンジンを利用するユーザーの特徴に合わせて出稿先を決定しましょう。
運用初心者の方は、約8割と最も高いシェア率を獲得しており、幅広い年齢層のユーザーが利用しているGoogleから始めることをおすすめします。
リスティング広告の仕組み
配信の仕組み
リスティング広告を配信する際は主に以下3点の設定が必要となります。
◆広告見出し
広告のメインテキストとなる部分を担います。設定した見出しの内、キーワードとの関連性の高いものから、3つまで抽出され表示されます。
※基本的にPC版では3つ、スマホ版では2つまでの表示とされていますが、文字数により若干の誤差があります。
文字数は30文字以内で、レスポンシブ広告の場合15個まで設定することが可能です。
◆説明文
広告見出しの下部に表示される文章の部分です。広告見出しの内容をの補足として活用します。
説明文は90文字以内の文字数制限が設けられており、2つまで表示されます。
◆キーワード
検索エンジンに入力するキーワードの設定を指します。
広告の対象となる商品やサービスを求めているユーザーが入力すると予測できるキーワードを抽出し設定することが重要です。
費用の仕組み
◆クリック課金制
リスティング広告はクリック課金制をとっており、ユーザーが表示された広告をクリックしたときに費用が発生する仕組みとなっています。
また、ターゲットとするユーザー属性や配信エリア、目標コンバージョン件数などによって変動しますが、費用相場は30万円~50万円と言われています。
リスティング広告を導入している企業の中には、運用を広告代理店に依頼している会社様も多くいらっしゃいます。
広告代理店に依頼する際は、「最低出稿額30万円」というように最低出稿額が決められている場合もあるため、大まかな相場としてこのように言われているのでしょう。
実際には配信日の設定や詳細なターゲティング、配信エリアを絞った配信などで少額で運用されているケースもあります。
◆クリック単価は入札によるオークションで決定
キーワードや語句が入力され検索が行われるたびに、クリック単価を決める入札オークションが行われます。
入札では手動入札、機械学習による自動入札、スマート自動入札の3パターン存在し、現在は機械学習の精度も向上しており、広告に掲載する目的という項目を選択したのち、自動入札機能を使用している運用者も多数います。
リスティング広告の指標
①表示回数(IMP- Impression)
ユーザーへ広告が表示された回数を指します。
②クリック率 (CTR - Click Through Rate)
表示回数に対してクリックされた回数の割合を指します。
③コンバージョン率(CVR - Conversion Rate)
クリック率に対してコンバージョンを獲得した件数の割合を指します。
※コンバージョン・・・問い合わせや資料請求など、広告主が設定した目標のこと。
④クリック単価(CPC - Cost Per Click)
1回のクリックあたりの費用を算出したものを指します。
⑤コンバージョン単価(CPA - Cost Per Acquisition)
1件のコンバージョン獲得に至った費用を算出したものを指します。
⑥費用対効果(ROAS - Retrun On Advertising Spend)
広告出稿に対して売り上げに繋がった割合を指します。
リスティング広告 メリット
①確度の高いユーザーへのアプローチが可能
リスティング広告はユーザーが検索すると推測したキーワードを設定し、実際に検索されたキーワードと連動することで広告が表示されます。
能動的・自発的に何かを検索しているときに入力したキーワードを広告表示のきっかけとするため、
全く興味のない潜在層というよりは、ある程度興味や関心のある顕在層に対してのアプローチに向いています。
確度の高いユーザーへ広告を配信する為、クリック率やCV率も比較的高く、費用対効果も高いとされています。
②低予算で広告出稿が可能
最低出稿額 1000円 ということもあり低予算で運用することが可能です。
データ分析の為3か月以上の一定期間運用を継続することをおすすめしていますが、
掲載期間は自由に設定できるため、低予算の場合は曜日や配信日の指定やエリアを絞ることで予算を抑えた広告配信が可能です。
③詳細かつ柔軟なターゲティングが出来る
リスティング広告では、配信期間、曜日や日付の指定、半径10キロ圏内で指定できる配信エリア、細やかなユーザー属性の指定など、かなり詳細なターゲティングが可能です。
予算や事業規模に応じて柔軟に配信設定が出来るため、効率の良い配信が可能です。
④様々な指標でのデータの解析が可能
リスティング広告の仕組みの部分でも述べたように、表示回数やクリック数、コンバージョン率など、確実にデータを取得できる点もメリットの一つです。
テレビCMや新聞広告、チラシなどでは可視化できない部分も、リスティングでは数値で可視化することが可能です。
①潜在ユーザーへは不向き
ユーザー自ら能動的に検索することが求められるリスティング広告において、興味関心を抱く前段階の潜在層へは不向きな広告となります。
あくまでも角度の高いユーザーへのアプローチに適した広告手法となります。
②常に効果改善を行う必要がある
検索エンジンに入力されるキーワードには、業界のトレンドや季節感なども密接に関係します。
リスティング広告を導入する企業も増え競合も多い中、ユーザーや市場のトレンドにも左右されるリスティングで成果を上げるためには、常に効果検証、改善を行う必要があります。
定期的にデータを分析することが必要になるため、時間と労力は消費せざるを得ません。
③運用に専門的な知識が必要
広告出稿、効果検証、効果改善を行うなかで成果を出し続けるためには実務で経験した体感とノウハウによる専門的な知識を要します。
内政化する場合、外部からの情報収集や実際に運用を経験する中で情報を吸収していかなければならないため、その分労力と時間が必要となります。
リスティング広告 効果を上げるポイント
①広告の品質を良質なものにする
リスティングにおいて、広告の品質を上げることで掲載順位を得げることが出来ます。
Googleが広告を審査し、ユーザーにとって価値ある広告だと認識することで広告のスコアが上昇し、
掲載順位が上がるという仕組みです。
検索エンジン側の意図としては、サイト内部にいかにユーザーが求めている情報が記載されているかが重要になるため、予算を潤沢に持っている企業の広告が上位表示されるのではなく、広告の質も判断材料となります。
1ページ目に表示される広告と1ページ目以降に表示される広告では、表示回数に格段の差が生まれます。
1ページ目上部に表示されるように掲載順位を上げて広告効果を高めましょう。
②効率の良い配信設定を行う
詳細なターゲティングが可能なリスティングにおいて、狙うべきターゲットにピンポイントでアプローチすることが可能です。
◆ターゲットに対してエリア設定は適正な範囲でしょうか?
→必要に応じて市や県単位ではなく、駅から半径○キロといったように細かくエリアの設定を行いましょう。
◆キーワードの設定が原因で意図しないクリックが発生していませんか?
→意図しないクリックを避けるため、特定のキーワードを表示対象から外す、除外キーワード設定を行い必要のない広告表示を未然防止しましょう。
◆キャンペーンは適切に分けられていますか?
アピールポイントに応じ、適切にキャンペーンを分けて作成しましょう。
例えばアピールポイントがエリアの場合、エリアが異なるもの同士を同じキャンペーンにしてしまうと
広告見出しとリンク先のWEBページでの一貫性が保てなくなってしまいます。
こういったことを防ぐためにも適切にキャンペーンを分けて作成しましょう。
③キーワード・広告見出し・LPの関連性を高める
何度も関連性、一貫性という言葉が登場しているように、リスティングにおいて
キーワード・広告見出し・LPの関連性は効果が左右する大変重要な役割を担っています。
いまいちどユーザー視点に立ち、キーワード検索 → 広告表示 → LP閲覧 の流れに矛盾がないか確認してみましょう。
リスティング広告運用 成功のポイント
①運用設定を行う前にペルソナを立てる
リスティング広告において重要な要素の一つとして、広告見出し、説明文、そしてキーワード登録をユーザー視点に立ったうえで行うことが挙げられます。
広告の対象となる商品や業界に精通している広告主が運用を行う場合がほとんどだと思います。
一度知識は空にして、ユーザーの訴求に合った設定をするように心がけましょう。
②キャンペーンと広告グループを適切に分ける
キャンペーンや広告グループの分け方を工夫することで効果を上げることに繋がります。
同じ配信エリアや同じ予算内でキャンペーンを分けていませんか?
またCPAが大きく異なる場合は、配信エリアや予算が同じ場合でも一度キャンペーンを分けて
運用しデータ分析を行うと効果改善の施策を打ちやすくなります。
広告グループやキャンペーンを適切に管理し効果創出を狙いましょう。
③キーワードの整理を行ったうえで設定する
リスティングにおいてキーワードは入口の部分を担う大変重要な要素です。
設定したペルソナを活用し、ユーザー視点に立ちキーワードの抽出をしっかり行ったうえで設定するキーワードをさらに吟味しましょう。
リスティング広告の効果改善法
①機械学習を活用する
主要な出稿先である、GoogleとYahooにおいて、広告を運用する場合に「機械学習」という機能があります。
特別こちらで設定するものではなく、運用をしていくことで蓄積されたデータをもとに自動的に運用の最適化を図ってくれるものです。
もちろん、最適化はあくまでも案として提案されるのでこちらでアクションを行わない限り勝手に適用されることはありません。
リスティング広告が普及し始めた頃はまだまだ精度が低いと言われていましたが、近年では精度が上がってきています。
全ての最適案を鵜呑みにすることは危険ですが、提案を理解したうえで活用すると良いでしょう。
②レスポンシブ広告の機能を最大限活用する
レスポンシブの最大の魅力は広告見出しや説明文を複数個設定でき、検索キーワードと関連性の高いものから自動生成してくれる点です。
データが蓄積されると表示回数の多い広告文、反対に少ない説明文等の数値が顕著になります。
この結果から広告見出しや説明文の再設定や入れ替え、サイトリンクオプションやキーワードへの反映など様々な改善が可能です。
これまでのA/Bテストの必要なく、一つのキャンペーンでこの作業が出来る為、積極的に活用しましょう。
③設定した目標に対する費用対効果や課題の見直しを定期的に行う
WEB広告全般に当てはまることですが、データ分析に基づく定期的な改善・調整を行うことが要となります。
表示回数に対してクリックが少ない場合は広告見出しでのアピール方法を変更したり、
クリック数に対してCV件数が少ない場合はLP内のファーストビューや問い合わせフォームの簡素化を図ったり、
ユーザーの一つ一つの行動を予測した施策で効果改善を図りましょう。
CV率向上に効果あり!キーワードとLPの関連性を高める方法
リスティングにおいて、LPと検索キーワードの一貫性はCV率に大きくかかわります。
しかし、商圏エリアが全国区や九州など幅広い場合や、広告の対象となるサービスや商材が多岐にわたる場合などはLP内のキャッチコピーをを具体化することが難しくなります。
なぜなら、例えば九州圏内が対応エリアの場合、福岡県で商品を検索したにも関わらず、
「熊本の〇〇」「大分の〇〇」などという見出しが表示されてしまうと
九州全域で事業を展開していても、ユーザーの訴求にそぐわない広告になってしまいます。
このような状況を回避するためにはキャンペーン毎にLP改善と制作を行う必要があります。
しかしこの方法では広告運用者の負担が大きく、コストパフォーマンスも悪くなってしまいます。
それを避ける方法が、1つのLPで、キャッチフレーズをシステム上で検索キーワードに合わせて自動的に生成させる方法です。
このツールを導入することで、労力や時間そしてコストを削減し、ユーザーの訴求に合致した広告・LPを実現することが出来ます。
事業展開が多岐にわたり、広告配信方法に改善を要している企業様、気になる方は下記問い合わせフォームよりお問い合わせください。
まとめ
今回はリスティング広告の仕組みから運用などの基本から、成功のポイントや失敗例から学ぶ改善法など、盛りだくさんの内容でした。
運用初心者の方や、効果が見られない場合などのご参考になれば幸いです。
各項目に、より詳細な内容を記載した記事のリンクがありますので、詳しくご覧になりたい方はリンク先の記事も参照ください。
ジャリアでは初回無料のレポート診断も承っておりますのでご要望の方やリスティングに関してのお問い合わせは下記フォームよりお待ちしております。