宿泊施設の直販予約キャンペーン設計|OTAに依存しない集客戦略とは

OTA経由の予約手数料が利益を圧迫する中、「自社サイトからの予約をもっと増やしたい」と考える宿泊施設は少なくありません。とはいえ、単に「自社予約でお得です」と訴えても、旅行者の心には響きません。

ユーザーは“価格”以上納得できる理由”“具体的なメリット”を求めています。この記事では、OTAに依存せず自社予約を確実に増やす直販キャンペーンの設計術について、具体的な方法と成功パターンを交えながら徹底解説します。 

目次

なぜ今、“直販キャンペーン”が重要なのか?

成功する直販キャンペーン設計の基本ステップ

キャンペーン特典の工夫で“予約する理由”を作る

効果的な販促チャネルの活用で予約数を最大化する

実践事例から見る、直販キャンペーン成功のポイント

最後に|宿の世界観を伝える直販導線を、いまこそ

 

なぜ今直販キャンペーン”が重要なのか 

OTAに依存しすぎることで起きる“利益率の低下”と“顧客情報の蓄積不足”は、宿泊業の将来にとって大きなリスクです。これに対し、自社予約を増やす直販施策は単なる販促活動ではなく経営戦略”として取り組むべきテーマです。 

宿泊施設ブランディングの株式会社ジャリアの宿泊予約イメージ

OTA手数料による収益圧迫からの脱却 

OTAは確かに強力な集客ツールですが、手数料は10〜15%にのぼることが一般的です。これが繁忙期や長期滞在の予約で重なると、利益の圧迫は避けられません。

一方、自社サイトでの直販予約であれば、こうした手数料は不要。浮いたコストを“宿泊者への還元”に回すことで、ユーザーにも“直販を選ぶ理由”を提示できます。 

 

顧客情報を蓄積・活用できる直販の優位性 

直販経由の予約であれば、予約者の属性・傾向・リピート履歴など、顧客情報を直接取得・蓄積することができます。

これにより、次回以降のパーソナライズ配信、LINEでの再訪フォロー、記念日のDMなど、マーケティング施策の幅が大きく広がります。顧客と“つながり続ける”ためには、直販こそが最も重要なタッチポイントなのです。 

成功する直販キャンペーン設計の基本ステップ 

直販キャンペーンで成果を出すためには、ユーザー目線で“なぜこの宿の自社サイトから予約すべきなのか”を明確に設計することが大前提です。

闇雲に「特典付き」と打ち出すのではなく、予約までの導線を一貫して考えることが求められます。 

コンセプトとターゲットの整理が第一歩 

まずは「誰に向けたキャンペーンなのか」を定義することから始めましょう。たとえば「40代夫婦の記念日旅行」向けであれば、静かな客室・夕食付き・スパ特典が有効かもしれません。

対象顧客像を具体的に想定することで、メッセージや特典の内容が研ぎ澄まされていきます。ターゲットに刺さる“物語性”のある訴求が鍵です。 

自社サイト内で完結する導線を整える 

キャンペーンの詳細説明、予約フォーム、決済、フォローメール、リマインド通知まで——すべてが自社ドメイン内で完結するように設計することが理想です。

途中でOTAや外部予約サイトに飛ばすと、離脱率が高まり「なぜ直販だったのか」がブレてしまいます。サイト内の回遊設計や、予約完了後のフォローコンテンツまで“宿の世界観”を保つ工夫が、直販施策を強化します。 

キャンペーン特典の工夫で“予約する理由”を作る 

ユーザーは「価格」だけではなく、「得られる体験の質」で宿を選びます。直販キャンペーンでは、単なる割引ではなく“気持ちの動く特典設計”が鍵を握ります 

宿泊施設ブランディングの株式会社ジャリアの脱OTAスマホイメージ

金額以上の価値を感じる“感情型特典 

たとえば、「館主からの直筆お礼メッセージ」「夕食時のワンドリンクサービス」「朝の貸切風呂10分延長」など、宿らしさを感じる“感情に訴える特典”が特に有効です。

「ここから予約すると、ちょっと特別な体験ができる」という納得感が、直販への行動を後押しします。価格だけで勝負しない姿勢が、結果的にブランド価値を高めます。 

特典に“期間限定”をかけることで行動を促進 

どんなに魅力的な特典でも、いつでも使えるとユーザーは「今でなくてもいい」と感じてしまいます。そこで、「今月末まで限定」や「10組限定」といった“期限”や数量”の制限を設けることで、心理的な行動喚起を狙います。
また、シーズンごとに特典を変えていくことで、常にフレッシュな訴求を維持することができます。 

効果的な販促チャネルの活用で予約数を最大化する 

直販キャンペーンは、作っただけでは意味がありません届けたい人に、適切な形で届ける”ことが成果の分かれ道です。宿泊施設が活用すべき販促チャネルは、紙からデジタルまで多岐にわたります。 

宿泊施設ブランディングの株式会社ジャリアのホームページ制作イメージ

SNSは“世界観”を伝える最大の導線 

InstagramやFacebook、LINE公式アカウントなど、SNSはキャンペーンの情報をただ拡散する場ではなく、「その宿で過ごす時間のイメージ」を伝える重要な導線です。

ビジュアルやコピーに統一感を持たせ、「ここから予約するとこんな時間が過ごせる」という“体験の期待感”を醸成する投稿を心がけましょう。ハッシュタグ選定やストーリーズの活用も反応率を高めるポイントです。 

滞在中やチェックアウト後の“紙”でもしっかり誘導 

滞在中の客室やロビーに「次回予約は公式サイトで」というPOPを置く、チェックアウト時に渡すサンクスカードにQRコードを添えるといった紙媒体も、有効な導線です。

宿泊体験の満足度が高いほど、次の予約も視野に入っているため、帰り際の“最後の接点”に公式サイトの導線を挟み込むことは非常に効果的です。 

実践事例から見る、直販キャンペーン成功のポイント 

単なる割引ではなく、“体験価値”を高めて自社予約に導いた宿の事例は、直販の可能性を示してくれます。 

宿泊施設ブランディングの株式会社ジャリアの受付イメージ

滞在前メッセージでCV率が1.6倍に上昇 

ある温泉宿では、公式サイトからの予約完了後にLINEで「ご予約ありがとうございます。おすすめの過ごし方をご案内します」というメッセージを自動送信。これによりこの宿でどう過ごすか”宿側が先回りして提案する形が生まれ、滞在前の満足感が高まりました。

その結果、直販キャンペーンの成約率が1.6倍に伸長。予約完了後のフォローこそが、実は直販の最後の決め手になるのです。 

一番お得」は価格より“納得感”で伝える 

別の施設では、「直販予約でワンドリンク無料」という特典だけでなく、「公式サイトでご予約いただいた方には“宿の理念”を感じていただくための特別なプチ演出を行っています」というメッセージを明記。

これが旅行者の“納得感”を醸成し、「他サイトより安いから」ではなく「ここで予約する方が意味がある」と感じてもらえる形を構築しました。価格勝負ではなく“感情で選ばれる”直販の価値づくりが鍵です。 

最後に|宿の世界観を伝える直販導線を、いまこそ

直販キャンペーンは、ただ安く売る手段ではなく、“宿の価値を正当に伝える手段”です。価格や条件で選ばれるのではなく、「この宿のコンセプトに共感したから、ここで予約したい」と思ってもらえること。それが、OTAでは得られない“信頼”の醸成です。 

福岡の広告会社ジャリアでは、宿泊業の直販導線設計に数多くのノウハウがあります。Web・LINE・SNS・紙媒体など多チャネルを組み合わせ、キャンペーン設計からクリエイティブ制作、成果分析まで一貫してご支援可能です。
宿の価値を伝え、選ばれる宿に進化するための第一歩を、
https://jarea.jp/からご相談ください。

宿泊施設の自社予約率を最大化するためのホームページ戦略【脱OTA完全ガイド】 

SNSでファンを育てる宿泊施設の情報発信イメージ5

WRITER / Yigg
株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部 WEBコーダー

株式会社ジャリア福岡本社 WEBマーケティング部は、ジャリア社内のSEO、インバウンドマーケティング、MAなどやクライアントのWEB広告運用、SNS広告運用などやWEB制作を担当するチーム。WEBデザイナー、コーダー、ライターの人員で構成されています。広告のことやマーケティング、ブランディング、クリエイティブの分野で社内を横断して活動しているチームです。

※本記事は、株式会社ジャリアのWebマーケティング部による編集方針に基づいて執筆しています。運営ポリシーの詳細はこちらをご覧ください。